メシア
メシアは言った。「メシ、おごったるわ」
貧しき者に施しを与える。少しでも持つ者が、持たざる者に分け与える。大いなる愛を持つ者が、それを与える。
その瞬間、彼は彼としての人生を始めるのだ。メシアとはヘブライ語で「油を注がれた者」の意。洗礼、まるで彼自身が油で調理される食物、供物にでもなるかのように。彼は救世主となる。
偉大なる為政者にはなれずとも、水を葡萄酒に変えられずとも、病人に手を触れるのみで治癒できずとも、イエス・キリストにはなれずとも。貧しき者の側に、病める者に寄り添い、苦しみを分かち合う。それだけで、彼は誰かのメシアとなる。平和をもたらす者となる。
多くの人々に崇拝されることがメシアではない。誰かのためになすのがメシアである。私はそう思う。
「先輩、マジメシアっす!」
「いつもの定食屋な。安いから」
こうして私は給料日前、先輩に昼食をごちそうになるのです。