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五つの力(S)

「さぁ、ここなら誰にも邪魔されない」


 かれこれ30分くらい歩いただろうか、それは少し古ぼけたコンクリートで出来た倉庫のような場所だった。


「ちょっと埃っぽいところだけど我慢してくれ」


 そう言いながらドアの鍵を開けて中に僕たちを招き入れる。中に入ると、薄暗い明かりを灯すスタンドライト、少し大きめの机、それを挟むように二つの革張りのソファーがあった。ムーンさんに促されそのソファーにゆみを座らせ、その横に僕は座った。


「さて、少し長い話になるけど大丈夫かな?」


「はい、問題ないです」


「まずは君が気になっている家系の事から始めようか」


「はい」


 話を聞かなければ何も始まらないので覚悟を決めて聞く。


「先程も言ったけど、君の今のお父さんは君の本当のお父さんじゃないんだ。名義上父になっているが実際は君の本当のお父さんの親友らしい。もし信用できないなら君のお母さんに聞いてみるといい」


 それについては歩いている間に何度も考えた、ショックだった。今まで優しく育ててくれた父さんが本当は父さんじゃないなんて、もしかしたら僕は愛されて産まれた子供じゃないかもしれない。


「ショックを受けるのも無理はない、だけどね、君のお母さんは君の事を我々に隠し続けてきた、この行為自体が君を守るためなのだから、きっと君の事を大事にしてたんだろうね」


 僕の心を読んでいるかのようにムーンさんはそう付け加えた。


「さて、では話を変えよう。次は君の先祖の能力についてだ。君の先祖の能力は君の触媒の他にも4つあるんだ」


「え、僕の他にもそんな力を持ってる人が?」


「君の触媒、合成、進化、中和、複製この5つの力が君の先祖の力なんだ」


「そして私達はその力を全て手に入れたいと考えているんだ。君の場合はそのまま名字を名乗っていたから見つけやすかったし、力をたまに発動していたからすぐに確認も取れた」


「でも他の4つの能力は未だ尻尾すら掴めていないんだ」


「だから君には是非とも私達は怠け者集団に入ってほしんだ。どうだろう?」


 正直な話、この組織に入ってもいいと思った。昨日は神父に遭遇して迷惑を掛けられた。だけどゆみとは違い、ムーンさんは全てを包み隠さず話してくれたし、ゆみが言うほど悪い組織には全く見えない。


「すいません。こんなに色々教えてもらって申し訳ないんですが、もう少し考えさせてもらってもいいですか?」


 僕はそうムーンさんに返答した。この場で決める事は勿論できた。だけどもう少しだけ、彼女と、ゆみと話がしてみたいと思ったのだ。


「いや、この話は君が知るべき真実だから礼には及ばないよ。それにね、君を無理矢理に組織に入れる気は私にはないんだよ。所詮、無理矢理入れた人間が組織のためにちゃんと力を注げる訳がない。君の本心で本当に私達の組織に入りたいと思った時にまた声をかけてくれ、これ私の連絡先だから」


 ムーンさんはそう笑顔で言ってくれた。


「本当にありがとうございます」


 僕は連絡先を受け取り、ゆみを抱き上げその場を後にしようとした時。


「一つ言い忘れていたんだけど」


「なんですか?」


「私達の組織は一枚岩じゃ無いんだ。私のような重役が他にもいてね、私としては君を無理矢理に組織に入れたくは無いんだけど、他の者たちの中には君を手に入れる事で組織内の地位をあげようと企てている者もいるから気をつけてくれ」


 僕はその言葉に少し恐怖心を覚えた。

 はいどうもsです。今回も飽きずに読んでいただきありがとうございます。いやームーンさんめっちゃかっこいいですね。やっぱりkが作るキャラはいちいちかっこいいですね。これに触発されたというか、oの伏線を回収したくなったという感じで今回は一気に物語を進めちゃいました。


 ついに第一章も佳境に入る雰囲気を漂わせながら、明らかになる主人公の力。そしてそれは家系、自分の先祖の力、受け継がれし5つの力。いやー熱い展開になってきましね、そろそろバトルパートに入れると信じています。というか超能力バトルものなのに15話使っても超能力バトルならないっていかがなものなんですかね? でも、そろそろバトルにいけると思うのでみなさま飽きずに読んでくれたら幸いです。


 ではまた次回に会いましょう。

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