4話
4話
私は目を開けた。──ここは…森?
「なんで? どうして私、森の中にいるの!?」
混乱とパニックで頭が真っ白になる。
『どうしたの? レイン。何かあったの?』
「ひぃっ!? 声が……!」
頭の中に直接響いてくる声。思わず叫び返してしまう。
『……僕の声、変だった……?』
ちょっと落ち込んだような声。でも今は、それどころじゃない。
その時──
「クゥーン…」
どこかから小さな鳴き声が聞こえた。
周囲を見渡すと、黒い頭が3つある犬がいた。その体はボロボロで、今にも倒れそうだった。
「なっ…! 可愛いワンコが傷だらけ!?」
私はすぐに思い出した。──ここはゲームの世界。アイテムボックスにポーションがあったはず!
急いで取り出し、犬の傷口にかける。
すると、みるみるうちに傷が癒えていった。
その瞬間、犬が口を開く。
「この度は怪我を治していただき、誠にありがとうございます。恩返しとして、私はあなたに忠誠を誓い、眷属となることを願います。」
「うーん……私はね、あなたと“友達”になりたいな。」
──この世界で、たくさんの“友達”を作りたい。
それが、私の目標。
でも犬は、困ったように首をかしげた。
「すみません。“友達”とは……どういう関係ですか?」
「えっ……?」
友達を知らないなんて——
「“友達”っていうのは、上下関係がなくて、対等な立場で仲良くする関係のことだよ。」
私がそう説明すると、犬は戸惑った表情を浮かべた。
「対等……それは、恐れ多いことです。」
「じゃあせめて、敬語はやめて! 私のことも“レイン”って呼び捨てで。これだけは譲れない!」
きっと、そうすれば友達になれると思った。
「……わかった。」
少しだけ、距離が縮まった気がした。
「そうだ、自己紹介がまだだったね。私は“レイン”。呼び方もレインでOK! 君の名前は?」
「俺には……名前がない。いつも“ケルベロス”とだけ呼ばれていた。」
「えっ、名前がないの!?」
だったら、つけるしかないよね!
私は“雨”のレイン。ナビゲーターは“晴れ”のサン。
だったら、この子は——“曇り”だ!
「決めた! 君の名前は“クラウド”。呼び方もクラウドで!」
「……クラウド。ありがとう。──この名前、一生大切にする。」
「そ、そんなに重く受け取らなくても……!」
──こうして、私に新しい仲間ができたのだった。
最後までありがとうございました!




