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ポーション屋の事情  作者: Rapu
第4章

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第81話 スキル書


 ……。


 何だか……、温かい……。


「アリス、起きろ!」

「テオ、アリスが目を覚まさないよ……俺の『回復魔法E』だと『スリープ』を解除できない?」


 ……ん?


「タロウ、もう1回アリスに『回復魔法』を掛けてみろ」

「うん!」


 目を開けると、テオとタロウの顔が近い……私を覗き込んでいる。どうしたの?


「おっ、目を覚ましたぞ」

「アリス、大丈夫?」


 私? えっと……インプが現れて、いつでも『回復魔法』を掛けられるように……あっ、私がインプに『スリープ』を掛けられて寝てしまったの? そっか……。


 あれ? テオとタロウが『挑発』を入れたのに……インプが爪を向けた時には詠唱が始まっていたってこと?


「……タロウが『回復魔法』を掛けてくれたの?」

「うん、目が覚めて良かったよ……」

「タロウ、ありがとう……」


 ……殴ってないよね?


「これで、タロウの『回復魔法』で『スリープ』を治せるって分かったな。後は『暗闇』だが、『スリープ』が治せたら十分だ。今日はインプ狩りに慣れるぞ」

「「うん」分かった」


 この後、コカトリスやジャイアントスネイクが出て来る下層には行かず、20階~23階の間で狩りをすることにした。


 インプが現れたらテオとタロウが『挑発』して突っ込むけど、インプの魔法をほとんど受けてしまうの。


 それを阻止する為に、インプを見つけたと同時に私が前に出て魔法を撃つことにしたけど、それでも間に合わなくて弱体を受けることもあった。お陰で、タロウの『回復魔法』で問題なく『暗闇』が治ることが分かったけどね。


 ◇

 少し早めに街に戻って来て、冒険者ギルドに向かいながら今日の戦利品を確認。3人でダンジョンに入る時は私がドロップ品を回収しているの。


「今日のドロップ品は、魔石のランクEが15個とCが30個。オーク肉10個と上質肉がなんと4個も! ふっふっふっ、上質肉の4個は売りません! 私が大切に預かります」

「おっ、なかなか稼げたな!」

「アリス、上質肉は売らないの? やった!」


 タロウは、上質肉の買取り価格が高いから売ると思っていたみたいだけど、売るならいつでも市場で買えるオーク肉でしょう! ふふふ。


 それと、スキル書が2個出た。インプから『暗闇』とハイオークからは『挑発』が……たぶん、タロウのお陰です。テオが、ギルドで闇魔法の『暗闇』は金貨100枚で、身体強化の『挑発』は金貨10枚で買い取ってくれると言う。


「「ええー! 『暗闇』が金貨100枚!」テオ、売ろう! 直ぐ売ろう!」


 タロウの「売ろう!」の言葉に、私も大きく何度も頷く。


「お前達、良く聞け。スキルは売るより覚えた方が良いんだ。自分が強くなるし、強くなるということは、仲間を守ることが出来るからな!」

「「仲間を……」守る」


 そっか、パーティーを組むなら、自分が強くなることも大事なんだ……守る為に。


「それに『暗闇』は、格上の魔物にも使える魔法だから覚えた方がいい。俺もタロウも『闇魔法』は持っていないから試すぞ。覚えられなかったら売ればいいからな」


「「うん」分かった」


 ということで、ギルドに行く前に公園でスキル書『暗闇』を試すことになった。


 先ず、テオが『暗闇』のスキル書を手の平に広げて魔力を流してみたけど、反応しなかった。続いてタロウが同じようにすると、スキル書が浮かび上がってから、吸い込まれるようにタロウの手の中に消えた。


「うわっ! 消えた……」

「タロウ、どこも痛くない?」

「うん、大丈夫だよ」

「タロウ、ステータスを確認してみろ」


 タロウがステータスを確認したら、スキルの最後に『闇魔法F』が増えているって喜んでいる。


 スキルの『挑発』はテオもタロウも使えるから売ります。私も『身体強化A』だから、練習すれば使えると思う……今度、試して見ようかな。


 ◇

 ギルドの買取りカウンターで、スキル書の『挑発』を出すと、テオの言っていた通り金貨10枚で買い取ってくれた。


 なので、換金額が(上質肉を売らない代わりにオーク肉は全部売った)金貨27枚と銀貨3枚です。凄いよね! 


 あっ、買い取ってくれないゴミアイテムの武器とインプの羽は、そのままダンジョンに放置してきたよ。放置されたアイテムは1日もしない内に消えるんだって、授業でも『ダンジョンに飲み込まれるように消える』って習った。


 テオがランクBの冒険者だから、半分テオの取り分として残りをタロウと2人で分けようって言ったんだけど、タロウは『暗闇』を覚えたからお金はいらないって言うの。


「お前達、これから武器や防具を自分で買うことになるから金はいるぞ。それに、スキルを覚えたら、それは俺達パーティーの為になる。タロウ、このパーティーにいる限り気にしなくて良いからな」


 他の冒険者パーティーは、それぞれルールが違うからパーティーに入る前に確認するんだって。


「……分かった」

「俺達のパーティーは、換金した金は平等に3等分だ」

「「はい」」


 3人で分けると、1人――金貨9枚と銀貨1枚。贅沢しないで自炊すれば数か月は食べていける金額だよ……1日で稼ぎ過ぎ。


 テオに屋台で食べて帰ろうと言われたけど、上質肉を食べたいから帰って食べると言い張った。


「アリス、疲れているのに帰ってから料理を作るのは大変だぞ。上質肉は明日でも良いんじゃないか?」


 テオは上質肉を食べたことがあるから言えるんだよ。テオから話を聞いて、ずっと気になっていたんだから~、食べたい!


「テオ、今日は上質肉のステーキを塩で食べて、次はニンニクで焼いて食べるんだよ」

「……アリス、俺も上質肉が食べたい!」


 だよね~。初めて上質肉がドロップした時、タロウは満面の笑顔で、私と小躍りして喜んだからね。ふふふ。


「じゃあ、そうするか!」

「「うん!」」


 そう言いながら、途中の屋台で良い匂いがする串焼きやつまみを買いながら店に戻った。ダンジョンで頑張ったんだから、少しは贅沢しても良いよね。


 ◇

 台所で上質肉とにらめっこ……オーク肉と同じピンク色の肉なんだけど、肉の間に白い(あぶら)が細かく網の目のように入っている。最初は肉の味を知りたいから塩だよね~。


 分厚く切って、塩を振って焼き始めた。


「アリス、その肉は軽く焼き目を入れるだけで、中に火が通ってなくても食えるぞ」

「そうなんだ」


 テオが「昔、生で食べたが何ともなかった」って言う。火が通っていなくても食べられるのは嬉しいけど、生で食べるのはちょっとね~。 


「出来たよ~。お待たせ!」

「おう! こっちも準備が出来ているぞ!」

「アリス、パンも出したよ」


 出来上がった上質肉のステーキをテーブルに持って行くと、屋台で買った串焼きやつまみもパンと一緒に並んでいる。テオの前にはお酒の瓶も……ふふふ。


「アリス、昔食べた肉より旨いぞ! 塩で十分だな!」

「これが上質肉……旨いなぁ。アリスは、料理が上手だよね!」


 褒められて嬉しいけど、スキル『料理A』のおかげです。


「ふふ、ありがとう。上質肉、美味しいね!」


 う~ん、上質肉は美味しかった~! オーク肉より柔らかくて、肉に脂が多いのにサラッとしていて口の中でベタベタしないの。塩で食べたからかな? 肉に甘味があるのが良く分かったよ~。



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