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ポーション屋の事情  作者: Rapu
第4章

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第79話 3年生・4の月

 ◇◇◇


 4の月、魔術科の3年生になった。と言っても、担任もクラスメイトも同じなのであまり実感ないかな。


 変わったのは……新しい制服を買って(無料だった)胸元のリボンが赤になったのと、授業の時間割り。


 年少科から2年生までの3年間、週2(火と土の曜日)の午後にあった魔法演習の授業が、午前に変わった。週明けの火の曜日から4日間、毎日あるの。


 場所が、訓練場から広い競技場に変わって、得意とする属性に別れて上位魔法の練習をしている。


 『火魔法』を得意にする生徒が1番多くて、次に『風魔法』でこの2属性が7割を占める。後は『土魔法』と『水魔法』だけど、複数の属性魔法を使える生徒もいるからね。


 『風魔法』のグループにはリカルド様がいて、上位貴族Aクラスの生徒から順番に魔法を撃って行く。


『エアーカッター!』


 杖を持って、『風魔法D』の魔法を撃ち終わったらミハエル様の側へ急ぎます。絡まれることはないんだけど、内定の発表後から視線を感じるの……自意識過剰かな?


 ソフィア様は『水魔法』と『風魔法』が得意なので、日替わりでそれぞれのグループに参加しています。


 ミアは『火魔法』だから、スカーレット様と同じグループ。あっちもAクラスの生徒が多いから気を使いそう……だと思ったんだけど、お昼のミアを見るといつもと変わらない。


「魔法を使うとお腹が空くのよね~」


 と言って、ニコニコとデザートまで食べているから大丈夫そう。ふふ。


 レオおじいちゃんは、相変わらず火の曜日の午後に迎えに来てくれます。その時間は、魔術科3年のBクラスで魔法の座学なんだけど、レオおじいちゃんは4の月の初日に教室まで迎えに来てくれた。


「ローガンにアリスのいる場所を聞いたんじゃ。いつもの場所におらんかったからの。フォフォフォ」


 ん? ローガン……あっ、学園長ですね。


「レオおじいちゃん、こんにちは。今日は新人の方への挨拶はなかったんですか?」


 毎年、4の月の第一火の曜日は、「ひよっこに挨拶」があって来なかったから、今日も来ないと思っていた。


「ああ、ひよっこの挨拶は朝一番にしてきた。彼奴(あやつ)らの為にアリスの茶が飲めんのは割が合わんからの~。アリス、行こうか」

「はい……」


 それを比べるのはおかしいよね? と思いながらレオおじいちゃんと教室を出た。


 ◇

 店を覗くと、タロウが一人で店番をしている。


「タロウ、帰ったよ~」


 最近、タロウが店番にすっかり慣れたから、時々、テオはタロウに店を任せて薬草採りに行くの。学園の迎えには来るけどね。


「アリス、おかえり。あっ! レ、レオおじいちゃん……いらっしゃい」


「おお、タロウ。美味しい菓子を持って来たぞ。フォフォ」


 タロウは、レオおじいちゃんが来るとまだ少し緊張する。テオが、『タロウ、レオ様はこの国で1番偉い魔法使いの貴族様だ。失礼のないようにするんだぞ!』と何度も言っていたからね。ふふ。


「今日の茶菓子はのぉ、最近出来たレストランの菓子じゃ。南の国の名産品、バーナと言う果物を使っているとリアムが言っとった」


 レオおじいちゃんが出してくれたお菓子は、長細い焼き菓子に白いクリームみたいなのが塗られていて、その上に輪切りにされた白っぽい果物――真ん中に小さな黒い種みたいなのが見える――が、綺麗に並んでいる。美味しそう~!


 時間割が変わってどうなるかと思ったけど、レオおじいちゃんとのお茶会が無くならなくて良かった~。


 レオおじいちゃんとのお茶会はいつも楽しくて(美味しくて)、毎回楽しみにしているからね。ふふ。


 後、3年生になって変わったことは……闇の曜日に活動していた研究サークルの活動を辞めて、薬草集めとポーションを作ることにした。


 タロウが、先月ダンジョン20階のワープを通したんだけど、20階からは大型の魔物や闇属性の魔物が出て来るから2人だとキツイんだって。


 私が20階のワープを取るのを待っているって言うから、闇の曜日にポーション作りをして、光の曜日はテオ達とダンジョンに入ることにしたの。


 因みに、テオは母さん達とパーティーを組んでいた時に30階までワープを通しているって聞いた。


 ◇◇◇

 4の月に入って2回目の光の曜日。今日はいつもより早く起きてダンジョンへ行く準備をしている。先週の光の曜日もダンジョンに行ったから、今月2回目のダンジョンです。


「アリス、忘れ物がないようにね」

「うん……」


 タロウが優しくお兄ちゃんのように言う……。背は抜かされたけど、同い年だからね! それに、必要な物はバッグに入っているから忘れ物なんてないよ。


 この前、タロウの冒険者ランクが『E』に上がって、自分のステータスも見られるようになったと喜んでいた。『片手剣』と『盾』のスキルが増えて、ランクの上がった魔法があるんだって。


 私の冒険者ランクはまだ『E』のままで……タロウは、毎週、薬草採りやダンジョンに行っているから、近いうちに冒険者ランクも抜かされそうね。


 先週は、ワープで10階に飛んで、10~13階の辺りでシルバーウルフの毛皮狙いで狩りをした。シルバーウルフの毛皮は良い値段で買い取ってくれるの。ポーションと同じ値段で銀貨3枚だよ! ふふふ。


「アリス、今日は様子を見て20階のワープ・クリスタルを目指すからな」

「分かった。テオ」


 ダンジョンに入ってワープで10階に飛んだ。順調に進んで14階のフロアーを進む。ここは……、


「テオ、あの時の穴はすっかり(ふさ)がったんだ……」

「ああ、あの穴は1カ月程で完全に修復されたぞ」


 中央付近にあった大きな穴……どうやって塞がったんだろう。


「へえ~……」


 立入禁止の間、ギルドの職員さんが定期的にダンジョンの見回りをして、穴が徐々に小さくなるのを確認したそうです。


 ダンジョンが自分で穴を治しているの? 生きているみたいだね……。



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