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ポーション屋の事情  作者: Rapu
第3章

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第78話 食堂でスカーレット様とリカルド様

「アリス、横に失礼するよ」


「えっ? はい……」


 リカルド様が私の横に座ると言うので、私と隣のソフィア様、その奥のユーゴが奥に詰めると、リカルド様が「ありがとう」と言って私の横に腰を下ろした。


 こ、これから何が始まるの……ドキドキしてきた。


「「「……」ゴクッ」」


「リカルド様、私から先に質問しても宜しいでしょうか?」

「ああ、良いよ。スカーレット嬢」


 スカーレット様が私を見る……睨まれた訳ではないんだけど怖い。あっ、スカーレット様の瞳って茶色なのね。


「ねえ、アリスさん。担任から魔術大会に出るように打診はあったのですか? それを断ったとか?」


「いえ、ありません……」


 あっ、先生から大会に出るように言われるってことは、内々定しているって意味だからか……。


「そう……じゃあ、先生から推薦されていない2年生の貴方が、宮廷魔術師に内定された理由。心当たりはあるのかしら?」


 教会対策の為とは言えない。学園中に噂話が広がってしまうから、リアム様からの誕生日プレゼントなんて絶対に言えない!


「えっと……」


 何て答えれば良いんだろう……。


「失礼します。僕はミハエル・ベンダーと言います。スカーレット・マーフィー嬢、発言しても宜しいでしょうか?」


「スカーレットで良いわ。私もミハエル様と呼びますから、皆さんもね」


 そう言って、スカーレット様はテーブルに座るみんなの顔を見渡した。直ぐに名前呼びを許してくれるなんて……見た感じはどこかの王女様みたいで怖そうだけど、気さくな方なのかな。


 リカルド様も「僕はリカルドで」と、ついでのように言っている。


「ありがとうございます。スカーレット様、アリスはこの学園唯一の『回復魔法』の使い手です。宮廷魔術団が……」


 唯一って、他の学年にもいないの? 未成年の『回復魔法』のスキル持ちは本当に少ないんだ。


 ミハエル様は、さっきユーゴに説明したことを丁寧に話している。


「ああ、なるほど。アリスは、ドラゴン戦でマルティネス様とリアム副団長と一緒だったんだよね……」


 リカルド様が意味ありげに(うなず)いている。ドラゴン戦のことをお兄さんから聞いたって言っていたから、私が使った『ヒール(範囲魔法になった)』のことも聞いているのかも。


「ドラゴン戦……その話は噂で聞きましたが、そこであったことがアリスさんの内定に繋がったのですか? リカルド様は、アリスさんの何が決め手になったのかご存じなのですか?」


「あぁ、スカーレット嬢、箝口令が敷かれているから話せないんだよ。悪いね」


 スカーレット様が前のめりになってリカルド様に詰め寄ると、リカルド様が軽く微笑んで受け流した。


「「「キャ~!」」」

「「リカルド様が!」ス、スカーレット様に!?」

「「まさか!」」


 食堂の出入り口付近から声が聞こえた。どっちの取り巻きかな……両方? 周りの皆さんは慣れたもので、テーブルにいるメンバーも可憐にスルーしている。私はまだチョット驚くけどね。


 確かに、私の『聖魔法』がリアム様にバレてしまったのはドラゴン戦(本当はもっと前からだったみたい)です。だから、あのドラゴン戦で内定通知をもらったのは合っているけど、『回復魔法』じゃなくて『聖魔法』です……言えないけど。


「スカーレット様、リカルド様も、内定が出た理由など本人に知らされることはないですから、アリスに聞いても分かりませんよ」

「僕もソフィア様の言う通りだと思います」


 ソフィア様、ミハエル様もありがとうございます!


「そうですわね。てっきり、マルティネス様の縁故かと思ったのですわ」


 はい……誰か見てもそう思いますよね。


「僕は、スカーレット嬢がアリスに何の話をするのか気になったんだよ」


「まあ! リカルド様は、私がアリスさんを(いじ)めると思われたのですか? マルティネス様のお気に入りを? ありえませんわ!」


「「「……」」」


 うっ、マルティネス様のお気に入り……ほぼ毎週、火の曜日に迎えに来てくれるから否定出来ない。


「フフ、そんなことは思っていないよ。苛めるなら、もっと早くにやっていただろう? だけど、ここのリーダーは優秀だからね。アリスをしっかり守ったと思うよ」


 はい。ソフィア様だけじゃなく、年少科の頃からみんなにお世話になっていて、感謝しています。


「まぁ……リカルド様、褒めて頂いてありがとうございます」


 ソフィア様が驚いたとばかりにリカルド様を見た。


「誰からの指示だろうね。ソフィア嬢の兄ロペス殿かな? それとも……あぁ、第一騎士団のエリオット・フィリップス副団長かな」


 凄い、リカルド様は魔法だけじゃなく頭も良いんだ。


「ふふ……兄のロペスからの指示ですわ。リカルド様」


 ソフィア様が不敵に微笑んだ……えっ、リカルド様を敵認識した? それともこれが貴族の駆け引きってやつかな? スカーレット様は、面白そうにソフィア様とリカルド様のやり取りを見ている。


 ロレンツ様とミハエル様、ユーゴも驚いてソフィア様を見ているのに、ミアは両手を握ってキラキラした目でソフィア様を見ている。うん、ソフィア様は、ここぞと言う時に頼りになってカッコイイよね!


 ◇◇◇

 その後の魔法演習の授業で、グレース先生が、今回の魔術大会で宮廷魔術師の内定通知をもらったのは、決勝戦で試合をした3年生の2名だと言った。


 そして、私が内定をもらえたのは、フランチェ先生が言っていた”天然の『回復魔法』”が使えるからで、特別枠だそうです。


「グレース先生、質問です」


 スカーレット様が一歩前に出た。


「何ですか?」


「アリスさんは内定を受けたので、3年を飛び級して『特別科』へ進むのでしょうか?」


「いいえ――」


 このまま普通に3年生になって、来年の魔術大会も本人が希望しなければ出なくても良いそうです。


 良かった……内定をもらったんだから、大会に出るように言われるのかと思った。


 どこからか、「あの『風魔法』だと、『回復魔法』が使えても大会に出るのは無理だろう」と言う声が聞こえてきた。ですよね!



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