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ポーション屋の事情  作者: Rapu
第3章

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タロウのつぶやき

 山で、弟や妹にいっぱい食べさせてやりたいと思って、木の実やきのこをさがしていたら足をすべらせてしまった。


 気がつくと、広い部屋にいて……すぐそばに知らない大人がいた。大きな男の人で……えっ、茶色い髪で目が金色だ! はじめて見た……。


 話を聞くと、おれはこの人に助けてもらったみたい……。


 その大人はテオと言って、かわった服を着ていた。アリスと言う大きな目のかわいい女の子もいて……にてないけど、親子かな?


 夜ごはんを見ておどろいた。テーブルという高いつくえの上に、ぶあつい肉や野さいがいっぱい入った汁ものがならんでいる。すごいな……この家は金持ちなんだ。


 テオがいっぱい食べろって……うれしいけど、おれが食べていいの? 


 かぶりついた肉は大きくてやわらかい! こんなの食べたことがない。具がいっぱい入ったスープと言う汁もうまくて……あっ、ここにも肉が入っている! こんなにお腹いっぱい食べたのは、はじめてだよ……。


 ご飯を食べたあと、テオはおれが別のセカイから迷いこんできたと言うけど、セカイって何だろう? ここは、おれがいた日本じゃない……?


 おれは<迷い人>なんだって……よくわからないけど、この家にある物を見れば……おれがいた村とはちがうってことはわかる。


 かべにある四かくい所から外が見えたんだけど、まわりは2かいのある家ばっかりだった……おれがいた村で、2かいがあるのは村長の家だけだよ。


 テオが色々教えてくれた。おれは日本からこっちのセカイ? にきた<迷い人>で、家にはもどれないだろうって……胸のところがギュッていたくなった。


 テオが、このままこの家にいたらいいって言ってくれたけど、おれはどうすればいいんだろう……。アリスが、「凄い、タロウは<迷い人>なんだ!」って笑いかけてくれるけど、<迷い人>はすごいの? なにがだろう?


 しばらくの間、いっしょに住むことになって、おれが使って良いと言われた部屋は広すぎて……落ちつかない。この広い部屋におれだけ……なんでこんなことになったんだろう。


 もう母さんにあえない……? うぐっ、父さんや弟・妹にも……みんな心配しているかな……? ううっ、


 ◇◇

 次の日からは覚えることがいっぱいで、テオが"まほう"の話をしてくれた。おれも使えるだろうって言われたら、うれしくて……こっちのことを勉強するのにひっしになった。


 ごはんも、向こうにいた時とちがって、お腹いっぱい食べられてうまいんだ! アリスが作るごはんは何でもうまかった。


 夜、部屋でベッドと言う寝るところに入ると、すぐに眠たくなるし……みんな元気かなって思うことはあるけど。あっ、お腹いっぱい食べるから眠くなるのかな? いつもはお腹がすいて、はやく寝ようって思っていたから……。


 色んなことを教えてくれるテオや、うまいご飯を食べさせてくれるアリスの手伝いをしたいって思っているけど、同い年のアリスに……背の高さが負けているのはチョットだけくやしい……。 


 今は、魔法をうまく使えるようになること・薬草あつめ・お金の計さんとか、勉強することがいっぱいあるけど、知らないことばかりでおもしろいんだ。


 アリスがおれのステータスを見てくれた時、MPが少ないから魔法が少ししか使えないんだとわかった。


「タロウ、明日も魔法の練習に<大森林>に行くぞ! 魔法を使えばMPが増えるはずだからな」

「うん!」


 テオの言葉を聞いた時、がんばろう! って、思った。


 今は、自分のステータスが見えるようになった時のために、テオから文字を教えてもらっている。薬草あつめや店の手伝いとか、出来ることがふえてうれしい。


 そう言えば、エリオットさまって言う騎士に会った時はおどろいたな。金色の髪で青い目をしていて……男なのにお姫さまみたいにきれいな顔で、白い服がカッコ良くて目がはなせなかったよ。


 アルバートさまもきれいな顔だったけど、お姫さまみたいじゃなかったな。赤い色の髪にはびっくりしたけど……。


 魔法を上手く使えるようになったら、冒険者ギルドでとうろく? をするんだって、そしたらカードがもらえて……それを持っていたら、どこにでも行けるってテオが教えてくれた。


 ◇◇◇

 あっという間に年が明けて、俺は14才になった。


 テオが誕生日のお祝いだと、金貨何十枚もする中級者向けのカッコイイ片手剣を買ってくれた!


 凄く嬉しい気持ちと、悪いなと思う気持ちが……テオは「気にするな、次は自分で上級者用の剣を買うんだぞ」って言うんだ。


 店で見た上級者用の剣はもの凄く高くて……あれを買えるだけのお金を貯めるのが今の目標。それまで、この片手剣を大切に使わないとね。


 夜ご飯には、アリスが誕生日のお祝いに特別な肉を焼いてくれた。


『ドラゴン肉のステーキ』……噛むたびに肉汁が溢れ出て来る。口の中で溶けるんじゃないかと思うくらい柔らかくて、脂の部分が甘い……これ肉だよね?


 テオから、この肉は3人だけの秘密だと言われた。俺が<迷い人>だということよりも秘密にしないといけないと言われて、『誰かに知られると肉を奪われるんだ』と思った。


 だけど、肉じゃなくて、時間停止が付いているアリスのアイテムバッグが知られると不味いらしい……俺のバッグも? えっ、誰かに獲られる!? 嫌だ。テオに買ってもらった片手剣や服とか、大事な物が入っているのに……見えないようにシャツの中に隠そう。


 それから、テオがアリスのことを教えてくれた。


 アリスがテオに預けられたこと――テオとアリスは本当の親子じゃない? 見た目は似てないけど、親子にしか見えないよ。


 アリスの亡くなった母さんが、俺と同じ<迷い人>で、アリスは多くのスキルを受け継いだこと――驚いた……、アリスの母さんも<迷い人>だったのか。


 後は、アリスが『聖魔法』を使えることが教会に知られると連れて行かれるだろうと言う。だから、アリスは目立たないように人前で使う魔法を制限している。


――連れて行かれる……? アリスを守らないと。




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