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ポーション屋の事情  作者: Rapu
第2章

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第31話 訓練場にレオおじいちゃんが来た

 火の曜日の午後、訓練場で魔法演習の授業を受けていたら、レオおじいちゃんが来た。


「アリス! 土産を買って来たんじゃが、店にアリスがおらんから迎えに来たぞ。仕事の後は、アリスのお茶が飲みたいんじゃ~」


「レオおじいちゃん……」


 私を見つけて、ニコニコと近寄って来てくれるのは嬉しいけど……私、授業中ですよ。


「あの~、マルティネス閣下。授業中です……」


 グレース先生が遠慮しながら、レオおじいちゃんに注意している。『閣下』って、公爵に呼び掛ける時に付けるって授業で教えてもらったけど、カッコイイ呼び方だよね。周りがざわざわしだした。


「「「あれが……」宮廷魔術師のマルティネス公爵……」団長だ」


 みんな、目をキラキラさせてレオおじいちゃんを見ている。宮廷魔術師を目指す生徒には、レオおじいちゃんは憧れの宮廷魔術師だよね。


「マルティネス閣下、折角ですから年少科の生徒達に魔法を見せてあげてください!」


 フランチェ先生がレオおじいちゃんに魔法を見せて欲しいとせがむけど、絶対、先生が見たいんでしょ。


「嫌じゃ。わしはアリスを迎えに来ただけじゃ」


「閣下! アリスも見たいと思いますよ」


 先生、私の名前を出さないでください。レオおじいちゃんの魔法を見たいかと聞かれたら……見たいけど。


「ん? アリス、わしの魔法が見たいか?」


「えっ、レオおじいちゃん……見せるのはイヤでしょ?」


「アリスが見たいなら、かまわんぞ~! あの的に向けて……ちと狭いのぉ」


 レオおじいちゃんが、杖を出して訓練場の中央にある的に向けて火魔法を撃った。


『炎よ……』


 ボォワッ!! ヒュ――、ドババァ――ン!!


 えっ、的が一瞬で火柱が上がった。詠唱なんて『炎よ……』と軽く言っただけなのに! フランチェ先生もみんなも大騒ぎになった。


「流石、マルティネス閣下! 素晴らしい破壊力ですね!」

「「「わぁ~!」凄い!!」」


「レオおじいちゃん、凄い!」


「そうか? アリス、わし凄いか? フォフォフォ」


 レオおじいちゃんの目尻にシワが寄って、目が垂れている。ふふ。


「マルティネス閣下、リカルド・フェルナンデスと言います。是非、魔法のアドバイスをお願いします」


「私、スカーレット・マーフィーと申します。マルティネス閣下、私にもお願いします!」


 レオおじいちゃんは宮廷魔術師の団長だからね、みんなが話を聞きたがるのも分かる。


「ん? フェルナンデス公爵家とマーフィー侯爵家の者か、魔法はここで学べ。その為の学園じゃからの。わしとアリスの邪魔をするでない。さあ、アリス、帰ろうかの。アリス、帰ったらお茶を()れてくれ」


「えっ、レオおじいちゃん!?」


 レオおじいちゃんは、フェルナンデス様とマーフィー様を押しのけて訓練場から出て行こうとする。 私はレオおじいちゃんに手をつながれて……どうしようかとフランチェ先生を見たら、ニコニコして手を振っている。


「アリス、マルティネス閣下の個人授業を受けるなんて羨ましいですね。フフ」


「フランチェ先生、違いますよ……」


 レオおじいちゃんは「お茶を淹れてくれ」と言っているでしょ……このままレオおじいちゃんと帰っても良いんですね?


 みんなに見送られながら訓練場を後にした。恥ずかしかったよ。


 ◇

 レオおじいちゃんと店に戻ると、テオが出迎えてくれた。


「レオ様、アリスを迎えに行ってくれて、ありがとうございます」


「なに、アリスのお茶が飲みたいからの。お茶は淹れたてが1番旨いからな」


 そっか~。学園が始まってからは、火の曜日に来るレオおじいちゃん用に、お茶をいれて温める木箱に入れているけど、時間が経つと美味しくないのね。お水だけ用意して、テオにいれてもらった方が良いのかな? 後でテオに相談しよう。


 お茶をいれて、レオおじいちゃんに出した。


 レオおじいちゃんは、森の国と呼ばれる<グラーツ王国>でスタンピードが起きたと情報が入ると、直ぐに第二騎士団と一緒に宮廷魔術団を連れて南の国境付近に向かったそうです。でも、<リッヒ王国>まで魔物が来ることもなく、レオおじいちゃんはずっと国境付近の街で待機していたんだって。


「<グラーツ王国>から、討伐完了の報告が来るまで動けんかったんじゃ。暇すぎて、何度帰ろうと試みたか……ことごとく、リアムに邪魔されたわ」


 それは……リアム様が正しいですよね。


「レオ様、こっちの国に被害が無くて良かったじゃないですか」


「それはそうじゃが……。諦めて、アリスの土産を探し回ったんじゃ。ふぉふぉ」


 そう言って、レオおじいちゃんは美味しそうなお菓子の箱を5つも並べた。木の実が入った焼き菓子や乾燥した果物が飾っているお菓子とか、見ているだけで幸せな気持ちになるよ。ふふふ。


「レオおじいちゃん、こんなに!? どれも美味しそう~! ありがとうございます」


「アリスの喜ぶ顔を見ると、疲れが吹っ飛ぶわ! お茶は旨いしのぉ~。ズズ……」


 美味しいお菓子をお腹いっぱい食べたので、夜はご飯が食べられなかった。テオは、残ったお菓子をつまみながらお酒を飲んでたよ。ふふ。



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