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ポーション屋の事情  作者: Rapu
第2章

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第25話 リッヒ王国学園・試験

 <王都リッヒ>には、12歳から14歳の貴族の子供が通う王立の学園があり、その学園を<リッヒ王国学園>と言う。騎士科・魔術科・普通科の3つの科があり、騎士科と魔術科は、庶民の子供も試験を合格すれば通うことが出来る。


 魔術科だけ、11歳から入る年少科があり、魔力の多い貴族の子供が魔法の制御を覚える為と、魔力を持つ騎士科志望の貴族が1年だけ魔法を学ぶ為に通う。


 そして、数年前から、魔力の多い庶民の子供も年少科の試験を受けることが出来るようになった。


 ※     ※     ※


 2の月に、<リッヒ王国学園>から試験の案内状が届いた。そこには、学園の場所が書かれた地図と、3の月に試験があるので案内状を持って来るようにとだけ書かれていたの。


 そして、試験日の今日、失くさないようにバッグに入れた案内状を確認する。持って行くのはこの案内状だけで、他には特に何も書かれていないのよね~。


 テオに買ってもらった淡いオレンジのワンピースを着て準備完了。


「テオ~、ちょっと早いけど、そろそろ試験に行くね」


 ここから歩いて30分以上かかるから、早めに行かないとね。


「おう! アリス、行こうか」

「えっ……」


 <リッヒ王国学園>は貴族街にあるんだけど、街の真ん中にある中央広場から南門へ続く大通り沿いにあるから迷うこともない。一人で大丈夫なのに、テオが送ると言って聞かない。仕方ないな~。


 テオと大通りに出て、中央公園へ向かって歩いて行く。


「アリス、エリオット様に言われたことを覚えているか? 周りを良く見て、強すぎる魔法を使ったらダメだぞ」

「うん……」


 使う属性魔法は風魔法だけで、1番強い魔法を使った人の半分くらいの威力の魔法を使うように言われた。でも、強い魔法なんて使ったことがないから、半分の威力って言われても出来るか分からないってエリオット様に言ったら、


『アリスは回復魔法を使えるから、そよ風程度の風魔法でも大丈夫だよ』


 と言われた。そよ風なら余裕だよ!


 学園前に、門番さんが立っていた。そこで案内状を見せて中に入り、受付まで進む。受付で混むかなと思って早めに来たけど、ぜんぜん混んでいなかった。


「アリス、ここで待っているからな」

「えっ? テオ、お店を開けないと」

「今日はアリスの護衛だ。店のことは気にしなくて良いから行ってこい!」

「分かった。テオ、がんばるね」


 本当に過保護だな~。でも、テオが近くにいると思うと安心する。


 今日、試験があるのは年少科だけみたいで、受付で試験の案内状を渡して名前を言うと番号札を渡された。【11-50番】


「この番号札をお持ちください。試験会場は、競技場の隣にある魔術科の訓練場で行われます。右手の建物沿いに進むと正面が競技場です」


「はい、ありがとうございます」


 ちょっと、ドキドキしてきた~。試験なんて初めてだしね。


 訓練場に着くと、もう何人か来ていた。次々に、同い年ぐらいの子が来たけど、ほとんど貴族だよ。服装で貴族って分かるよね……キラキラした服を着た男の子やフリルの付いたキレイなワンピースを着ている女の子がいる。私と同じ庶民は……見渡すと、2人かな? 男の子と女の子。


 時間になったみたいで、試験官の先生らしい人が2人来た。


「私は、試験官を務めるフランチェです。今から試験を始めます。順番に名前を呼びますから、前に出て得意な魔法を言ってください。それから、あちらの的に向かって、杖なしで魔法を撃ってください」


 そう言って、訓練場の中央に並べてある木の(まと)を指さした。杖なし?


 試験を始めると言った男の先生は、金色の髪を束ねていて水色の目をしている。ニコニコしていて優しそう。もう1人は、肩までの黒髪で茶色い目をした女の先生で、メモを取っている。


「まずは、1番、リカルド・フェルナンデス」

「はい。風魔法を撃ちます『エアカッター!』」


 1番に呼ばれたフェルナンデス公爵家の銀色の髪の男の子は、的に向かって軽く魔法を撃つ……的は粉々に切り裂かれて落ちた。おぉ~、すごいね!


「「「「おおー! すごい!」」さすが、リカルド様!」」

「「「「キャ~~! リカルド様~」」」」


 ……人気もすごいね。


「では次、2番、スカーレット・マーフィー」

「はい、私は火魔法が得意ですわ! 『出でよ、ファイアボール!』」


 次に呼ばれたマーフィー侯爵家の真っ赤な髪の女の子は、魔力を込めて火魔法を撃ち、的が勢いよく燃え上がった。


「「「キャ~!」」スカーレット様、スゴイですわ!」

「「おおー!」」

「ふふん!」


 この方の人気もスゴイ。試験官のフランチェ先生が、的に向けて水魔法を放って炎を消している。


「次は3番の……」


 番号札は爵位の順番で番号が振ってあるみたい。冬の間、エリオット様達に、同学年で試験を受けるだろう公爵家から子爵家までの貴族の名前を教えてもらった。上位の貴族だけ覚えて、後は紙に書いてバッグに入れている……だって、全部は覚えられないよ。


 順番に呼ばれて行くけど、魔法の威力はみんなバラバラで、的まで届かない子や、どこか違う方に飛ばしている子もいた……そよ風でも大丈夫そうね。


 女の子は10人ぐらいいるけど、中でも、水色の髪をした青い目の女の子が可愛くて目を引く。


「45番、ソフィア・ラミレス」

「はい」


 ラミレスって、聞いたことがある……あっ! ロペス様がラミレス男爵家だったよね。ロペス様の妹? そう言えば、私と同い年の妹がいるって聞いたな。彼女は、風魔法と水魔法が得意だと言って風魔法を撃った。おぉ、的を十字に切ったけど、魔力操作が上手くないと十字には切れないよね……すごい。


 庶民らしい男の子と女の子も呼ばれて、魔法を的に命中させていた。


「最後50番、アリス」


 私が最後か。エリオット様には、風魔法だけで試験を受けるように言われている。回復魔法は見せても良いけど、聖魔法は絶対に使ってはダメ。ん~、自分がどれだけの風魔法を撃てるか分からないのに、得意魔法だって言ってもいいのかな? まあ、いっか。


「はい。得意なのは、風魔法と回復魔法です」


「君が回復魔法を使える子供か……」


 試験官の先生の言葉に、周りがザワザワしだした。


「回復魔法だって……庶民が?」

「本当か!?」


 みんなの視線がイヤだな……そう言えば、試験を受けた50人の中に、回復魔法を使えるって言った人はいなかったな。




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