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顔出し絶対NGの人気歌姫ですが、友達の家で女子会をしていたらなぜか推しが訪ねてきました。  作者: 小野寺雀


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ただの女子会のはずですが…


「「かんばーい!」」


仕事も無事終わり、都内に住む親友の家で近況を語り合う。


「美佳は最近どうなの?」

「ん〜?仕事してたらあっという間に1ヶ月過ぎちゃう感じよね…。そんできっと気づいたら新年迎えちゃうのよ?ほんとやんなっちゃう…。」


私の隣でグビグビとビールを飲み干しているのは幼稚園から一緒の親友秋山(あきやま) 美佳(みか)。美佳が一人暮らしをする前は実家で、今は彼女の家で、と昔から変わらず定期的に集合し内容があるようなないような話をずっとするのだ。変わったのはお菓子とジュースから、つまみとお酒に変わったくらい。


「柚月は?相変わらず?」

「相変わらずだね…。」

「でも前よりテレビで歌うことも増えたじゃん。イケメンにいっぱい会えていいな〜。」

「あのねぇ、私は基本撮影場所と楽屋の往復よ?そんな関わるタイミングなんてないのよ!しかもあんなキラッキラした人達となんて何話したらいいかわかんないし、色々探られるのもイヤだしねぇ〜。」

「まぁそんなもんよねぇ〜。」


美佳は私の家族以外で唯一、ルナであることを知っている友人だ。高校生の頃なんてよく2人でカラオケに行きフリータイムで歌いまくっていた。


「美佳だって、大輔さん経由で会えたりしないの?」

「いや、お兄が芸能人で誰と仲良いとか全然知らないし。あ〜イケメンと絡みたーい!」

「なにそれ…って美佳彼氏いるじゃん!」

「まあね?」


大輔さんとは美佳のお兄さんで、超人気モデルであり最近は俳優としても活動している。そんなお兄さんを待つ美佳は普通のOLだが、女の私から見ても見た目はかなり良い方だ。兄弟で並ぶとなんて綺麗でスタイルの良い兄弟なんだろうといつも思う。

それに比べて私は全てが普通だ。背が高いわけでもなく、中肉中背?顔だってまぁ中の上くらい?いや、中の下か?いや…もう自己評価はやめておこう。あでも、だから仮面をしているってわけでもないんだけど…。

仮面をしているとはいえ一応学生の頃から芸能界にいるわけで、身なりには自然と気を使うようになった。がまあ、そんな自信を持って仮面を外せるわけじゃない。今更感もあるし。


「あ!ごめんチューハイ買っとくの忘れた!」

「ん?いいよなければ別に…。」

「えぇ〜明日は休みだし今日は朝までコースでしょ?酒がないのはありえない!ちょっと買ってくるわ!」

「なら私行くよ!」

「いいいい!他にも買いたいものあったしちょっと行ってくるわ!」

「じゃお願〜い!気をつけてね!」


と買い物へと出た美佳を見送り、テレビを見ながら残っていたビールをちびちびと飲む。


「ん!SDsmile(エディー)のCMだ!あぁ、かっこいい…。」


とすでに何度も見ているCMだが、いつ見てもみんなのかっこよさに頬がついつい緩んでしまう。


ピーンポーン___


するとインターフォンが鳴った。美佳が鍵持ってくの忘れたのかな?なんて思いながらモニターを覗くと…。


「…………え?」


そこには黒ずくめの男性2人が映っていた。1人はフラフラと揺れていて隣の人の肩にもたれかかっている。これは出ない方が良さそうだなと判断し、そっとモニターを消した。


ピーンポーン___

「ヒッ!…。いやもう押さないでよ〜。」


またついたモニターには同じ光景が映っていて、美佳がいないのもあり少し怖くなってくる。

まあでもマンションのエントランスだし、間違えかなんかだろう。とポジティブな考えに切り替え通話ボタンを押した。


「は、はい〜。(うわ声裏返った…恥ずっ。)」

「あの〜大輔の妹さんですか?大輔かなり酔っ払っちゃって…。ここに妹がいるんだ〜!ここに行く〜って言うから連れてきたんですけど…。」

「………っえ!?あ、はいそうです!今開けます!」


ふらふらと揺れている方の顔をよく見てみるとそれは確かに美佳のお兄さんで、咄嗟にそう言って入り口のドアを開けた。

が、美佳いないしよかったのか?でもお兄さんだしいいだろうと勝手に納得しながら急いで美佳に電話をかける。


ブーブー___


「いやなんで携帯持ってかないのよ〜。」


私が電話をかけたと同時に、テーブルの上でそれは小刻みに震えていた。


ピーンポーン___


「あ…来ちゃった。」


今度は部屋の玄関のインターフォンが鳴りまたモニターに同じような光景が映った。


「はぁ〜い…。あの今…ってうわっ!」

「すいません!腕がもう限界で…。」


ドアを開けた途端2人は中へと入り、玄関にお兄さんをドカッと下す。


「あぁ〜重っ!…あ、大輔の妹さんですか?すみませんいきなり…。」

「あ…いえ…私も手伝うんでと、とりあえず中入れます?」


と床に転がっているお兄さんを指差し、美佳(持ち主)に許可なくベッドにいきなり寝かすのはな、と思いとりあえずソファに寝かせてみる。


「はぁっ…本当に重たいですね…。」

「いやここまで連れてくるのも大変だったんですよ〜。」

「なんかすみません。」

「あ、いえこちらこそいきなり押しかけてすみません。」


「「あ、ちょっ!」」


2人でペコペコと頭を下げていると、小さく唸りながら大輔さんが寝返りをし始め、ソファから落ちないようにと私たちは同時に急いで手を伸ばし体を支える。


「んん〜。ん?美佳か?すまん今日泊めて〜ってあれ?君…誰?」

「え?」

「え?」


大輔さんはそれだけ言うとまた眠りについてしまう。

そして一緒に支えていた私たちはその一言でお互いすぐ隣にあった顔を見合わせる。


「え?」

「え?」


妹じゃないなら誰?的な目線を向けるその人とあることに気づいた私はまた同じ一音をくり返した。


「ッ!?○×□△〜!?」


ちょっと待って…。え?嘘ちょっと待って…。

そして私はプチパニックに陥る。


「あの…君大輔の妹さんじゃないの?」

「…………うぅえっ!?あ、いや、あの…」


待って待って!?あの…今…私と一緒に大輔さんを支えてる彼ってもしかして"太陽くん"!?


そう…美佳のお兄さんと一緒にここを訪れたのはまさかまさかの、"私の最推し"であるエディーの"園山 太陽くん"だった。


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