夏の争い
「氷菓の屋台なんて今の季節どちらも売れるから一緒に出店しても構いやしないんじゃないですか?」
どのお話からでも読める一話完結掌編です。
令和日本に似た箱庭世界、幻想怪異発生特別区──通称「特区」。そこに出現するモンスターや怪異、怪人たちと、そこに住む住人たちとの奇妙な交流、共存──。
箱庭で起こる不思議なできごと、物騒で理不尽な事件、振り回される人間みたいなものの生活を書いています。
ファンタジーに近い少し不思議な表現があります。
R18に至らない成人向け表現、ゴア表現、欠損描写、グロテスクな内容を時折含みます。(成人向けではない商業小説程度の内容です)
創作家さんに100のお題よりお借りしています。
066.氷
警備署の人間が通報を受けて駆け付けてみれば、アイスクリームのキッチンカーとかき氷の屋台の間でひと悶着が起こっていた。場所取りの問題である。
申請時にその日の別の出店店舗について確認しないのが悪い……と諭しつつ、警備署の人間は次のように発言した。
「氷菓の屋台なんて今の季節どちらも売れるから一緒に出店しても構いやしないんじゃないですか?」
瞬間、そんなわけあるか、と二種類の店舗から大きな反論が上がった。
アイスクリームキッチンカーでは、自分の身体をアイスクリームにして販売している。
画期的な薬品を使用し、他人に自分の身体を舐めさせることで、性的快感を得ることが可能になるのだという。
高い薬品だった、より多くの人間にアイスクリームを売らなければ元が取れない、俺は子供に舐められて快楽を得たいんだ……! とアイスクリーム屋は主張する。
反対に、かき氷屋は他人の身体を凍らせてかき氷にしていると話す。
今日凍らせた分の肉は今日中に売ってしまわないと死体の鮮度が落ちる。その上、溶けてしまってぶよぶよの肉に戻っては、かき氷にするどころではない。
いろんなところから処理を頼まれていて、速めに胃の中に入れて消してもらわないと困ると騒ぐ。
わいせつ疑いと遺棄疑いで両方の屋台は営業停止である。
アイスクリームもかき氷も食べていないのに、酷く頭痛のする事件であった。
読んでいただきありがとうございます☺
読者の皆様に少し不思議な出来事が降り注ぎますように……!
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