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詩「帰郷」

作者: 有原悠二

家に帰ったと思ったらランドセルを捨てるよ

 うに置いて飛び出していった

春は今年はご機嫌だ

待て、待て

これを持っていけ

    (あ、ああ、カケラだ

     冬のカケラだ)

    (これを持って

     お友達にも分けておやり)

ほいだらいぬわい

ほなさいなら

超自然科学の月の裏だ

種をどこかに忘れてきたか

    (いけない

     今日はスイミングがあったんだわ)

    (いいさいいさ

     あとでバスが迎えにくれば)

空中は浮かんでいる子供たちの声

中庭は夕暮れはやってこない

餓鬼道

    ……思えばぼくだって

      子供だったんだぜ

      思えばぼくだって

      夏生まれなんだぜ……

稲穂の影が追い越していく

  昨日のテレビの思い出だけを

     幻のような坂道をのぼって

     学校のチャイムの音鳴って

     鳴って

帰りたい帰りたい

手を繋いで帰りたい

嘘をついた母親の

    (なにを描いているの?)

     夕暮れ

     突然の雨に

     萎れていく菜の花と黄色 

ぼくがここにいたから

帰りたくなるんだと思う

重たいランドセルの慟哭…

  …心象は狂った雨は青い水なのです。

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