そのろく
性別の不一致。
そういえばわかりやすいだろうか?
岬は、バッジをつけることにより、男の人からは女の子、女の人からは男の子にみえることを回避できる。
通常、男の子や女の子になったならば、いや、なることはそうそうないかもしれないが、ここでは、そのまま進行させてもらう。
話を戻すと、男の子になる、女の子になる、なのだ。
しかし、岬はそれは外見だけに過ぎなかった。
どういうことかと言うと‥
男の子の時は心は女の子寄りで、女の子の時は心は男の子寄りになってしまうということだ。
女の子の姿でありながら、女の子が気になる、好きみたいと表現すればわかりやすいだろうか。
岬自身、男の子も女の子も好きになるが、体はその思いと相反するということになる。
岬も高校生2年生。
彼氏?彼女?(説明する方もややこしくなる)がいてもおかしくはない。
そんな副作用を、みかさんは心配していたよう‥‥‥には見えなかった!
むしろ楽しんでいたようだ。
岬が好きな子ができると、すぐ首を突っ込みたくなることからも、それはわかる。
そんなおばあちゃんでも、岬は大好きで信頼していた。
-星乃川家-
みかさんが朝食を準備している音が部屋に気持ちよく響いている。
「おはよー」
岬が眠そうにあいさつする。
決して朝が弱いわけではない。
「おはよー!岬!」
みかさんは朝から元気だ。
どうみても、おばあちゃんにみえないみかさんがそこにいる。
「ちょ、あーちゃん!なんて格好してるの⁉︎」
岬は家では、あーちゃんとみかさんを呼んでいる。
小さい頃からの癖みたいなものだ。
そんなあーちゃんは、上半身はノーブラ、つまり裸、下は‥下着のみで、エプロンをしていた。
「だって、面倒くさいんだもん」
みかさんの笑いが続く。