そのよん
空知蓮
岬の唯一無二の友達。
そして理解者でもある。
「あのー、岬くん?さん?」
蓮がわたしに初めて話しかけてきた時の言葉だ。
蓮はキレイな男の子だった。
小学生だと男女わからないほど、キレイやかわいい子はいる。
蓮は飛び抜けていた。
キレイな男の子。
だけど、話し方は女の子みたいだった。
「もしかして双子なの?」
蓮には、わたしがちゃんと見えるようだった。
岬はその時、下を向いた。
「大丈夫よ!あたしが岬ちゃんを守るから」
蓮が耳元で囁いた。
その時、岬の視界が広がったのを今でも覚えている。
「うーん、問題はトイレよね!」
蓮が考えている。
本当に小学1年生か?と疑いたくもなる。
事件は起きないよね?っと、思った岬がいた。
蓮が、まっさきにトイレといいだしたのには訳がある。
蓮自身もトイレが難問、鬼門だったからだ。
見た目は男の子の体、でも、中身は女の子だったからだ。
トイレの時間は、自分との戦いだった。
立ってしたくない。
今なら、今では男性でも座ってやるのが当たり前くらいになっている。
トイレの衛生面でも、それは効果的だ。
ただ、学校である。
女の子みたいに、全て洋式なら問題ないが、そうではない。
それでも、蓮は恐れず洋式に行く。
‥だから今の蓮がいるのだろう。
「あたしがちゃんと見張ってあげるから大丈夫よ!」
蓮が頼もしく見えた瞬間でもあった。
ただ、岬は男の子スタイルか女の子スタイルかとかは、蓮に話していないので、これは蓮の暴走とでも言えた。
あの時の岬も、今の岬も、蓮に感謝しているのは変わらない。