七話 二回寝よう
キーンコーンカーンコーン
「起立、礼」
そうして昼食の時間になった。
俺は旧校舎に向かおうと廊下を歩いていると、
「独〜」
後ろから生の声がした、俺はすかさず後ろを向く。
「どうした?」
「なにも、ただ言いたくなっただけ」
「そうか」
「あとはい、これ独の」
「テンキュー」
生から弁当をもらう。
そして生の手にはクラスの鍵があった。
ここの校長は生が声優であることを知っており、旧校舎の音楽室の鍵を渡しているみたいなんだ。
まぁ、俺は前から旧校舎の音楽室で一緒に食べてたけど理由とか話してくれなかったけど…理由は昨日聞いた。
「疑問に思ったことがあるんだけど?」
「なに?」
音楽室につき、入り適当に弁当を開いた。
「なんで前から声優のこと俺に言ってなかったのかな?やば、なんかヤンデレみたいなこと言ってる」
「確かに、でもまぁ、独には声優だからって距離が離されるのが嫌でね」
「でも話したら大丈夫だったけどな、俺そこら辺のこと一切知らないから」
「そうだね、あとごめん」
「ん?」
俺は弁当の野菜を食べご飯を口に入れている時に言われる。
「普段ならありえないんだけど、急に仕事が入ったんだ」
「ゴクン!ああ、そうか、朝話していたもんなデコレーションのこと、まぁ、気にしないさ、でももしお詫びしたいならちょっとお願いがあるんだけど」
「なに?」
「そうだな…………」
話し終えてから昼食を済ましてクラスに戻った。
席に着くと、後ろを向いて次の時間がなんの教科か確認する。
面倒だ、寝よう。
俺はふとして目覚めて顔上げるとタイミングがよかった。まぁ、寝過ごすよりマシなだけだけど。
「これから体育祭の個人の出場を決めるのと団体競技の、女子ならバスケ、男子なら野球です、その役割を決めてください、まずは個人競技です、あるのは…」
百雨さんは黒板に書いていく。
・短距離
・リレー
・綱引き
・長距離
・借り物競走
・ボール投げ
の六つらしい。俺が出るなら短距離と長距離だ。しかし俺は体力がないから短距離しか無理だ。なので短距離のところに入ることにした。
まぁ、短距離に男子グループが入ったが幸運なことに一人枠が人数的にあまったのですんなり行けた。
そして団体競技の野球の役割なんてどうせ今日は決まらないから、寝ようか。
ん、俺はまた寝ていたらしい。今回はしっかり下校時間だ、俺はプリントとノートしか入っていない鞄を持って下校することにした。
昼食の時に生から家の合鍵を貰っている。話によれば生は学校から直接仕事場に向かっているため、家には俺一人なので刀のことについてなにかしても大丈夫だろう。
まだまだ日は落ちない。