五話 刀の能力1
「あがったよ」
「わかった、入ってくる」
生はそう言い残してお風呂場に向かう。
俺は浮遊している刀を持ち、部屋に行くことにした。
「はぁ」
ベッドの上に座りため息をする。
この刀が妖刀だとして俺はこの刀がなにができる知るべきだ。しかしあまり気が乗らない。
まぁある程度はしてみるか。
まずは透視の力があるか試してみよう。
『透視』と思いながら刀を握ると壁や家具、横の部屋の家具、壁の場所や位置などこの家全体のことを視れる。
そしてお風呂場は…ってまずい!
俺はすぐに刀を手から離した。
いけない、生の裸を見るところだった。まぁあったな、なにがとは言わないけど。
でもまぁ、生もちゃんと女性であるな。
これ以上はやめてこう。
気を取り直して次は所持者の身体能力が上がるのか?いわゆる身体強化だ。
『身体強化』と思いながら刀を握ると…。
なんか変化があるように感じられなかった。
物は試しだから一度俺はベッドから立って刀を握ったままジャンプをしてみると、
ゴン!
天井に頭をぶつける。
「いてぇ〜」
思わずベッドにダイブする。
痛い、頭がじんじんと痛い。
でもまぁこれでわかったな。この刀は能力を持っていることが。
コンコン
俺が頭を抱えながらベッドの上で暴れているとノックがされた。
「どうぞ」
「失礼します…ってなんで頭を抱えてるの?」
「まぁ、気にするな、でなんか話があるんだろ?」
生が来たってことはなにか話したいってことだ。生はなにもなければ俺のところに来ないはずだ。
「そうだよ、私のことについてかな」
「ふむふむ」
「私は実は働いているんだ」
「なに?Vですか?」
VだからVだろ?最近スマホで確認したよ?
「違うよ、私は声優なの」
「声優?そうなんだ」
「あれ?意外にも反応が」
「まぁ、俺とかアニメとか見てないから」
「確かに…あともう一つ、明日から学校行くの?」
俺が気にしたくないことを生は言ってきた。
返答はしておこう。
そしてすぐに俺は寝た。