二十一話 敵対していない世に①
「うーん」
俺は唸りながら起きる。
「おそよう」
生の声が聞こえてくる。
俺は目を開けずに言っておく。
「おはよう」
「うん、で今十時だけど、まぁ土曜日だからいいけど…」
ん?あれから一日経っていることになっているのか?
俺は気になって目を開ける。
「は?」
「てへぇ」
なんと目の前に生がいたのだ。しかしも同じベッドに入っているし、やけに声が近いなと思ったらそういうことか。
しかし俺はスマホをベッドから出ないように手に取り、日付を確認する。
あのことから一日経っているのだ。
「そうだ、午後からこの部屋を装飾しようか」
「おう」
お互いベッドから出ない。
もしかするともう一度巻き込まれる危険があるからあまり乗り気ではないがあのへんなやつが言うには敵対していないと言っていた、そういうことなら行った方がいいと思う。
「ギュー」
生はベッドの中でさらに近づいて俺に抱きついてくる。生は親友、生は親友。よし、大丈夫だ。
「ギュー」
俺も抱き返す、そうするとね、はやりあれが当たるんだな。さすがに意識せざるおえないけど。
「あれ?独、顔赤いよ?もしかして照れてる?」
「はいはい、照れてますよー」
俺はすばやく生から離れる。危ない俺の剣が完璧になるところだった。
「むー、じゃあ、着替えてそのまま行こう、昼食はショッピングモールで」
「了解」
生がベッドから部屋から出て行く。
俺は起き上がり、刀を取り出す。
普段なら刀がリードしてくれるように戦えるのにあの時はなかったんだ?
過ぎたことはもういいとして着替えるか。




