表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/22

十七話 ゲームスタート

「うぅ」


 俺はうめき声を上げて目を開ける。

そこには生がいた。ちゃんと別れないように手を繋いで。


「うぅん、あ、独」


「ああ、おはよう」


 俺と生は手を離さないように立ち上がる。


「どうやら生きているみたいだな」


「そうだね…これってどういうこと?」


「俺にさっぱりわからん、でも少しひらけたところがあるから降りようか」


「そうしよ」


 俺と生が見たのは見覚えがない景色だ。

周りを見ると人が集まっているところがあるので向かうことにした。


「やっと、全員集まりましたね」


 そこにいたのは何十人いる人と仮面にハットを被った男。


「私は名前は…そうですね…あめふらしと名乗りましょうか、ダサい気もしますが…ではみなさんも気になっていることをお伝えしましょう」


 その男は人々の様子を伺う。俺と生はただ呆然としていた。


「そうですね…簡単に言えば人命をかけたゲームということになりますね」


 なるほど、これは困った。


「皆さんはここに来る前は意識がありませんでした、正確に言えば"死んだ"ってことになりますね」


 男はそう淡々と言っていく。さすがにガヤガヤとしだす。

 男は話すことをやめて、ガヤガヤしている様子をじっと見ている。

俺はその様子を観察する。

いや、そんなことはないはず…本当にそうなら本当に面倒なことになるぞ。


 そして数分経ち、男は再開した。


「ルールは簡単ですよ、この山から脱出して下さい、それだけです」


 …そういうことか。


「生」


 小声で話しかける。


「なに?」


 生も小声で聞いてくる。


「あの男が話し終わったら俺らはすぐに起きたところに戻るぞ」


「なんで?」


「可能性がある、生き残れる可能性が」


「山から脱出するだけだよ?なんで下に行かないの?」


 確かにその通りだ、しかしただ下に降るだけで終わるのか?だってあの男は誰かからの命令を受けているはずだ、そんなに簡単ものにする意味がない。

 つまりなにかあるということになる。


「あとで話す」



「最後に一つ、ミイラがよく出没することがあるので気をつけてください」


 

「じゃあ、行こう」


 俺は生の手を握ったまま自分達が起きた場所に戻った。大多数は下に降りている。でもこれでいい。

 きっとこの中の数人はかませ役があるに違いない。

だから俺と生は絶対かませ役にはならないために。


 こうしてゲームが始まった。不透明なゲームが。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ