十六話 おしまい
「はい」
「テンキュ」
お昼になり、この前に旧校舎の音楽室で生と一緒に食事をとる。
いつも思うけど美味しいんだよなぁ〜。
「独」
「ん?どうした?」
「今日、デコレーションにいこうね、いろいろあってできていないから」
「ああ」
そういえばそうだったな。生の言う通り、いろいろなことがあって忘れてたわ。
楽しみだ、生とショッピングモールに行けるから。
そうして待ち遠しくなっていた。
「では行こう、独」
「もちろん」
俺は生は戸締りをして家を出る。
生は顔を隠すためにマスクにサングラスをしている。
なので俺もしていないとおかしいので俺もマスクとサングラスをする。
いつもどおりポケットには刀が入っている。
「じゃあ、駅まで歩こうね」
「道案内頼む」
ショッピングモールは四駅ほどの位置にあるため、電車をのることにしていた。
「何時まで帰ってくる?」
「今行っている最中にそんなこと言う?」
「暗くなると危険だし」
「独が守ってくれるので大丈夫でーす」
「はぁ」
俺と生は横並びに進んでいく。
そこにあるのは道と親友とお互い思う異性の二人のみ。
周りの雑音なんてものは無くされていたように思えた。
電車が通過する音を聞くまでわ。
「話こんでたら、あっとう言う間についてしまった」
「そうだな」
生は俺にキップ代を渡して先に改札を通る。
俺もすぐに買い、改札を通る。
生はすぐそこで待っていた。
「電車来てるから急ごうか」
「おけ」
急いで電車に乗り込む。
「ふぅー、間に合ったね」
「ああ」
生が空いている席に座る。俺も生の前に立つ。
「あれ?座らないの?」
「まあな、今日は立っておきたい気分だから」
本当は生の前に立って守っていたいだけなのだがな。
一応探知でもしておくか。
ん?なんだこの違和感のある気配は?おかしいな?
俺はその気配の正体がなんなのかさらに『解明』を使う。
やべぇな、これ最悪だよ。気配の正体は死だった。
つまりこの電車に乗っている人が死ぬということになる。
でもここで生に話せば混乱しそう。
俺はもう一度死の気配を確認する。まだ疑う。
本当だ。\(^o^)/おしまいだぁ。
だって原因がわからないだぁ、対策のしようがねぇ。
俺はスマホを使い連絡する。
【生、オワッタ】
【なにが?】
【探知したら死の気配がした】
生は驚いたのか俺の顔を見るが俺は本当だという顔をする。
生にはこの刀の異常な能力の少しは教えているからそこについては驚いていない。
【原因わからないから、対策のしようがない】
【私、どうしょう】
俺は生の席に座り、生の手を握る。
そしてその瞬間、電車が傾いた。
死んでも生とまた会いたいな。
そこで視界は真っ暗になった。