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十二話 無意識の癖

 ミイラの音が完全に消えるまで誰も動かないでいた。

 そして、


「と、とりあいずお疲れ様」


 百舌鳥さんが言う。


「あ、はい」


「独」


「ん?どうしたの?」


「独も同じ?」


「当たり前だろ」


 俺は誰も動かないから動かなかっただけで、実際はあの男を追うことは可能だったがやめた。


「気をつけて帰ってね」


「「「はい」」」


「あの」


「どうしたの?加那?」


「家に泊まってもいいですか?」


「独、いい?」


「なんで俺?家主は生でしょ」


「確かに、じゃあ一緒に帰ろうか」


「ありがとうございます」


 もしかしてやりとりが軽いことから雨虎さんが生の家に時々泊まっていることがわかる。つまり俺に確認をとったのは俺が生と一緒に住んでいるから。


「百舌鳥さん、お疲れ様でした、気をつけて帰ります」


「はい、気をつけてね、モグラちゃんも加那も」


 どうやら俺はスルーされているみたいだ。

というかミイラが来た理由って刀のせいだよね?そんなことよりミイラが言っていたことは信憑性がある。

 まず刀の所持者にいちいち言いにきたこと、もし妄言なら適当にインターネットに情報を与えればいい。

 そしてミイラはわざわざ自分が起こす側ではないことを言っている、つまりミイラは起こす側の人を知っているがどうにもできないから刀の所持者に言いにきた、それが俺の中で有力だ。

 ミイラは刀の力が強いと知っていることが前提になるから、なにかしらの刀の情報は持っていると思うけど。


「独楽さん」


「どうしました?雨虎さん」


「生香が『独と一緒に住んでいるの』と言っているんですが本当ですか?あと加那って呼んでください」


「そうだね、本当に一緒に住んでいるけど、マジで最近のことだから」


「そうなんですね、それでなにか起きました?」


「なにも「加那、あのね独は私のことほ親友として見てるからなにも起きるわけがないよ」


「親友?」


「そう、親友、私と独は仲がとてもいいから」


 あれ?生ってここまで口調が変わるけ?

もしかした加那の前だからかな?それなら黙っていよう。


「そうなんですか?」


「ああ、そうだな」


「独、もしかして考え事してる?」


「あー、確かに、でもあまり意味がないけどね」


「意味がない?」


「考えても意味がないってこと、そんなことより今日の晩御飯なににする?」


「そうだね、スーパーに寄って帰ろうか」


「了解」

「はい」


 そうしてスーパーによって帰宅した。

もぐもぐとご飯を食べた。


「誰からお風呂に入る?」


 俺から切り出す。

このあとやりたいことがあるから。


「でも俺はちょっと食後のアイスでも買ってくるから」


「わかった、先に加那から入っていいよ、いってらっしゃい」


「ああ」


 俺は外に出た。やはり生にはバレてしまうか。




 加那がさっきの独のことを見ていなくてよかった。

私は加那がお風呂に入っている間にスマホをいじっているとふとそう思った。


 独は笑っていたのだ。そのことについて私は驚きもしないが加那は指摘することだろう。されたら困るのだ。独がああやって笑うのは無意識の癖であってそして独がよくないことを考えている時に起きやすいのだ。

きっと独のことだからあの男のことについてなにかしようと思っているのだろう。

 でも私は止めないけど独が無事であってほしい。

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