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天上天下
天下。
青く澄み渡る天の下、広大な大地を支配する三つの大国、華胥·禹城·高陽。
中でも華胥国は『神が創った国』と称され神々の存在が今世まで信じられて来た。そんな華胥国から東方、隣国禹城国との境にある寿山の麓に立派な桃の木が立ち並ぶ不思議な村が在った。村は年中濃霧に覆われ、外界からの人の訪れを拒んでいた。
まるで、神仙の住む仙境のようなこの村で産まれ育った李輝煌は、貧しいながらも農夫の父と二人で楽しく暮らしていた。しかし、輝煌が十四歳を迎えたある日の夜。突然、濃霧が晴れ黒装束の集団が村を襲った。何かを探す様に家々に押し入る集団が村外れの輝煌の家に押し入った時、天が眩い程光輝き一匹の龍が現れた。同時にそれまで男児の容姿をしていた輝煌に変化が表れて…。
神仙たちが天上界、人間界、地獄界を巻き込んで繰り広げる戦いと愛憎劇の中華ラブファンタジー。