表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕がこの世界で生きるワケ  作者: 京衛武百十
50/137

俺と勝負しろ!!

こうしてティコナはますますリセイのことを意識するようになったのだが、そうなると面白くないのはトランである。


『くそ…っ! なんだよティコナの奴……!』


が、今ではリセイも配属された第二隊に所属する兵士である従兄のジェインに、


「お前、余計なことするなよ? リセイはもう正式に兵士として配属されたから喧嘩なんか吹っかけたら下手すりゃ<国家反逆罪>だって有り得るんだからな?」


とまで釘を刺されていたので、迂闊なことはできないが。


もっとも、<国家反逆罪>というのはさすがに大袈裟ではある。大袈裟ではあるものの、実際に兵士や騎士に対して反抗的に振舞うのはかなり印象の悪い行為であり、場合によっては懲罰の対象にもなるのは事実であった。


だからといってすんなり引き下がることができなかったりするのも人間の感情というもの。


なのでトランも、


「俺も兵士になりたい!」


とルブセンに直談判して、年齢的には若干早かったが、


「ふむ。そこまで言うのなら」


認めてもらい、第七隊に仮入隊となった。


しかし、なったはいいが、リセイもやらされた<演習場のランニング>で、リセイよりは走れたものの六周目でダウン。やはり兵士として働くには基礎体力の点ではまだまだだということだったようだ。


とは言え、リセイと同じ条件で自身を鍛えられるようになったことで、分かりやすく比較できるようになっただろう。


リセイとの違いを。


で、それなりに鍛えていたこともあってリセイのように筋肉痛で走れなくなることはなかったものの、一週間、二週間と鍛錬を続けても、同じようには走れるようにはならなかった。


第二隊の面々と一緒に黙々とランニングをこなし、そのすぐ後で淡々と組手をこなし、しかも自分より二回り以上体の大きな兵士を易々と地面に転がすリセイの姿に、トランは唇を噛み締めた。


『くそう…! なんでだよ…っ! 俺とあいつの何が違うんだよ……!』


が、<自称女神>からチート能力を授けられ、しかもその能力を、本人の努力もあり使いこなせるようになりつつあったリセイが相手では勝てなくて当然。張り合うこと自体がそもそも無意味ながら、事情を知らない、いや、知ってたとしたら今度は、自分には同じものが授けられていないことで嫉妬したであろうトランでは、いろいろと違ってしまっていたと言えるかもしれない。


そして、一ヶ月が経ったある日、それぞれの部隊の錬度を競うための合同鍛錬の場で、トランは、


「リセイ! 俺と勝負しろ!!」


と食って掛かった。


「あ、うん。僕は別にいいけど……」


戸惑いながらちらりと副長であるレイに視線を向けると、


「いい機会だろ。相手してやれ」


返答をもらったことで、実戦形式の組手を行う流れになったのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ