運命の出会い
初投稿です。
正直なにも考えずに書いてるので、
暖かく見守ってくれると助かります。
一応、ある程度書いてみるつもりですが
この先どうなるかは自分でも決まってません。
それでも良いよという方は
一読お願いします。
「そうか、、、君は、、、フフッ、どうして、どうしてなんだ、、、。どうして今になって止めるッ!!」
正面の男に心当たりがあるのか思い出したように言う男
「それだけはお前に渡す訳にはいかないんだ、、、」
そう言って立ち塞がる男
互いに真剣な眼差し、それは壮絶な宿命を感じさせる構図だった。
これは世界の命運を分ける対立の構図。
大袈裟な表現でも空想の物語でもない
これはこの先起こる現実
2人は出会うべくして出会ったのだ
まるで世界そのものが在り方を
この2人に委ねるように、、、
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「またあの夢か、、、」
焼けた大地、周りには何も無い
あるのは2人の男の姿
1人は自分、どうやら向かいの男と戦っているらしい。少年漫画の読みすぎか自分はよく現実的には有り得ないような子供っぽい夢を見る。自分が漫画のような超能力を持っており戦う夢。しかし、この夢はそんないつも見る下らない夢とは少々違う、夢にしてはあまりに現実味がある、鮮明である、ここ数日間同じ夢ばかり見ている。しかし、なにより
「臭いな」
夢のセンスが壊滅的なのだ、、、
今どき漫画でもここまで臭いやり取りはそうは無い。あれが自分のセンスてのはショックだな、作家は向いてなさそうだ。
そんなことを思いつつベッドから出る。時計を見ると時刻は午前九時丁度だ。とりあえず朝食や洗顔を済ませ出かける準備をする。といっても何か用事があるという訳では無い、ただ起きたらとにかく何かしらすぐに出来る状態にしておきたいという思考故に日課になっているだけだ。
「さーて、今日はなにしよっかねぇ」
再び自分の部屋に戻ってきて腰を下ろすと
!!
プルプルプルプル...
どうやら携帯の電話が鳴っているらしい
「あった、」
ピッ
枕の下に埋もれていた携帯を見つけ電話に出る。
「もしもし、、、」
そういえば誰からだったか確認してないことに気づき若干恐る恐る尋ねる
「若いなぁ、おぃ、、、いや、幼いな」
出たのは中年オヤジ?という感じの渋めの声だ、もちろん現在十八の自分に中年オヤジの知り合いはいない。しかも幼いて初対面で失礼じゃない?
「え、あのぉ、、、」
「困ってんなら助けてやるぞ。弥生」
ッ!?!?
いや、そんな急に恩着せがましく言われても
身に覚えがない。しかも、ガッハッハッ任せとけ的な笑い声も聞こえてんぞ。
そんな事はどうでもいい
いや、誰だ?!
弥生だって?どうして俺の名前を知っている?
別に自分の名前を隠してる訳じゃない。
お母さん、お父さん、友達だってみんな知ってるけど、けど、こんな渋い感じのおっさんは友達はもちろん身内にも存じ上げません。
「いや、あの、ぇどちら様?」
「どちら様?じゃねぇ神様だよ。口の利き方には気ぃつけろ?なにしちゃうかわかんねぇぞ?」
(何様だよ、神様って、おもしろくねぇぞ、、、ツッコミにすら困るボケはやめてくれ)
頭のおかしい奴が電話掛けてきたと、そう思った。
「あの、何の用ですか?」
「なんの用って、おまえ、、、そうか、わかんねぇのか俺様が。」
いや、さっぱりなんだが、、、
新手の詐欺電話かなにかか?
「あのちょっとさっぱり話が見えないんですけど、どなたか存じ上げませんがもういいですか?お切りしますよ?」
丁重にかつ
早く電話を切りたい感を出していく弥生
「待て待て、本当に心当たりはねぇんだな?!」
(全くない!!)
ブツッ!!
切っちゃった、、、思ったことそのままやっちゃった。なんか情けない感じの人だったからつい、、、
しかしまぁ詐欺師っぽくはない。
なんかアホそうだったし、可哀想なおじさんて感じだ。それとも案外詐欺師てのはあんな感じで騙してくるのか?それなら怖い、実際に被害が起きるわけだ。とかなんとか考えていたが一向に電話を掛け直して来ない。
「なんだったんだ?結局、、、」
このままだとただの迷惑電話以外の何物でもないんだが。名前を知ってた、、、?
どうして?今考えるとやっぱりおかしい。
しかし、詐欺師にしてはいささか杜撰が過ぎる。
(名前を言ってきたのに、知らないおっさんを装うなんてなぁ。)
そのせいで自分はすごい警戒心を抱かざるを得なかった。やはり知り合いだったのか?まぁ、なんにしろ考えても分からない。
「再びかかってこないなら別に気にすることも無いしな、」
(気晴らしにちと、出かけるか、、、)
ちょうど新しい靴が欲しかったところだ
休日だし、まだ午前10時過ぎ。動くには充分過ぎる時間だ。そうと決まればすぐに靴を履いて出かける、家には当然のように誰もいない。父親は基本仕事で海外にいるから帰ってこない、母親はなにをしてるのか分からないような人だ、基本休日は遠出していて家にはいない。今日もそんな感じだろう、、、
別に常に1人って訳じゃない、平日は母親も夜には帰ってきて晩飯は一緒に食べている。
しかし、そういう事情もあって1人生活するのは同年代の他の子に比べても慣れているといっても良いだろう。
「いってきまーす。」
返事は当然無いが、そう言って玄関を開ける。
とそれはそこに、すぐそこに居た、黒く艷めく羽、まるでどこを見ているのかわからない双眸、しかし威圧感だけは伝わってくるのが弥生の背筋を凍らせる。
「カラスだ、、、」
弥生はカラスが苦手だった、
何故って、やつら知性が有りやがる、そのくせ心はなさそうだ、、、そういったモノにすごく恐怖を感じる。人によっては知性が無さそうなモノが怖いという人も居るだろう、知性を感じないが故に怖い。
猟奇的な殺人に恐怖を感じるのも知性を感じないからでは無いだろうか?
普通はそういったモノに恐怖を感じる人の方が多いのではなかろうか、しかし弥生は違うのだこのカラスのような存在がとてつもなく怖い、それは言うなれば同族嫌悪という言葉がピッタリだろう、正に自分のことを心無い人間だと思っている弥生には。。。
同族嫌悪、同族故にわかる怖さ、心が無いということがどれほど怖いか、、、
心がある人でも多少はわかるだろうけど
それは違う、リアリティを帯びてない
想像している怖さなのだ。それは想像しうる怖さなんかの100倍怖いのだと弥生は思う。
誇張した例えではない、それくらいなのだと
まぁ、そんな事を言い出せば
心ある人の想像している怖さなんて
心無い弥生にわかる訳ないじゃん、てな話な訳だが、、、今の弥生はそこまで考える余裕はない。
なにせその弥生曰く想像の100倍怖いモノが目の前に居るのだから。
ここまで約10秒ほど、弥生とカラスは
お前になんかまるで何も思ってないぞ
と言わんばかりの表情を装って
見つめあっている。
(カァー、カァー)
遠くで別のカラスが鳴く、
(何故だろうカラスが鳴くと夕暮れ時の情景が浮かぶ、、、)ふとそんな事を思った時
その鳴き声に反応したらしく
目の前のカラスは弥生になんか目もくれずに飛び去って行った。
「ふぅー、行ってくれたか」
しかし、ここはマンションの10階だぞ、
なぜそんな手すりにカラスが止まってるんだ?
玄関を出てすぐ横の手すりに、大体2メートルくらいの距離に居たのだ、奴は。(舐められたものだ1歩踏み込めば殴りかかれる距離だぞ)
なんて、恐怖から解放された途端
そんなことを考えては、
弥生は何食わぬ顔を装いマンションのエレベーターを降りて外に出る。
家から近所のショッピングモールまで歩いて10分ほどの距離だ、わざわざ自転車を出すまでも無いだろう。そう思い駐輪場を通り過ぎて外の通りに出て弥生は固まった。急にバグったテレビゲームのように、傍から見れば急に時間でも止まったかのように突然固まっていた。それもそのはず、弥生の目の前にはまたしてもカラス。それも1匹2匹なんかではない無数のカラス。どうも何かを啄んでいる、、、
いや啄んでいるなんて可愛い表現は似合わないどころか許されない、これは貪っている。
知性の欠片も感じられない。。。
理性の制御が効いてない感じが、
本来知性あるはずのカラスをそう見せるのだろう貪るという行為。それ故に異常、これは異常に対する恐怖。先程の恐怖とはこれまた質が違う。背筋も凍る怖さではない、むしろ好奇心で前傾になっている。人は異常なモノには恐怖と好奇心を同時に抱くという不思議な心境にさせられるものだ、怖いものみたさってのとは少し違うだろうか。
しかし、その時だ
弥生の鼻腔に入ってきたその“臭い”が、、、
そう“ 匂い”ではなく、“ 臭い”。突き詰めて言うなら悪臭がその好奇心を失せさせる。
悪臭にも様々あるがこれはその中でも
腐臭というやつだ、無数に集るカラス、鼻につく腐臭、好奇心は単に臭いからというよりもそのモノへの予想が、想像が、出来てしまったが故に失せたのだ、、、
人によってはこの想像をしても尚見たいと思う野次馬精神の持ち主も居るだろうが弥生は足早に、むしろ見なかったことにして立ち去ってしまいたい気分だった。ましてやカラスが苦手なのだ。にもかかわらず気がつくとすぐ側まで、覗き込むと見える位置まで歩み寄っていたのは自分の意思とは違う、何か。
そう何かとしか言いようのないモノに
それこそ“ 臭い”言い回しをすれば“ 運命”とでも言うしかないモノに吸い寄せられたからに他ならない。なぜ?自分でも何をしてるんだと思いながらも恐る恐る覗き込む弥生。
「ウッ、、、」
それは人だった、、、
一斉に貪っていたカラス達が飛び去り
倒れてる人の姿がはっきりと現れる
辺り一面カラスの羽根、と血溜まり。
その中に埋もれる人の姿、
どうやら腹が抉れているらしい、口からも血を流している。しかし、カラスの羽根に埋もれていてよく分からない。はてさて、これはどうしたものかと弥生は考える。
とりあえず病院に電話?
しかし、これはどう見ても死んでいる、
警察に電話する方がいいか?とはいえなんの事件性があるのかもさっぱり、事故?それすらもわからん。「変に電話して、疑われるのも困る、なにせ第一発見者だ。」等と考えてふと我に返る。この状況でこんな事を考える余裕がある自分につくづく嫌気が刺す。弥生が自身を心無い人間だと思っているのはこういうところだ。
とりあえず、「なぜすぐに救急車を呼ばなかった。生きていたかもしれないのに」等と後で言われても面倒だ、とにかく病院に電話しておくのが吉だろう。そうすぐ結論を出して119とダイヤルを入力する。
なんと伝えるか少し迷ったが
とりあえず自分のマンションの前に人が倒れてるという旨だけ伝えることにして電話を掛けようとした時だった、
ピクッ、目の前の死体が一瞬動いたように見えた、恐る恐る血溜まりを踏まないように覗き込んだ弥生は驚きで声も出ない。
(目が、開いてる、、、)
それもなんだか瞳孔も開いてないような、(外は日中だし仰向けで倒れてるから普通)
当然死体のようには見えない。ドラマなどでもよく言うように死体は瞳孔が開きっぱなしの筈だ、それにさっきまで目は閉じていたのだ。すると、またピクッと指先が動いた。
(今度は見間違えじゃない。)
「生き、ている、、?」
少し冷静さを取り戻し声に出す。すると、
ニヤリと死体が、いや、倒れていただけの少年が笑って
「うん、勝手に殺さないでよォ」
そう、愉快気に言ったのだった。
見れば少年の腹に抉れた跡は無い。
「いつの間に、、、」
またポツリと呟いた言葉に少年は何食わぬ顔で返す。
「ん?あー、お腹の傷かぃ?なんか寝てたら治ったみたいだね、」
いや、みたいだねって、そんな適当なことある?お前の体だろお前の。なに、これ何時から夢?朝見たあの夢が夢でこれが現実だと思ってたのに、まだ夢から覚めてなかったんですか?なるほどそしたら、あの変なおっさんからの電話をも夢だった訳だ。それなら全部納得なんだけど、、、
「ねぇ、、、お腹空いた。」
絶賛現実逃避中だった弥生に少年がこれまた気の抜けるような事を言ってくる。
(しかも、お腹空いたとだけ言われてもなぁ、
どうして欲しいか言えよ!なんだ「お腹空いたぁー」て、察してくれなきゃヤダ系の女か)
等と錯乱してしまったか訳のわからないことに突っ込んでいると
「あー、今日はクレープの気分かな。じゃあお兄さんそういう訳だからまたね。」
と言い残し去っていこうとする少年、
「いや、独り言なのかよ。」
「ん?なになに?なんか言ったぁ?」
当然弥生の葛藤など知らない少年は無邪気な笑顔でかえしてくる
「いや、なんもない、、、」
もうなんでもいいや、そう現実逃避すらしない思考放棄作戦に出た弥生だったが
少年を見て放棄してた思考を戻される。
なぜさっきまでなにも思わなかったのか、
少年はカラスの羽根だらけというより
立ち上がって見るとわかってしまったが
それは少年の体に生えている。羽毛がある、
黒いカラスの羽毛が腕に、、、
顔や、足には無いが、腕にはびっしりとカラスの羽が生えている。しかも巨大な翼、それも黒いカラスのような翼が背中から生えて体を包むように閉じている。さながら動く城の魔法使いの様だ。そんな風に少年の体を見ていた弥生に少年が声をかけてきた。
「しかし、お兄さん。君は驚かないんだね、、、」
いや、内心めちゃめちゃ驚いてるつもりだがそう言われれば割と冷静かもしれない。
まぁ、死体だと思って少年を見つけた時から割と冷静だったからなぁ。
「普通なら腰を抜かしてるよ?まぁ、僕を見た人間は君が初めてだから普通もクソもないんだけどね。」
とまぁ相変わらず愉快気に笑いながら喋る少年、
返しに困る弥生
「えー、、、なにから突っ込めばいいやら、、、お前まさかその姿でクレープ食べに行くの?」
ツッコミどころ満載過ぎて
変なところから尋ねてしまった弥生は
(いや、腹減って食べに行く物がクレープて、おかしいだろ、聞いててこっちが変な気分だわ)
と尋ねてて思う。もうなんのこっちゃ
「そうだよ?まずいかな、、、?」
「当たり前だよぉ、見た人間パニックだよっ!ハ○ルがクレープ食べてるぅてパニックなっちゃうよ?!あと、クレープは美味いっ!」あまりの出来事続きでとある知り合いの口調が移ってしまった弥生は今日イチキレキレで突っ込んだ。少年はハ○ルの動く城は知らないようで、なんのこっちゃ...という顔をしてる。
(ジ○リ屈指の名作なのに)
「でもそうかぁ、やっぱりクレープって美味しいのか、食べてみたいなぁ!」
「え?食べたことないの?」
食べたことないのに、やっぱあれだねぇみたいな感じで言ってたのかこいつ、、、
「うん、さっきも言ったけど人間界に来たのは初めてだからね。」
いや、そんなことは言われてない。
まぁそれに近いことは言ってたけども、、、
「てことはなんだ?お前は人間界じゃない別の世界から来たのか?」
人間界て、まるで人間の為の世界みたいな言い回しでいささか調子乗りすぎでは?と思いながらも少年の言い回しに合わせる弥生
「うん、天界だよ。天界から来たんだ僕は」
「天界、、、」
「そうさ、この堕ちて黒くなった翼が何よりの証拠さ。」
え、、、このカラスの羽根をなんだって?
堕ちた、、、か?落ちたではなく?
それは心当たりあるぞ、それ堕天使って奴だろ?いや、実際堕天使が本当にそんな見た目なのかは知らない。しかし、こんな現実離れした、誰も見たことも無い存在が人間が既に考えていた空想上のモノというのは些か都合良過ぎる。
それではまるで人間の空想が現実になったかのようだ。物語じゃあるまいし都合が良すぎる話だ。
となると、天使というのは空想上のモノではなく
誰かが実際に見たことがあるから語り継がれたモノだという説も考えられるな。ツチノコを実際に見たなんてのより興奮する事態だぞこれは!
と勝手に弥生の思考がヒートアップ。
「人間界では天使と呼ばれてるね、まぁ、僕はその中でも堕ちた天使。堕天使だけども」
「やっぱり、、、」
それにしても今日は変わったことばかり起きるな厄日だろうか、もう外に出ない方が良いかな等と考えていた弥生に堕天使はあどけない声で
「実はね僕追われてるんだよね。それにお腹も減った。よければお兄さんの家に入れてくれないかな?
それと出来ればなんか食べさせてよ!」
両手を合わせてお願いて感じのポーズで懇願してくるしっかり、上目遣いだ、
(手馴れてやがるぞこれは、というか食べさせてが主な理由だろ。)
「はぁー、まぁ、仕方ないか、、、」
なにせ夢じゃないとするなら状況把握も兼ねて
話も聞きたいところだ、なにせ天使らしいからな。
仕方ないとため息ひとつ少年を、堕天使と名乗る少年を家に上げることにした弥生だった。
1話目で勝手がわからないので至らないところもあるだろうけど。こんな感じでまた、
2話目も投稿するのでよろしく。
後書きで言うのもなんだけど弥生は“やよい ”
と読みます。そのままです。