表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/396

室内爆散の公開記録 - 祝ってくれ


 やった。

 俺はやった。

 パンドラボックス、絶対無理やろコースと思ったら第一の関門突破に一歩前進したぞの巻ぃ!


 褒めろ!

 褒めろ!!!


 俺を褒めて称えてくれっ!!!


 いやポイントは発生してないんだけどね。倒したわけじゃないから。


 しかし絶対強化無しじゃ――いや強化されてもビームっぽいのは無理では? って思ってたけど、少なくとも俺の方は攻略法があったという事だ。

 これ前進じゃね? 前進だろ。前進って言えぶっ殺すぞ!!!

 ごめんぶっ殺すは言いすぎた。


 ちなみに第一関門の門番であるビームモンスターには今回、コミュ障ビッグアイと名前をつけることにした。

 そう、ビーム? 飛ばしモンスターはコミュ障? だったのだ。コミュ障というか、対人恐怖症みたいな? なんかそんな感じ。響き的にコミュ障が言いやすいし、おびえたいのも恐怖しているのもこっちだしって思ったからとりあえずコミュ障で。


 いや、モンスターがコミュ障ってなんだよ。


 というツッコミはよくわかるけど、だってそうなんだもん!


 つーか、攻略法――っていうか初手ビーム回避手段があったほうがそりゃいいとはいえ、やっぱクソでしょ。

 改めて思うわ。攻略法があったらクソゲじゃ無くねって思うかもしれないけど、誰が一発で頭か体全体かボン! させるようなモンスターから目をそらそうと思うんだよ。


 そう、初手ビームを回避するには相手を見てはならない、というのです。


 普通は無理。俺凡人だから本当に無理。

 死はトラウマのまんまでしょ、何回繰り返してもそうよ。

 それを確定してくるやつがそこにいて、いろいろとやってみることはあっても、


 よーし! じゃあ目をそらしてみよう!


 なんて考えるやつは気狂いすぎると思うの。

 だって思考の流れおかしいやんそんなの。凡人的に考えて。


 他に色々やっては見たのよ。


 目がきゅるぽ! って出てくる前に突進しよう!

 →高速きゅるぽ! からのピッカァ! うあー!


 距離を保ったらきゅるぽ! しないのでは!?

 →視認した時点できゅるぽ! する。ピッカァ! うあー!


 目がわかりやすい弱点になっているのでは?

 →容器(日替わりのゴミ)を投擲だ! 当たる当たらない以前に確認する前にピッカァ! うあー!


 目が合うときまずいから目をそらそう(これは一応やってた。頭おかしくなるのが極まってきてた

 →意味ねぇじゃんうわー!


 等々。


 だったんだよ。何回死んで何回部屋で立ち直りに時間かけてんのって話。記憶に空白があるんは気のせい気のせい。

 チャレンジ精神も折れようというものだ。むしろよくここまで頑張ってない?

 いうても、これ100m進んでないんだよ?

 だって毎回ちょっと進んでちょっと曲がった小部屋っぽいとこの入り口にスタンバってるもん。

 ランダム配置にしろよそこは。固定配置おいしいですできるような環境じゃねぇんだよこっちは。ちくしょうめええええええ!!!


 一歩進んだら死ぬゲームは覚えゲーですらないクソゲ―でしょ!!!


 バグですか? パッチはよ。

 クリア挫折するゲーのそれと似たようなもんやぞ。しかもそれが現実だからね。もうだめだねってなるでしょ。


 しかし、ゲームと違って投げだしてどうにかなるもんでもないっていう。

 もうね。

 クソゲの掲示板で見かけなくなる人の多さとその速度の理由がわかるよって話。

 よっぽどの人でもここまで簡単に死に続けるってだけで心折れるからね。

 慣れて、いつか楽になるっていうんならまだもうちょっと人がいるかもしれないけど、そういう話でもないってのがなんとなくわかっちゃうしね。

 死なないようにしたいのに、それをできそうなきっかけすらつかめないんだから、そりゃ折れるしかない。

 折れても楽には決して慣れないけど、恐怖と絶望がまさってどうしようもなくなる。

 完全な発狂はできなくとも、それに近づきすぎてもそれは直されない。いやらしいシステムだこと。

 恐怖もトラウマも消えてくれない。

 何も考えない、とういう状態に俺たちを置いては決してくれない。死に何も覚えないほどの廃人の状態にはしてくれない。

 ただ、心は折れることができる。できてしまう。

 クソだろこれは。

 掲示板で見かけなくなった人だって、一日中何も考えずにって状態にはなれてないはず。

 震え続けて、おびえ続けて、空腹に苦しんで、水がない渇きに苦しみ続けてるんだろう。

 それを感じない状態には決してならない。それを確信できる。

 俺が完全に折れないのは、止まったらわかっていてもそっち側に行きそうだからというだけの話だ。



 とかいうダウナー感はともかく。



 ある日……そう、ある日のことだ……今日だ……

 曲がって見えるって時に震えた手がゴミ……もとい武器を落としてしまったのだ!


 なんという失態! 攻撃力0っぽいとはいえ唯一の俺の(毎回変わるお弁当容器こと)相棒が!


 と思って、半ば反射的にしゃがんで拾おうとしてしまったのだ!


 はっとした。


 だめだ、ここはもう直線の範囲内!!!


 きゅるぽ! ピッカァ! が来る!!!


 前ちらってして隠れたらどうやら貫通して食らったしもう引き返してもアウトだ!


 ゴミ拾おうとして死亡とかいう見られたら別の意味でも立ち直れない展開の奴!


 死にそなえるように目をぎゅっとつぶる俺!


 震える事も止められない俺!


 ゴミがかたかたいう。この野郎お前のせいだこの野郎。


 ……?


 飛んでこないビーム。


 死なない俺。


 ん? ってなる俺。


 思わず顔を上げてしまう俺。


 きゅるぽ!


 目と目が合った瞬間、僕たちは――




 リスポーン!!




----精神状態復帰中----




 ん?

 ……んん?

 なんか、おかしかったよな?

 だいぶ遅れてた。

 タイミング的には、顔を上げた時に来た。

 下を向いてた時にはこなかった……?

 曲がり角に向ける前に向いていた形だった?


 となったわけである。


 確認しようと思い返した。


 曲がり角→浮いている球体をこちらが視認する→向こうが目を生み出す→攻撃される。


 そこで思った。

 ……もしかしたら、一回こっちが姿を視界に入れる形で認識してなければ目が形成されないんじゃ? って。

 顔を上げるまで攻撃しないということは、目を形成しないと、攻撃されないのでは? って。

 形成条件は『こっちが見る』という行動がいるのでは? と。


 何か解決した、というわけではなかったが、俺は気付けば泣いていた。

 わんわん泣いた。

 すごく泣いた。

 赤ちゃんVS俺の泣き対決でも勝てるんじゃないかと思うくらいずっと泣いてた。

 なんかちょっと進んだ気分になれたからだ。



 まとめ


 私モンスター! 目があうと照れてビーム発射しちゃうの☆

 キャッ☆



 ぶ ち 殺 す ぞ !!! (涙目




 さーて、でもこれで近づけたところで、こいつそもそもどうやって攻撃すれば?

 ゴミ容器攻撃って効くの?

 見ないで攻撃ってどうすればいいんだ!


 って問題がでてきたぞー。

 わはは。

 はぁ。

 昨日の俺よりましになったと納得すべきそうすべき。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ