スタイリッシュ【魔法少女】……オブ・アラサー!!
この作品は「なろうラジオ大賞」応募の為に、1000文字でどこまで表現出来るのか挑戦した小説です。
アラサーで既婚者の【魔法少女】。果たして彼女は本当に【魔法少女】なのか?
無茶ぶりな字数で限界に挑戦した結果をご覧ください!
世界を包む怪異の象徴【カイジン】そして【カイジョ】。
彼等……異世界からの侵略者に世界中の警察、そして軍隊は無力だった。
限り無い脆弱な命が失われ、そして今日も世界の何処かで新たな犠牲者が血を流すだろう。
……だが、奇跡は起きるまで待つ物では無い。
自らの手で掴み、更なる奇跡を生み出す為に足掻き、そして……
圧倒的な力量差すら跳ね退けて、奪い取る物である。
「はぁ、はぁ、はぁ……もう、ダメ……」
【カイジン】に追われて逃げ惑い、力尽きて瓦礫の陰で膝を突く。
(もう走れない、そして、死んじゃうよ、きっと)
物音に少女が振り向いた瞬間、その【カイジン】は元は人であった気配は微塵も感じさせず、獲物にありつける喜びに全身を震わせながら腕を振り上げる!
「そこまでよ! 【魔法少女】の私が居る限り、世界の悪は必ず消えるのよ!」
少女の表情は救済への期待に晴れたものの、現れた【魔法少女】の出で立ちに(……マジで?)と陰りを見せる。
確かにフリルと華やかな装飾、そして色とりどりのコサージュは正しく【魔法少女】だが、右手にはステッキの代わりに巨大な対物ライフルを握り締め、
その身体に纏うコスチュームは、誰もが思い描く理想通りのデザインであるが、都市迷彩と呼ばれる色彩で彩られていて、左手には背中に背負われた武骨な二十ミリ多連装ガトリング砲のトリガーが握られていた。
「……あ、あの……【魔法少女】って、ステッキで魔法出したりするんじゃないんですか?」
唖然とする少女が思わず呟くと、背後に忍び寄っていた【カイジン】もウンウンと頷いている。
「あー、それ? 実はね、私……アラサーで既婚者だから、【魔法少女】は出来ても魔法とかは全然使えないのよね~♪ 期待させて、マジでごめんね?」
悪びれずアハハ♪と笑いながら、軽く往なした自称【魔法少女】は、しかし飛びっ切りの素敵なスマイルと共に『キラッ☆』と光り輝くピースサインを眉に沿わせながら、
「まー、それはそれ! この《ほーりぃ☆パルすいーつ》が来たからには、触手だらけのヌチャドロえっちな【カイジン】なんて……鋼の牙でギッタギタにしてやるから覚悟なさいッ!!」
こうしてアラサー既婚者の【魔法少女】が世界の闇を払うのだが……続きは又のお話にて、ご容赦あれ……!!
済まないが、これが限界です!
初めてお読み頂いた皆様には連載版「私達、アラサーだけどパートタイムで【魔法少女】やってますッ!!(既婚者含む)」をお勧め致します。
異なる世界の現代日本を舞台に、アラサー魔法少女達が戦い、そして苦悩し……時々酒を飲む、そんな小説です。
……うん、済まない。だが謝罪はしない!