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東の森で

誤変換を修整しましたm(_ _)m


未だに新機種は慣れません(;´Д`)


また見付けました、誤変換……(。•́︿•̀。)

勝手知ったる東の森だ。手早く支度を済ませ、一家総出で向かった。ウルリヒはルーイに乗りたがったが、家の中ならともかく、外ではまだ一人乗りはさせられない。デューイが抱っこしてヒューイの背に乗せた。


「ウルが大きくなると、皆でヒューイに乗るのは難しいな」

「その頃にはルーイも今より大きくなってるだろうし、ウルが一人乗り出来るさ」


雑談しているうちに、森の何時も拠点を置く閑地に着いた。しかし、珍しく先客がいる。街では見かけない冒険者だったので、他所から来たばかりか、冒険者に成り立ての新人かのどちらかだろう。


「どうする、ヴィル?」

「仕方がない。他に行こう」


滅多にないが、これまでにも同様な事はあった。そんな時の為に、拠点の第二候補は当たりを付けている。森をもう少し奥まで進んだ先に、此処よりやや手狭な空き地があるので、其処に向かう事にした。


奥まった所なので森の小径も幅が狭くなる為、ヒューイから降り、慎重に歩を進める。空き地が見えて来ると、其処にもまた別の人影があった。


「おや、こっちもか。ツイてないな」


思わず舌打ちしそうになるが、森の空き地など誰のものでもないのだ。ステフと顔を見合わせ、どうしようかと考えを巡らせる。すると、件の空き地から、思わぬ声が掛かった。


「よう、ヴィル、ステフ、こんな所で会うとはな」

「「ダール!?」」


空き地の先客は、まさかのダールだった。ダールは冒険者と兼業の薬師で、若い頃は薬草を自分で賄って薬を作っていたと聞いていたが、今では薬草の殆どを外注している筈だ。


「珍しいな、ダール自ら薬草採りか?」

「ウチの奴が久しぶりに森へ行くと言うから、付き添いさ」


ダールはそう言うと、軽く握った拳の親指を突き出し、背後を指し示した。ダール越しに空き地を覗き込むと、そこには長身痩躯で色素の薄い綺羅綺羅しい顔立ちの人物が佇んでいた。


「ダール、そちらは?」

「この間話した、上級冒険者の『翠聖(すいせい)』ヴィルヘルムと、その伴侶のステファンだよ。ウチの薬草採集依頼を受けてくれてる」

「ああ、街一番の美人と噂の『翠聖』さんと、若いに似合わず気配り上手と評判の伴侶くんか。ダールが世話を掛けている」


目の前でダール達に堂々と噂話をされて、どう反応していいやら分からなくなる。


「ダールさん、そちらにいるのはダールさんの伴侶か?」

「おお、スマンスマン。紹介がまだだったな。ウチの伴侶で、ハーフエルフのアーヴァインだ。俺の薬師としての師匠でもある」

「お初にお目にかかる、我はアーヴァインだ」

「宜しく。ヴィルヘルムだ。ヴィルと呼んでくれ」

「オレはステファン。通称ステフだよ。宜しく!」

「あと、後ろにいるのがウチの従魔達、翼犬のヒューイ、大猿のデューイ、羽根竜(フェザードラゴン)のルーイと息子のウルリヒだ」


お互いに挨拶も済んで、その流れでダール達のいた空き地に招き入れられた。何時も拠点にする場所が塞がっていて森の奥まで来た事を話すと、このまま此処に合同で拠点を置いてはどうかと勧められた。


「お邪魔では?」

「なーに、引き籠もってるイルには、いい刺激になるって」

「イル?」

「アーヴァインのことだよ。俺が昔名前の綴りを読み間違えてついた渾名さ」


そう言いながら、ウルリヒに相好を崩すダール。そのダールを見て微笑むアーヴァイン。なかなかいい雰囲気の二人だ。長年連れ添っているようだが、互いに想い合っている様子が見て取れる。


「では、ご一緒させて貰うよ」

「薬草の採集も合同でやろう。その方が効率よく出来る」

「魔物の類はウチの従魔達が一掃するから、心配いらないよ」

「じゃあ、行くか!」


そうして、急拵えの薬草採集パーティーが結成された。

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