DR-02
パーソナル小説、デュアルリアリティー、ソーシャル
ファンタジー、パラレルワールド、呼び方はなんだって
いい。自分ではこれをアナザストーリーと呼称している。
そのアナザストーリーの「萃点」とやらを探しに
アキバに向かった。
「アナザストーリーの萃点を探して。そしたらきっと
動き出すよ」、1週間前の深夜ベティから突然LINEが来た。
ベティからLINEが来ることなんてほぼほぼない。
ベティとは中野のミュージックBARでちょこちょこ飲む
プログラマー兼占い師だ。
しかもベティにアナザストーリーのことを話した覚えは
一度もないのに。だから余計に気になって慌てて
「えっ?!どゆこと??萃点ってなに?」と返信したら、
「アキバにある『異依』ってお店に行ってみて」とだけ
帰ってきて、その後LINEしても既読にもならない始末
だった。後日分かったのだが、ベティは俺にそんな
LINEをした覚えもないし、アナザストーリーのことも
やはり全く知らなかった。ただ、LINEのIDを乗っ取られた
憶えだけはあると。
真夏のアキバはキツい。ただでさえオタクやメイド、
ジパング観光の外人、昼間っからチカチカしているネオンで
暑苦しいのに、その上ソーラレイばりの照射をされると、
アキバ自体が蜃気楼に見える。その蜃気楼まがいの中を、
本家アキバエリアにある異存に向かって歩いて行った。
異存についてはベティからのLINE後に直ぐにネットで
調べた。SMクラブ兼メンタルカウンセリングルームって
内容だったが、ん??なんじゃそれ?!wってのが第一印象で、
@izon_nashiというツイッターアカウトのフォロアーが
5万人を超えていたのと、この店が歴とした医療機関だと
いう事にかなり驚いた。同時によく分からない期待感も
湧いてきた。この異存という場所に、俺の唯一の特技?
第六感?とも言えるオモシロアンテナがビリビリ反応を
している。この場所に南方熊楠先生が提唱する萃点と、
それを俺に指示してきたやつ、そしてその理由がある。