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Ano[the]story PAGE01  作者: 町 瑠奈
1/2

DR-01

私はアナザストーリーによって救われた。

だから今日も、もう1人の自分に会いに行く。

会って確認する。その人は必ずこっちにもいるってことを。


SMクラブ「異存」で働き始めてどれくらい経つか。

この業界じゃそこそこ伝説になっている店だ。

伝説の理由は色々あるがその理由の大きな一つは、

ここが正式な医療機関であるということだ。

精神病院の一種である。私はそこでいわゆる女王様を

やっている。医療機関でもあるので、女医と言うことにも

なるのだが。数年前リア充仕様に刷新された秋葉原(仮)を

素通りして、中央通りを渡って裏アキバと言われるように

なった「本家アキバ」エリアに入った。自分で言うのも

何だが、私はこのエリアには似付かわしくない。

「異存」はこの本家エリアにある。

1Fと2Fがなぜ本格的スピリチュアルグッズや魔法道具も

扱っている、本家感丸出しのジャンク屋ショップ、

3Fが同人誌が読める喫茶店、4FがメイドBAR、

5Fが私の住居になっていている、そのB1が異存だ。

薄暗い照明にマトリックスのサントラが掛かる

紅と黒の店内で、店長の好美に今日の指名客確認を

してプレイルーム兼カウンセリングルームに入った。

今日最初の指名客は、バイトの面接の女の子ようだ。

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