R指定の謎
「え、何コレ?」
学校もバイトも終わり、ネットを見ていた理恵が突然声を上げた。
その声に雑誌を見ていた木更が顔を上げる。
「どうしたの? 何かあった?」
理恵が見ているパソコンのディスプレイを覗き込むと、そこには先日買ったカエルの写真が映し出されていた。
「そのカエルがどうしたの?」
木更が疑問の声を上げると、理恵が写真の下に書かれている文字を指さす。
その文字を読んでみると、
『写真集出来ました。R指定です。』
と、書かれている。
「……カエルの写真でR指定ってどういう事よ……」
画面をじっと見つめて、二人は難しい顔をする。
カエルの写真集までは解るとしよう。
自分の人形の写真集を作りたい気持ちは二人も同じだから。
しかし、そこに『R指定』と付くとなると話は別だ。
球体間接人形のR指定ならまだ想像も出来よう。
大概球体間接人形のボディはリアルに作られている物。
それでなおかつ人間をモチーフにした人形なら解る。
しかし、ディスプレイに映し出されているのはカエルだ。
しかもリアルではなくファンシーなカエルだ。
「う~ん……バラバラ死体かしらね」
「ちょっと木更!
さらっとそんな事言わないの!」
そうは言う物の、理恵としてもこのファンシーカエルでR指定となると、残虐なシーンが加えられているとしか思えない。
暫く二人でその画面を見ながらあれこれ想像を膨らませていたが、結局どんな物なのか解らないままだった。