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第六話

 何度か風向きが変わったけど、順調に距離を延ばしてる。

 オレより、飛んでる〜。


「とおる。後2回で終わるわ」

「了解!」



「これが最後よ!」

「まどか!合図したら、まどかは左に飛び降りて!オレ右に飛び降りるから!」

「わかったわ!」


 もうちょい……まだまだ……あと少しスピードが落ちたら。


「まどか!3、2、1、0、飛び降りて!」


 左手だけで、ロープを掴み、飛び降りる。体重かけて、一度ブレーキになる。そのまま、結界と並走する。5m程で無理なく、止まった!うっし!成功!!



「まどか!これならいいんじゃない?」

「いけると思うわ。ふぅ。とおると同じくらい飛べたかしら?」

「オレより飛んでると思う。途中から感じが変わったけど、なんかした?」

「わかったの?回転を与えてみたの」

「回転?」

「そうよ。風のボールを作って、足元に置いて、少しずつ蹴り出しているでしょう?蹴り出すときに、時計回りに渦巻くようなイメージで、蹴り出してみたの。普通にするより、距離とスピードがちょっとは、上がったと思うわ」

「うん。上がった!最後が一番上がったよ」

「とおる、魔力はまだ、回復してないでしょ?」

「まだ〜」

「もう少し距離を飛べるようにならないと、今日中に、町までは無理かも。さらなる工夫が必要だわ」

「一休みして、開発しようよ!」

「勿論よ」




 結界に並んで腰掛ける。


「まず、私が試していた、時計回りに渦巻くようなイメージで蹴り出すのは、多少の効果があるわ。でも、根本的な解決にはならないわ。他の方法を考えないと」

「やっぱり、魔法を発現させる頻度を下げないと、長距離移動できないもんね〜。うーん……」

「移動形態が二人乗りというのは、いいと思うの。推進力を、開発すべきね」

「推進力……時計回りに渦巻くようなイメージで蹴り出す……それを続けられればいいんだよね……うぅーん」

「続ける?……そうね。今のままでは消耗品の状態よね。これを恒久的には無理でも、一日ぐらいは維持できるように……」


「ねぇ、まどか。扇風機とかプロペラってどう?そういったものに近い動きができるようにしたらいいんじゃない?」

「そうよね。……風だけでしようとしないで、他も組み合わせて、考えてみましょ」



「むぅ〜んぅ。土魔法で外側作って〜、その中で、風のボールを時計回りに回す?とか?」

「なるほど。……結界のほうがよくない?足の裏に結界作って、その中に風のボールを入れる。それを操作して、風を作る」

「ふんふん。そっちのがいいかも。……ちょっとイメトレしようよ。操作ができないとこの案、使えないし」

「そうね。しばらく、操作の訓練しましょ」

「OK〜」



 魔力が操作できれば、魔法も細かい動きさせれるよね〜。イメトレ、イメトレ。

 イメージはばっちりだけど、継続するってのが、きついな。地味にきく〜。

 両足でしないと〜。……んぅ?交互に片足は?浮上するときは両足要るけど、推進力としては片足でもいける?それとも、小さくても両足のほうがいい?


 うぅーん。一応両足で!

 もう一度、イメージする。その状態を維持する。……二人なら、運転と動力の役割分担でなんとかいけそう。



「まどか、どう〜?オレ両足でなんとか出来そう」

「短時間なら、出来そうなんだけど・・・」

「オレがやってみたい。まどか、結界お願いできる?」

「風のボールはいいの?」

「オレがする〜。そしたら、魔力4残る〜」

「了解。一度飛んでみましょ」



 結界に腰掛けて、まどかを見る。


「結界の長さは、どうしよう?」

「そうねぇ。回転させるから、底が直径40cm、高さが30cmの円柱でやってみない?」

「ラジャ!風のボール出したら、風をとおす結界お願いします!」

「了解」


「いくよ〜。ウインドボール!」


 直径10cmの風のボールを、足裏に二つ生み出す。

 まどかが、すかさず結界を張った。結界はひったり、足裏に付いてる。足を振ってみる。はずれることは、ないみたい。

 風のボールをゆっくり回転させてみる。思い通りに結界の中で動く。

 よし!やるか!



「まどか、飛ぼう!」

「無理せずに、ちゃんと言ってね」

「わかってる!」



 まどかが前に跨り、オレが後ろに跨る。


「じゃあ、カウントするよ〜」

「OK」

「3、2、1、0、発射ー!!」



 風のボールを勢いよく回転させる。浮いた!もっと!今だ!

 足をあげて、結界をひざで挟む。進んでる!さらに回転させていく。


「まどか、追い風になるように、進路とって!ちょっとずれてる!」

「こうでいい?」

「うん!スピードはどう?これぐらいが安定しやすいんだけど」

「このぐらいなら、大丈夫。これ以上になると、ゴーグルが欲しいわ」

「了解。このスピードを維持してみるよ。町に着いたら、探そう。」

「まずは、商品を探して、なければ職人さんを探しましょう!」

「うん!」





 蹴り出すよりも、速い!!動作がない分バランスも取りやすい。

 問題は、持続時間か。そろそろきつい。



「まどか、そろそろ限界です!」

「回転止まったら、教えて!」



「まどか、止まったよ!」

「スピードが出てるから、もう少し行きましょう。私が右に降りるから、とおるは左ね」

「ラジャ!」



少しずつ、高度が下がり始めた。スピードも落ちてきた。


もうそろそろかな。


「とおる、合図したら、飛び降りて」

「はい!」


「3、2、1、0、飛び降りて!」


 ロープを掴み、飛び降りる。体重かけて、一度ブレーキになる。そのまま、結界と並走する。

 7m程で無理なく、止まった。



「なんとか、出来たね〜」

「とおる、大丈夫?」

「ちょっと、休みたい〜。慣れたら大丈夫だろうけど、慣れるまでが大変〜。それに上げ底30cmは、着地には不利〜。」

「そうね……止まるのは、許容範囲だと思うの。後は、慣れることね。こまめに休憩を挟んで、進みましょう。練習あるのみよ」

「ちょっと寝て、魔力回復させようよ〜」

「結界を張るわ」

「お願いしま〜す」



 まどかが結界を張ってくれた。これで安心して眠れる。


「おやすみなさい」

「ゆっくり休んでね」

「はーい」







 うぅーん。まぶしい。なんで〜?

 目をこすりながら、周りを見渡す。草原……あ〜、寝るときは明るさ気にならなかったんだけどな〜。

 影ができる方向が反対になってる。結構寝てたみたい。すっきりしてる。

 立ち上がって、足元の結界を確認する。風のボールもちゃんとある。うん、いける。魔力の節約成功だ!

 魔力も回復したか、確認しなくちゃ。



 能力把握!



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<能力把握>


名前:山本 とおる

種族:人間

性別:男

年齢:十五歳



体力 :25/25

魔力 :12/25

攻撃力:18

防御力:15

賢さ :18

素早さ:15

器用さ:18



言語


ラマン語

エルフ語



スキル


能力把握



直感   LV4

魔力操作 LV1


鑑定   LV3

精霊魔法 LV1 

水魔法  LV5

火魔法  LV5

風魔法  LV4

土魔法  LV4 

光魔法  LV4 

闇魔法  LV4

氷魔法  LV1

雷魔法  LV1

結界   LV1


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 おぉ!12魔力になってる!

 他は〜魔力操作のスキルゲット!!えへへ〜。やったー!

 まどかも飛んだら、ゲットできるよね〜。まどか起きたかな?


「まどかー。起きたー?」


「とおる?今起きたわ。もうちょっと待ってね」

「ラジャ!」



「とおる、魔力は回復してる?私は10になってるわ」

「オレ、12になってる!まどか!オレ、魔力操作のスキルゲット!」

「えぇ!おめでとう!私も頑張るわ!」

「まどかも1回飛んだら、ゲットできるよ!」

「魔力操作のレベルがあがれば、もっと色々できるようになると思うの。いい訓練になるようだから、配達の仕事はすぐにでもしたいわ」

「賛成!この世界のことも見て回りたいし!」

「まずは、お昼にしましょうか。お昼は一人1個ね。町に着くまでに、何回か休憩いれないといけないから、もう1個は残しておきましょ」

「わかった〜。いただきます」



 そのまま、齧り付く。シャリシャリ音がする。りんごの見た目で味は桃。だったら、桃の見た目の果物の味は何味なのかな?気になる〜。


「ごちそうさまでした!」

「ご馳走様。もう飛べる?もう少し休む?」

「大丈夫。回復してるし、まどか、風魔法はどうする?オレ、しようか?」

「魔力回復したから、自分でするわ。さぁ、いきましょう!」



 まどかも飛びたくって、しかたないって表情してる。

 準備を終えて、結界に跨る。今度は、オレが前!


「とおる。準備はOK?」

「バッチリ!」

「3、2、1、0、行くわよー!!」



 おぉぉ!浮き上がった!加速するぅぅ?!うぉぉぉ?!目が!目が!!


「まどか!目が痛いです!!スピードゆるめて〜」

「?!ごめんなさい!……勢いつけすぎたわ。……このぐらいでどう?」

「これなら平気〜。離陸はさっきの半分ぐらいでも、大丈夫と思う〜」

「了解。次は、気をつけるわ」

「まどか、蹴り出すよりも、こっちのほうが楽そうだね〜」

「えぇ、こっちの方が合ってるみたい!頑張って距離稼ぐわ」

「追い風も出てるから、風を感じてね〜。ハングライダー、職人さんに作ってもらえたら、オレ達、飛行機みたく飛べると思う〜」

「いいわね。パラシュートと、防護服にゴーグルも必要よ。安全第一で!準備は万全にしましょ」



「ねぇ、この調子なら、今日中に町に着きそう~」

「お風呂あると思う?」

「なかったら、行水で!」

「石鹸とか、化粧水とかあると思う?」

「……わかんないけど、昔は貴重品になってない?」

「あっても、高そうね?……原料さえあれば、作り方知っているから、出来るわ。とおるも手伝ってくれる?」

「いいよ〜。オレも石鹸ほしい!」

「あと、欲しいものある?」

「靴下!靴下欲しい!!他はね〜、ベルト!短剣差すベルトが要るよ。あと、ちっちゃい鞄……ショルダーバッグみたいな手が自由に出来て体に沿って邪魔にならない鞄が欲しい!」

「明日は、一日買い物と調査ね。とおるの欲しい物は、普通に売ってると思うわ」





「とおる、そろそろ限界」

「了解。合図したら、オレが右、まどかが左ね!」

「えぇ……止まったわ」

「今の姿勢を維持してね〜」



 徐々にスピードが落ちてくる。追い風のおかげで、距離が延びてる。回し続けるんじゃなくて、休憩しながら、回してもいいんじゃないかな〜。





「まどか!3、2、1、0、飛び降りて!」


 左手だけで、ロープを掴み、飛び降りる。ブレーキをかけて、そのまま結界と並走する。

 10m程で無理なく、止まった!結界はブレーキ効きにくいよ。



「やったよ、まどか!すっごく近づいた!」

「うーん。この感じだと、あと2回ずつは飛ばないと着かないんじゃないかしら?」

「えっ!?結構近づいたと思ったんだけどな〜」

「でも、魔力節約して、長距離飛行出来るようになったから、いいじゃない。練習と思えばいいのよ」

「そうだね〜。スキルは?」

「ばっちり!これで、ますます夢が膨らむわ。工夫できるところ、他にないか休憩がてら、打ち合わせしましょ」

「工夫できるところ、見つけた〜」

「座って、話しましょ」



「風のボールは、回し続けるんじゃなくて、休憩しながら回したらいいと思う。そのほうが1回の時間が延びると思う。今はスピードの限界があるから、持久力を高めたほうがいいよ。」

「そうね。次はそうしましょ。こうなると、腕のいい職人さんを見つけないとダメね。装備次第で、色々できそうなんだもの」

「そうだよね。いっぱい作ってもらわないと!でも、こっちの職人さんにできるかな?」

「転生した人の中に一人ぐらいは、職人の人がいるんじゃないかしら?こちらの職人さんを探しつつ、今すぐじゃなくても転生者の職人を探さない?魔法の道具に関しても、協力して欲しいわ。」

「そうだよね〜。職人は何人いても困らないんだから、いっぱい開発して欲しいな〜。特に、魔力を保管できるようにしてほしいな〜。」

「宝石とか水晶とかに保管できたらいいのに。必要なときは、取り出して使えれば一番ね」

「魔力操作は出来るようになったから、出し入れはできるよね。必要なのは入れ物だよね」

「結界だと持続性に問題があるから、やっぱり、形あるものに溜めておけるようにしないといけないわ」

「うぅーん。あの町で情報集めて、無かったら、出来るまでは、結界で実験しといたらいいと思う。結界で出来ないことを道具でしようよ」

「そうね。そうしましょ。あとは、魔法の有効活用についてアイデアを共有しておきましょう?今すぐできなくても、こうしたいとか知っていれば、実験場所探したり、色々準備できると思うの」

「魔法で試したいのが、爆発と電撃!撃退に攻撃魔法は創っとかないと!!」

「爆発に電撃……土魔法に火魔法打ち込んでマグマにして、水魔法叩きつければ、威力出ると思うんだけど。電撃は水滴撒き散らすか、霧を発生させて風魔法で拡散。そこに雷魔法打ち込めば、いいと思うんだけど。どうかしら?」

「そうだね〜。ちょっと危ないから、人の来ない実験できる場所がいるね〜。土木工事の現場作業の仕事とかないかな〜。木っ端微塵に出来そうな気がする〜。実験できて、お金もらえて、うはうはじゃん!!」

「いいわね。請け負い出来ないか調べましょ。あとは、土魔法で壁作ったり、穴作ったり。ウオーターボールをゼリーみたいにできたら、魔物を窒息させたり出来るんじゃないかしら?」

「落とし穴とか、罠も出来そうだね〜。問題は中級しか試せないってことか〜。上級×上級も実験したいな〜。やっぱり、職人さんの協力が必要不可欠だと思う〜。なんとしても探し出そうね!」

「そうよね!私達の魔法を創るには、職人さんの協力も必要よね!うふふ。今から楽しみだわ」

「オレも〜、絶対協力してもらおうね!ちゃんと話せば、わかってくれるよ。魔法にかける情熱を!!」

「そうよね。礼儀正しく協力をお願いしたら、断られないと思うわ」



絶対、絶対、協力してもらおう!!待っててね。職人さん!探しに行くから!!




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