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第四話

「着いた〜。休憩〜」

「とおる、日差しを遮るものが無いから、外套出して被ったほうがいいわ。」

「う〜い。熱中症とかになったら、大変だもんね。お医者さんっているのかな?」

「期待できないと思う。中世か戦国時代……よくて江戸時代だもの。いてもどのぐらいの治療ができるのか。魔法の治療も病気は治せるのかどうか。……町に着いたら、情報収集ね」

「了解でっす」


 リュックをおろして、外套を取り出す。暑いけど、我慢して被っとかないと。

 向かい合って、座る。


「早速なんだけど、体に違和感は無い?私はちょっと……筋肉がついてるみたいなの。基本的には変わらないけど、少し変化してる部分があるわ。とおるは?」

「ん?筋肉?……んー。いわれてみれば?あっ、リュックが見た目より軽いって思った!これって、筋肉がついたから?」

「そうだと思う。体のスペックは私と一緒よ。男と女で数値が変わるか試したけど、一緒だったから、間違いないわ」

「じゃあ、人間を選んだ人は、みんな同じってこと?」

「そう、各種族の平均で、みんな転生しているってことになるわ。体も軽く感じるし。ゲームでよくある体力不足の心配はいらないようね。次は、スキル……熟練度なんだけど、『特定の技術に対して、熟練度が一定数になれば世界からの補正を受けれるというものだ。言い換えれば、補正が受けれるほどの熟練度を得れば、スキルを得ることができる』って説明されたのに、私達、すぐにスキル創れたじゃない?何でかなって思って。とおるはどう思う?」

「オレたちが、魔法使いだからじゃないの?魔法が大好きで、魔法に理解があるでしょ?」

「私達が特殊ってこと?」

「うん!だってオレ達、魔法に関して天才だもん!それにこの世界を受け入れているでしょ?これも大きいんじゃない?」

「そっか……そうよね。なら、魔法以外のスキルは、時間がかかると思っていたほうがいいわね。」

「そんな気がする〜。魔法が早くできる分、他は余計に厳しいかも!」

「なるほど。気をつけておくわ。後は、魔力の消費がLV1で2魔力だったわ。新しいスキルもよ」

「オレ、ちっちゃい火をつけて、2魔力だったよ。LV5でMAXで使ったらどうなるか試したいんだけど、ここで試したら不味いんだ。鑑定も使ってみたんだ。あっ、鑑定は1魔力ね。ここの草、カジュン草って名前だった。それで、常夏の場所でしか育たない良質の牧草。食べさせると、肉とミルクの味が甘くなるって説明があった。LVが上がれば、説明文が増えるかも。そんな気がする。それで、ここ牧草地みたいだから、火気厳禁だと思う」

「私が風をMAXで使ってみるわ。上空に飛ばせば、きっと大丈夫よ。早速、試してみるわ」


 まどかが立ち上がる。

 腕を上に向けて、放った!おおう!オレにも反動の風が!当たった!!威力の大きいときは、周りに注意しなきゃ。



「とおる、MAXでも消費は、2魔力よ。これはちょっと、……問題かも」

「まどか〜、オレにも反動の風があたったよ〜。威力の大きい魔法は、周りに注意です!……MAXでも2魔力か、うーん」

「ごめんなさい。大丈夫?」

「大丈夫!平気!……魔力の容量設定があって、発現に必要な魔力が2。……人間って上級魔法使えるのかな?」

「大きな魔法になるほど、消費魔力が上がっていれば、容量を上げていけばってなるけど……こうなると限界がある可能性が……種族としての限界なのか、転生者のみの制限なのか」

「転生者のみ?」

「説明にあったじゃない、『刺激は、大きすぎてはいけない』って。大きすぎる力を持たさないために、体に制限がかかっている可能性があると思うの」

「これってさ、調べようと思ったら、ステータスみたいな魔法創って、魔法使ってもらって魔力消費のデータ集めないと、わからないんじゃない?」

「そうね。……調べるしかないわね。じゃあ、ステータスの魔法も創らないと」

「イメージできないから、まどか、お願いしまっす!」

「ちょっと考えておくわ。……とおるからは?」

「オレからは、属性魔法はLV4で直径70cmぐらい発現できるよ〜。あと精霊魔法なんだけど、新しい属性の精霊っていると思う?それとまどかは、魔力を感じ取れる?」

「属性魔法はLV1で直径10cmよ。新しい属性の精霊は、今いなかったとしても、これから生まれるんじゃないかしら。それが世界の成長になるんじゃないかな?うーん。なんとなくなんだけど、スキルとして沢山の人が使うようになれば、そのうち精霊魔法でも使えるようになるんじゃない?だから、新しい属性の精霊魔法が使いたければ、魔法使い達に教える必要があると思うの」

「オレも、なんとなくそんな感じがする〜」

「使いたい?」

「モチロン!!」

「じゃあ、私達で、魔法使いによる魔法使いのための、魔法開発ギルドを立ち上げない?」

「他の人のルールに縛られるより、そのほうが楽しそう!!賛成!!」

「これは、様子を見ながら、じっくりやりましょう!下準備も大切よ」

「了解でっす!」


「あとは……魔力はもうちょっと使って、体に慣れさせないと。今は自分の体の中の魔力ですら、満足に感じられないわ。要修行ね」

「オレもまだ掴めきってない。頑張る……あっそうだ。上級魔法が使えない場合の対抗策!」

「中級×中級の合体魔法か、二人で創る複合魔法、後は道具の開発かしら」

「やっぱ、そうだよね〜」

「こちらの魔法使いとの交流で、いいアイデアが出てくるかもしれないし、必要に応じて対応しましょ」

「うん!そうしよう!」

「他にはない?」

「いまんとこ無い」

「じゃあ、重力魔法と移動方法について考えましょ」

「うん?移動?」

「軽く出来ても、歩いての移動は、正直厳しいと思うの。履きなれた靴もないのに、ずっと歩き続けるなんて、無理。足を痛めかねないわ。何か移動手段が欲しいの」

「うぅん。……うぅー。……荷物を結界で覆って〜、それの重量を軽くして跨って〜、風魔法で空を飛ぶってどう?」

「……結界は大丈夫だけど……魔力が無くなったら、落っこちない?着地はどうするの?」

「高く飛ばなくてもいいじゃん。地上50cmぐらいで水平飛行できればいいじゃんか。着地は滑るしかないよ。交代で、風魔法を推進力として、ぶっ放すのがいいと思う」

「そうね。……やってみましょ。あとは重力魔法ね。今必要なのは、反重力。どう創り出すか……うーん」


「うーうぅん?……あっ、重力じゃなくて、引力って考えたら?あとは……ブラックホールとか?……闇魔法を核にしてみたら?」

「闇魔法?……引力……ブラックホール……要は重力のみを吸い込むブラックホールってことね?」

「そんな感じ!!引力のボールみたいにしてもいいかも!」

「なんとなくイメージできたわ。安全を考えたら、引力のボールがいいと思うわ。……ちょっと実験してみましょ」



 まどかがリュックから鍋を取り出した。鍋を持って少し離れる。……オレもちょっと、離れとこ。



「まず、闇魔法を核にして引力のボールを創る。その後、ボールと荷物の周りに、結界を張ってみるわ。おかしいとこある?」

「大丈夫と思う!まどか、ガンバレ!!」

「念のため、もうちょっと離れててね」

「ラジャー!」


 まどかの言葉に従い、さらに後退する。ワクワクがとまらない〜。ドキドキしてきた!




「いきます!グラヴィテイションボール!」


 おおぅ!!ちっちゃい黒い球体が出来てる!鍋の上に移動した!!


「あとは……結界!」


 やったー!出来てる!どれだけ軽くなったかな〜。まどかに走りよる。


「まどか!どう?どんな感じ?」



 まどかが結界を持ち上げて、こちらを見る。

「軽くなってるわ。結界のほうも問題ないわ。LV1ではこれが限界みたい。とおるも持ってみて」

「おおっ、軽い!浮かびはしないから、紙風船みたいな感じかな。オレ、闇魔法LV4だから、さっきのグラヴィ……えっと……グラヴィテイションボールはオレがするよ。荷物集めて結界張ったら、二人で跨げるでしょ?」

「先に、これに跨って、飛行の練習しない?いきなりは危ないわ」

「オレがする〜。かしてかして!!」

「LV4より小さい……直径30cmぐらいの塊を下に向けて打ってみたらどうかしら?空中に浮かび上がったら、進行方向と反対側に風魔法を放てば、推進力になるでしょ。後は着地ね。地面と平行になるように降りられたら、止まるまでそのままでいけるんじゃない?」

「うぅー。問題は着陸か〜。平行にならなかったら、叩きつけられたり、衝撃で落ちちゃう可能性があるよね。どうしよう?」

「とおるが言ったみたいに、高く飛ばないこと、スピードを出しすぎないこと。ロープで持つところを作ること。後は結界の形を着陸しやすいように考えるわ。これでどう?」

「じゃ、いろいろ試してみる!まずは浮かぶのにどのくらいの威力がいるのか、やってみる!」

「とおる、ロープを出して。結界の上から縛りましょ」

「ラジャ!」



 ロープをまどかと一緒に結界にくくりつける。左右を引っ張れば、姿勢を調整できるようにする。


「とおる。これでいいんじゃない?ロープを引っ張れば、左右の姿勢を調整できるし」

「うん!実験開始だ!!」


 跨って、ロープを握る。……あれ?

「まどか……手が塞がったら、魔法が……」

「とおる、足から放つのよ!」

「えっ!?足!?」

「そう!足から、足の裏から放つの!」

「おお!わかった!」


 まずは、足を地面につける。足の裏から、風魔法を……両足からだと30cmは大きいんじゃ?20cmでやってみよう!!


「飛びます!ブラァストゥ!!」


 浮いたぁ!成功!このまま足の裏を後ろに向けて


「ブラァストゥ!!」


 飛んだぁ!このまま姿勢を維持する。おおう!飛んでる!あっ、高さが落ちてきた。しっかりロープを握る。……3、2、1、地面と接触する。

 わっ、跳ねた!足ではさんでしがみつく。そのまま止まるまで、姿勢を維持する。


 ズザアアアアアァァァァァァ



「とおる!大丈夫?」

「飛べたよ!まどか!着陸のとき、ちょっと跳ねたけど、足で挟み込んで、しがみつけば大丈夫!!」

「次は、私がするわ」

「うん!オレも自分で飛ぶ練習する!」

「えっ!?自分で飛ぶ!?」

「足の裏から、放てるから、荷物持ってなかったら、自分で飛べる!」

「ふぅー。絶対に絶対に、高く飛ばないでね。約束できる?」

「できる。オレも怪我したくないもん。まどかも練習するんだよ。落ちちゃうことがあっても、飛べたら問題ないでしょ?」

「……確かに。わかったわ。自分で飛ぶ練習もするわ」

「それとね〜。両足から放っても、使用魔力は2だよ。あとは〜推進力の魔法の放ち方、いろいろやってみる〜」

「工夫次第で、長く飛べそうね。魔力が6になるまで練習して、打ち合わせしない?」

「それでいいよ。えへへ。魔法で空飛べるね!ねぇねぇ。配達屋さんのお仕事できるんじゃない?ついでにいろんな所も、行ってみようよ!」

「賛成!仕事も決まったし、あとは練習ね。念のため、片方が飛んでるときは、片方は地上にいたほうがよくない?」

「わかった!じゃ、まどか、飛んで!その後、オレ、自分で飛ぶから!」

「よし!今日中に自由自在に飛べるようになりましょう!」

「オー!」



 初日にこんだけ出来るって、やっぱオレ達、天才じゃん!!

 くふふ。かっこよく飛ぶぞぅ。どんなポーズがいいかな〜。




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