第二話
「では、これから選択してもらう。時間は30分だ。君達が成長を促してくれるのを期待している」
成長?魔法の開発と新規スキルでいいよね〜。
早速、魔法をとりますか。まずは、スキルから!
ん〜。精霊魔法と基本属性が6個。魔法は3PだからLV5にすると、105P。……足りないよ!!もう!!
……え〜、減らすのか〜。……しかたないよね。アイテムをしぼろう。
お金と旅セットとブーツでいっか。
お金は一年分で、15P。旅セットは三日分で、3P。ブーツ5P。合計23P。多いなぁ。ハアー……。
お金一ヶ月分だと5P。10Pの差が!!……よし、お金は一ヶ月分にしよう。合計は13P。
種族もさくさくっと決めますか。
まずは、人間から。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<能力把握>
名前:山本 とおる
種族:人間
性別:□男、□女
年齢:十五歳
体力 :25
魔力 :25
攻撃力:18
防御力:15
賢さ :18
素早さ:15
器用さ:18
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
次、エルフ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<能力把握>
名前:山本 とおる
種族:エルフ
性別:□男、□女
年齢:十五歳
体力 :30
魔力 :60
攻撃力:20
防御力:20
賢さ :30
素早さ:20
器用さ:30
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
魔力が60!次、ダークエルフ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<能力把握>
名前:山本 とおる
種族:ダークエルフ
性別:□男、□女
年齢:十五歳
体力 :40
魔力 :50
攻撃力:25
防御力:25
賢さ :23
素早さ:25
器用さ:20
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ダークエルフはなし。人間かエルフで。どっちにしようかな……エルフだと30Pで魔力は60。人間だと0Pで、魔力は25。
うーん。魔力をとるかスキルをとるか、悩ましい!悩ましすぎる!!
魔法使いになる……かあちゃん達に拳骨くらいながらも、魔法使いになるって、言い続けて来たんだ!!人間のままでいこう!!
男にチェックも入れてっと。
よっしゃ、あとはスキルの割り振りだ。
精霊魔法はLV1でもいいか。これで3P。
水と火はLV5で。これで30P。
風と土、光と闇はLV4で。これで48P。
アイテムの合計が13Pだから、全部で……94P。あと6Pか。一応他のスキルも見るか。
いるとしたら、鑑定?うん。鑑定をLV3で6P。これで、100Pだ!!
終わった。残り時間は、13分。
魔法使いさんを見る。……なんか虚空を見つめてる?
声がでないから、念じてみよう。
魔法使いさん、魔法使いさん。魔法ってみんなが使ってるんですか?使えない人もいますか?魔法ギルドありますか?あとは〜。
あっ、今、眉が、ピクってなった!なったでしょ!?聞こえてる?聞こえてますか?
オレ、頭のかたいおじさんとペアとかは、やめてほしいんですけど〜。一人でも大丈夫なんですけど〜。早く転生したいんですけど〜。
どうしても、ペアでってことなら、魔法大好きさんとペアにしてください。聞こえてますか〜。
『……聞こえてるから、他の人が決めるまで、おとなしく待っててくれないか?』
おおう!頭の中で声が聞こえる!ペアは?ペアは?これ大事!大事なんですけども!
『……わかったよ。まあ、そのぐらいはいいだろう。該当者がいる。だから、何も考えずに、時間まで待っていてくれ』
わっかりました!おとなしく妄想してます!
『いや、何も考えるなと……こちらに念を飛ばしてこなければいいか』
やった!ペアは魔法大好きさんとだ!
新しい属性の開発と合体魔法と複数人の複合魔法!!
夢はひろがるなぁ。ペアになる人も協力してくれるよね。
魔法の扱いに慣れてきたら、複数人の複合魔法にチャレンジしたい!!仲間を募らなきゃ!
楽しみだなぁ。魔法ギルドはあるのかなぁ。なかったら、魔法使いによる魔法使いのためだけのギルドを!!
魔物もいるんだし、お仕事はあるよね。素材の剥ぎ取り……これはどうなるんだろ。自分で?スプラッタはパス。……できなきゃ、専属でしてくれる人を探そう。出来ないことは出来る人にお願いしたらいいじゃん!
魔法の杖はないんだよな?あるんなら、アイテムにあるはずだし。
補助目的で、魔法の道具の開発もいいかも!そしたら、そしたら、魔力の少なさは補えるよね。アイテム作ってガッポリ稼げるし!
魔法の開発!あぁ〜待ちきれない!
まだかなぁ〜。
「時間だ。これより転生させる。なお、世界の成長を促してくれたものには、対価として魂を地球の輪廻転生の輪に送ることを約束しよう。よい人生を。」
はい!いってきます!ありがとう。
周りが、光に包まれていく。
かあちゃん達、オレ魔法使いになるから!
ゆっくりと目を開く。
草原だ!すっげー。
ううん?遠くに見えるの、あれ町かな?だいぶ離れてんな。歩いていくのか〜。
もうちょっと近くに転生させてくれてもいいじゃんか。
あっ、ペアの人は?横を見ると、ちょっと年上のお姉さんがいた。
「お姉さん、オレ山本とおる。とおるって呼んでよ。お姉さんの名前は?」
お姉さんが、こっちをみる。
「私は、如月まどか。私もまどかって呼んでよ。とおるも魔法が好き?」
「モチロン。オレ、魔法大好きさんとペアにしてくださいってお願いしたんだ。まどかは?」
「私も魔法使いになりたい人とペアにって頼んだの」
「じゃあ、二人で協力するってことでいい?」
「これから、よろしくね。とおる」
「よろしく〜」
「遠くに見えるあれ、町だと思うんだけど、まずはあそこを目指そうよ。その前に、各自スキルとかアイテムの確認しましょ」
「OK!終わったら声かけてよ」
「了解。始めましょ」
まずは、スキルの確認からだ。
能力把握!
そう思った瞬間、目の前に画面が現れた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<能力把握>
名前:山本 とおる
種族:人間
性別:男
年齢:十五歳
体力 :25/25
魔力 :25/25
攻撃力:18
防御力:15
賢さ :18
素早さ:15
器用さ:18
言語
ラマン語
ダマスカフ語
エルフ語
スキル
能力把握
直感 LV4
鑑定 LV3
精霊魔法 LV1
水魔法 LV5
火魔法 LV5
風魔法 LV4
土魔法 LV4
光魔法 LV4
闇魔法 LV4
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
向こうが透けてる。一年間使えるのか〜。
魔力を感じ取れるようになれば、新しいステータスのスキルつくれないかな?他の人のも見たいし。
まどかに相談してみよ。
ラマン語とダマスカフ語とエルフ語か。精霊魔法もとってるし、エルフ語ラッキー。他の二つは町に行ったら、わかるかな。とりあえず、最寄の町は言語が三つ使われていると。
次が、スキル。能力把握はLV表示がない。
……直感とってないよ?……くれたんなら、もらっとこ。
鑑定も魔法も、ちゃんとある。
次は、荷物。このリュックが三日分。持ってみる。見た目より軽い?これなら、背負って行けるね。
巾着はお金か。おお!銀貨と銅貨かな?ジャラジャラしてる。数えとこ。
うーん。銀貨3枚、半分になった銀貨3枚、銅貨30枚。これで一ヶ月か。失くさない様にリュックにいれとこう。
リュックを覗いてみる。毛布に外套?鍋に水袋?着替えの袋に小物かな。後でいいや。
ブーツに履き替えよう。
今履いてるのって、スリッパっぽいけど、草?藁?を編んでるのか?絶対歩きにくいよ。ブーツとっててよかった。
ちょっと重いけど、きつくないし、大丈夫みたい。スリッパをリュックにしまう。
身につけているのは、藍色の上から被るタイプの五部袖の上着に、濃い緑色……でいいのかな?のズボン。
うーん。確認はこれぐらいでいいよね〜。まどかは終わったかな?
「まどか。終わったよ〜。ブーツに履き替えたし、出発できるよ」
「ちょっと待って。スリッパにかかと固定できるようにしてるから」
「ブーツ取ってないの?」
「ポイント足りなかったの。とおる、武器は?」
「取ってないよ。ポイント足りなかったもん」
「……もしかして……戦闘スキル取ってないの?」
「オレ、魔法使いになりたかったんだ!魔法全部LV5で取りたかったけど、足りなくて精霊魔法がLV1、水と火がLV5、他がLV4で取った!」
「えっ!?魔法だけでほとんど使ってるじゃない。……他に取ったの教えてもらえる?」
「他にはねぇ。鑑定がLV3で、旅セットが三日分。お金は一ヶ月分に、ブーツ。以上!」
「うーん。仕方ないわね。物理的な攻撃は、私がするわ。……早く仕事見つけなきゃ。ギルドがあればいいんだけど。……なかったら、二人で立ち上げない?」
「モチロン〜。魔法使いによる、魔法使いのためだけのギルド〜」
「うふふ。そうよね。魔法使いのためだけのギルド……いいわね。ゲームでも、常に魔法使いを選んでたわ。とおるは?」
「オレも、魔法使いオンリーでっす!」
「お待たせ。できたわ。とおる、念のためこの短剣持ってて。荷物の中に、ロープがあるわ。ベルト代わりに使ってみて?」
「いいの?」
「私は、杖も持ってるから。取ったスキルは、風と土がLV5で他5つがLV1、体術と杖術がLV4、鑑定がLV3、結界がLV5。アイテムは、旅セットが三日分、お金は一年分に、木の杖、鉄の短剣よ」
「LV1で取ったの?」
「育てようと思って」
「オレも上級に育てる!」
「町に向かいながら、その辺りも含めて、計画立てましょ。丸腰は怖いから、短剣を腰に差して」
「ちょっと待って。ロープ探す」
リュックの中から荷物を出す。……あった。短いほうでいいか。荷物を詰めなおす。ロープを腰に巻いて、短剣を差す。
リュックを背負って、ぐるっと回ってみる。一面の草原。ど真ん中にいるみたい。
「まどか。準備できたよ」
「こっちもいいわ。出発しましょう」
「よし、目指すはあの町!行こう!」
「第二の人生は、魔法使いね」