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第一部 ナル


「…赤字……かな……」


店内で家計簿らしきものを見ながら呟く青年がいた。名前はジュン歳は18。店内にいるのはジュン一人だけだった。


「金がねぇ、客がこねぇ、仕事もこねぇ……」


カウンターに持たれながら天井を見て呟くジュン。


「俺の生活があああぁぁぁぁ!!!!」


ちなみに持ち金は3000円。本気で生活が出来ないほど追い込まれてるジュン。


カランカラン


客だ!!ちなみに二日振りだ!!


「いらっしゃい!!!!」


入ってきたのは40半ば程の男性だった。男性は一度店内を見渡しカウンターに座った。


「ご注文は?」


ちなみになんでも屋[AllOK]は喫茶店も兼ねているのでコーヒーを飲みに来る客も少なくない。


「あの……マスターのジュンさんに依頼をしたいんですが……」


男性は控えめに尋ねてくるがジュンはそれに笑って答える。


「俺がこの店のマスターのジュンです」




依頼内容は遺伝子操作研究をしている研究所と組織の壊滅。


「受けて頂けますか?」


ジュンは何も答えない。


「あの…」


そんなジュンを見て困った顔をしている男性に


「わかりました、その依頼確かにお受け致します。料金は前払いで200万、依頼成功後さらに200万。これでならお受けさせて頂きます。」


男性は何も言わずに頷いた。







「さて、どうしたもんかな…」


ジュンは依頼を受けた研究所の前にいる。服装はニット帽に黒のジャケット、下はジーパンの何処にでも居そうな服装をしているが、両手にしている金属の手甲と、腰の後ろにバツを描くように吊している2本の長刀がとても異様だった。


「正面突破は面倒だな、かと行って特にいい案はなしか……」


一度目をつぶって深呼吸したあと、不適な笑みを浮かべた。


「正面突破だな。」


おもむろに右手を銃のように構える


「さて、ミッションスタートだ!!」


右手が輝き、その先端から矢が放たれる。一本ではとまらず何十本と続き研究所の正面には沢山の光の矢が突き刺さっている。


そしてそれを関知したように様々なロボットが現れる。


「警備ロボット……にしちゃ物騒なモン付けてんな、おい」


人の形をしたロボット達は両手に拳銃を持ちジュンを標準にしている。


「侵入者、接近、目標、捕捉、発砲、許可、発砲、開始」


機会的な言葉を発して発砲してくるロボット


「発砲開始って、ちょいまてやああぁぁぁ!!」


焦って物影に隠れようとするが


「物影がねぇ!?」


回りにあるのは研究所のみ物影などありはしなかった。

だがロボット達はお構いなしに撃ってくる。


「ちぃっ!!」


右の刀を右手で抜き、


斬!!


ロボット一体を高速で近づき、頭を貫く。そのまま右方向に振り抜き、刀の長さに物をいわせて二体を切り壊す。


「突っ込んだら面倒だよなやっぱ」


ジュンはそういうと、右手をさっきのように構え研究所の上に向けた。


「降り注げ」


一瞬にして放たれた光の矢は上空から落下し研究所に雨のように降り注ぐ。

後に残ったのは光の矢が至る所に突き刺さっている研究所だけだった。


「ミッションコンプリート」


呟いてその場から立ち去ろうとした。



ガンっ!!


研究所の下からドアかなにかを叩いてる音が聞こえる。


ガンっ、ガンっ


音はなりやまず研究所の一部が膨れ上がっていく。


ガンっ!!!!


一際大きな音がなると研究所の一部が吹き飛んだ。

研究所の下から出てきたのは研究員らしき男が数名と


「子ども?」


まだ五歳くらいの女の子だった。

研究員らしき男は研究所を見回した後ジュンの方を睨んだ。


「貴様何者だ?」


「別にたいしたものじゃねぇ。ただの喫茶店のマスターだ。」


当たり前のように答えたジュンを見て研究員はニヤニヤと笑った。

研究員はジュンの方を見たまま言った。


「殺せ、039」


今まで黙って立っていた女の子が腕をジュンへと向ける。そして


「なっ!?」


女の子の腕が光りその姿を銃へと変えた。


「殺せ」


研究員の言葉と共に女の子は弾丸を放った。

弾丸は音速を超えジュンの心臓を撃ち抜こうと迫るが金属音と共に弾かれる。


「銃弾を…弾いただと!?」


銃弾は右手の手甲で弾かれた。


「遺伝子操作か、それとも何か別のものか…、何にしてもあの子の意志で撃ってる訳じゃねぇな。」


右手の手甲の調子を確かめながら呟いた。


《じゃなきゃあの子が泣く訳がない》


女の子は確かに芽から涙を流し震えていた。

ジュンは右手の手甲を強く握った。


「助けてやるよ。嬢ちゃん」


研究員を睨みながら放った言葉はその場に居る研究員を威嚇するには充分な殺気を放っていた。










周りにあるのは、私を閉じ込めていた研究員の体と私が閉じ込められていた研究所のなれの果てだった。


そして、目の前にいるのは助けてやると言った男の人。

その人の優しさ溢れる笑顔を見た時私は意識を失った。










なんでも屋ALLOK店内


ジュン視点


あの後、倒れた女の子を連れて店に戻ってきたが女の子は一向に目を覚まさない。


「ん………」


お、やっと眠り姫のお目覚めか。


「ここ……どこ…?」


「俺の店だよ。俺のことはわかるか?」


小さく頷く女の子を見て今までのことを簡単に説明した。多分ぼーっとこっち見てたから聞いてねぇな。


「で、これからどうするかなんだが、聞いてたか?」


首を横にフルフルとした。

なんかとてつもなく和んだ。


「パパと……いる…」


パパ?誰が?俺が?






「パパあああぁぁぁっ!?俺が!?」


女の子は俺をしっかり見て頷いた。


その後しばらく女の子との話し合いが開始された。


「わかった。ここにいるのは問題ない。せめてパパは止めて兄にしてくんねぇか?」


「やだ…パパ」


「人を指差すのはやめなさい。それとパパじゃない。」


「やだ…パパ」


こんなやりとりが30分続いた。

結局この子はここに住むことになり俺は晴れてパパとなった。

この女の子ナルとのお店経営が始まった日だった。

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