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第4話:ご主人様の第一印象

俺は今、家の自室の椅子で偉そうに足を組んで目の前に立ってる三角関数の娘共を見ていた。


三人の腕と足には枷をつけてもらい、右手には奴隷拘束をするための呪いの魔法スティグマを刻んでいた。


スティグマは確か聖痕という意味だったな。


スティグマは主に逆らったときのためのお仕置き用の呪いの魔法だと糞オヤジは言ってた。


そのスティグマを刻まれた者の主もまた同じように対になるスティグマを身体に刻むことになっている。


スティグマよりもレッテルの方が響きが良くて相応しい気がするけどな…。


それにしても、さすがは何でもありのファンタジーだな。


こんな下らない魔法を開発した輩に拍手喝采を送ってやりたいぜ。


無口系のサインは相変わらず表情一つ変えず黙って俺の顔をただ見てやがる。


現実逃避して人形ごっこでもしてるのか?


「何よ!さっさと私を抱けばいいでしょ!それがあんたがやりたいことなんでしょ!」


ツンデレ系のコサインはあざとい程に典型的なザ・ツンデレだ。


こいつ、キャラ作ってるんじゃねえのって感じだな。


「あの、私、どうすればいいのでしょうか?」


姉系のタンジェントはおろおろと今の状況に混乱してるようでいらっしゃる。


これが世に言う絶滅した天然記念物の大和撫子なのか…。


動物愛護団体に売り飛ばしたら多額の懸賞金が貰えるかもしれねえな。


さてと、まずはスティグマの威力を試させてもらおうじゃねえか。


「黙りやがれアマ」


早速、自分の手にあるスティグマを触って、コサインとタンジェントを罰するように念じてやる。


「あぐあああああっ!」


「きゃああああああっ!」


コサインとタンジェントが本当に苦しみやがったよ。


マジですげえ呪いだなおい…。


二人とも床に倒れて苦しみ悶えてるぜ。


コサインなんか涙と涎がブレンドして見てられねえ面になってやがる。


それにしてもサインは二人が苦しんでるのに何も取り乱さねえな。


ひょっとして俺を舐めてんのか?


別に反抗してねえけど態度が気にくわないということでポチっとな。


俺はサインにもスティグマを通して苦痛を与えてやることにしてやった。


「ううぅ…うぐぐぅ…」


よし、メッキが剥がれたかのように無表情から苦悶に満ちた表情になりましたよ。


普段、人形みてえな面してる奴が堪え忍ぶような顔になるのはなかなかにそそるものがあるぜ。


「ああああぅ!」


サインも他の二人のように床に転げ回って無様に悶え始めてたな…。


何だか興ざめしたな。


無口系だからどんな拷問にも堪え忍ぶかと思ったけど、そうでもなかったか…。


所詮は人間ってやつだな…。


ここんところもファンタジーでいて欲しかったぜ…。


さてと、これは飽くまでスティグマの威力の確認と第一印象で舐められないための処置だ。


苦しみから解放してやろうかねえ。


俺は自分のスティグマに解放させるように念じてやった。


呻き声が止まって、全力疾走して息切れしたかのように荒い息づかいに変わってきやがりましたよ。


汗だくになって息を吐く姿もまた乙なものだねえ。


「さてと、挨拶代わりの洗礼は如何だったかな。俺がてめえ等のご主人様になるガルム・サザーランドだ。いいか、信仰してる神よりも第一に俺の名を骨の髄まで刻み込めよ」


「あんた、奴隷市場の時は猫被ってわけね…」


「口の利き方に気を付けろ。ちなみにてめえの名前はコサインな。昔の名は溝にでも捨ててしまえや」


「コサインって、私には…」


「また罰を喰らいたいか?ああん?」


俺の恫喝に悔しげに口をつむいでいく。


これは愉快痛快だ。


俺がマジでこいつ等のご主人様であることが実感出来るというもんだぜ。


「胸のでかいてめえはサイン。髪が長い姉ちゃんはタンジェントだ。俺はてめえ等の本名や過去には一切興味ねえ。重要なのはてめえ等が役に立つ駒に仕上がるかどうかだ…」


「私達をいったいどうするのですか?」


「質問することを許した覚えはねえが、まあいいだろう。てめえ等は俺の手によって…」


俺は椅子から立ち上がってタンジェントの顎を掴んで凄んでみせる。


「殺し屋になるのさ…はははははっ!」


「そんな…」


「私達が…」


「暗殺者…」


タンジェントを突き飛ばし、三人を傲然と見下して俺は宣言する。


「てめえ等は俺の手によって血も涙もねえ立派な殺し屋にしてやるんだよ!それ以外にてめえ等の存在価値は無いと思え!分かったか!分かったのなら、分かりましたご主人様と言いやがれ!」


三人は躊躇しながらも戸惑うように口を揃えて俺に言おうとする。


さあ、宣誓しろ。


ここからがてめえ等の地獄の始まりだからよ…。


「「「分かりました、ご主人様…」」」


………。

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