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第25話:芸能人は歯が命では済まされない

嬉しい要望があり、テンションが上がって久しぶりに投稿しました。


予め注意しておきますが、不快な話ですのでクリーンな話が大好きだという方はお引き取りを…。


その手の批判は受け付けません。

俺は目の前にいるミリタリーコスプレ女を見て、舌打ちする。


この如何にも細胞の隅々まで筋肉で構成されてそうな女は俺にとって一番扱い辛い以外何者でもない。


理屈よりも感情でねじ伏せようとする奴にはセオリーが通じねえのがお約束だからな。


「何でいきなり不採用なんですか!納得出来る理由を教えてください!」


愚者が俺を見下ろすように凄んできやがったな…。


「マリア」


「畏まりました」


「あぐっ!」


俺の意志が通じたのかマリアは速効で愚者を床へと組み伏せてくれる。


たくっ、この女は頭がたけえぞ!


「てめえ、仮にも軍人だろ?上官の命令にわざわざ意見する下士官が何処の世界にいやがるんだ?ああん!」


組み伏せられている愚者の頭に俺は足を踏み降ろす。


六歳児の俺が体重かけても頭蓋骨が陥没することはねえと思って、思い切り踏んづけてやるぜ。


「ぐっ…」


俺に頭を踏みつけられながらも鋭い目つきで睨んできやがる。


まあ、どうせこいつは不採用なんだ。


お帰り願う前に少し虐めてやるか…。


「マリア、此奴を連行しろや。少しヤキをいれてやるぜ」


「ヤキ…ですか?畏まりました」


さてと、いつもの職場へと向かうとするかねえ。


………。


……。


…。


俺とマリアに連行されてるアマは地下室の階段を下りていた。


相変わらずの天然お化け屋敷と来ているな。


地獄に迷い込んだんじゃあねえのかっていうほどの亡者の呻き声が聞こえてくる場所だぜ。


最も俺にはカフェで女子高生で馬鹿話する光景よりも馴染み深いがな。


「何処へ…連れて行くのですか?」


「地獄だぜ。お嬢ちゃん…」


俺は露悪的な笑みを見せて地獄の道案内をしてやる。


………。


……。


…。


「俺はな。最近、暗殺者育成以外にもちょっとした商売を始めようかと思ってるんだ」


俺は愚者を仕事場に案内しながらも世間話を始める。


マリアには俺の後ろに影のように付き従ってもらっている。


いつ愚者が刃向かおうとも万全の状態だ。


こういうのはお気楽極楽な雰囲気作りしていく方が返って相手に不安感を抱かせることが出来るいうもんだからな。


「いきなり何の話ですか?」


俺の意図通りに愚者は僅かながら不安を抱き始めているぜ。


さてと、本番に入るとするか。


俺はポケットからある物を取りだして見せる。


「それは…人の歯?」


唖然としている愚者を見て俺は満足げに頷いてやる。


此奴の恐怖に至る流れが手に取るように感じてくるぜ。


「ご明察、そう、これは人の歯、入れ歯ってやつだ」


このファンタジーでは歯科衛生に関して知識が普及していないことに俺は気付いた。


小綺麗な貴族然とした連中も口を開けば、腹が黒い以上に歯が黒かったことに俺は笑いを堪えるのが必死だったぐらいだぜ。


「てめえの歯は綺麗なのか?歯は大切だぜ。歯は食物を咀嚼するためだけでなく、姿勢を維持するために重要なものなんだからよ」


歯が抜けて噛み合わせが悪くなった奴が姿勢が崩れていくのは健康番組で聞いたことがあった。


噛み合わせが悪くなれば、上顎と下顎が歪んでいく。


顎が歪めば、必然的に頭部が歪み、最終的には全身が歪んでしまう傾向に陥ってしまうわけだ。


身体の平衡状態を保つために必要な物だから身体が資本の武道家やスポーツ選手にとっては死活問題ってことになる。


芸能人は歯が命っていうよりもガチで歯は命ってやつだ。


「これを貴族の連中に見せたときには思ったよりも評判だったんでな。特にこの入れ歯の基になった女の話をしたら狂喜乱舞したものだったぜ」


早速愚者の顔が青くなってきてやがるぜ。


もう少し恐怖を煽ってやらねえとな。


「因みにこの入れ歯の元になったのはマリスっていう女だ。貴族の野郎にスリを働いた罪で犯罪者になった女だったけえな。死刑にするのも可哀想だから抜歯の刑で許してやったんだぜ。はははっ…マリスは俺の温情に目から涙を流して口から血を流して喜んだねえ」


本当は余りの恐怖と激痛で頭がぷっつんしてしまったんだがな…。


「何て酷いことを!貴方は悪魔です!」


俺の説明に愚者は唾を飛ばすように怒鳴り散らしてきやがった。


「ああん?貴族の財布を盗んだ奴は死刑って決まってんのに歯を抜く程度で許してやったんだ。寧ろ俺を聖人なんじゃねえのって褒め称えて欲しいぐらいだぜ」


「確かに罪には罰を与えるものです。ですが、それでも…」


「まあ、人間には感情があって理屈で納得出来ても感情はそうはいかねえってやつなんだろ?分かるぜ、その気持ちはよ」


俺は用意していたハリセンで愚者の逞しい胸をぺしぺし叩きながら如何にも気持ちは分かるぞって頷いてみせる。


「そんでもっててめえは貴族である俺に口答えしてあまつさえ手を出そうとしたよな。さて、どんな刑罰が待ってるかねえ」


「えっ?」


はははははっ、愚者の顔が青ざめてやがるぜ。


どうやら俺がこの後何を言おうとするのかを予想が付いたみてえだな。


「てめえは馬鹿だが、歯は賢そうだな。ううん?」


ハリセンで頬を撫でながら俺は嫌らしい笑みを愚者に見せてやる。


「あの…冗談ですよね?」


俺は愚者の戯言をスルーして部屋の扉を開けてみせる。


そこには俺のコレクションあるいは商売の品である入れ歯が宝石店のように飾ってある。


それだけならまだ理科室の人体模型程度だが、無数の長方形のテーブルの上には口から血を流して亡者のような喘ぎ声を出してる女が放置していた。


いわば死体安置所みてえな感じになってるわけだ。


愚者は膝を折って馬鹿みてえに口をあけて固まってやがるな。


「さてと、この部屋には実験材料しか入れねえことになってるんだ。分かるな?」


愚者は俺の言葉に反応して正気を取り戻し、即座に部屋から飛び出そうとしやがった。


「さすがは腐っても軍人ってとこか…」


そんな悪あがきをする愚者をマリアは電光石火の如く羽交い締めにして床に叩きつける。


「あぐっ!」


俺の駒には並の軍人なんか屁の河童とも言える我等がマリア様がいることを忘れてもらっちゃあ困るな。


マリアに押さえつけられて床に這い蹲る愚者を蔑むような目で見てやる。


「残念無念、はははははっ、改めて地獄へようこそ、お嬢ちゃん」


俺は宝くじで当選者おめでとうと言わんばかりに愚者を歓迎してやる。


まさにウェルカム・トゥ・ヘルってやつだ。


「ちなみにこれで人間の歯を引っこ抜くんだぜ」


俺はポケットからペンチを取りだして愚者に見せびらかす。


以前マリアが引っ捕まえたスパイはペンチで歯に触れた途端に失禁しやがったけえな。


そんでもってアンモニア臭を漂わせながら洗いざらい喋ってくれたわけだ。


商売と拷問が一挙に出来るというまさに一石二鳥ってやつだぜ。


「マリア」


「はい」


マリアは愚者の頬に手を当てて口を無理矢理こじ開けさせていく。


そんでもって俺はペンチをカチカチと音を立てながら近づいてやる。


「むがががああああああああああっ!」


愚者の魂を絞り尽くした絶叫が地下室に心地よく響きましたとさ…。

暗殺者育成っていうよりは拷問大好きになってきてしまってるな…。


ノクターン行きにならないように気を付けねば…。

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