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第22話:マリア

マリアについての評価は一言で言えば、完璧だ。


ヒップとバストの比率はまさに黄金律と言っても過言でもねえ。


顔の造形も声質も体臭も嫌みな程に一片の隙も無く、まさにオールマイティ。


闇稼業を営んでただけあってあぶねえ色香もあって、炊事洗濯掃除を完備したハイクオリティメイド。


ミス・パーフェクト、俺が勝手に付けた名だが名乗ってもいいぐらいのハイスペックヒロインだ。


まあ、唯一欠点を挙げるとしたら完璧過ぎるっていう点だがな。


完璧過ぎれば、突っ込み所が無くてリディアが言うように面白味も欠片もねえ。


それにこれは飽くまで女としての評価に留まるものだ。


マリアのむっつりとした美形面をじっくりと眺めてみる。


信用度に置いては実はサインよりも下、いや、下の下だ。


………。


『私は旦那様から貴方に従うように言い付かっております。ですから、貴方がそう望むのであれば、私はただ従うのみです』


………。


あの時マリアのことを酔狂な女だと口では言ったが、それで済ませるほどに俺はお目出度な野郎じゃあねえんだな、これが…。


“酔狂”や“気まぐれ”“何となく”なんて決まり文句ほど信じられねえ言葉はこの世にはねえぜ。


人間ってのはどんなに狂っていても不可解だろうが、何らかの理由の基づいて行動を起こしてるもんだ。


狂っていようともボケていようが、腹が減れば飯を食うし、眠たくなれば寝るし、糞だって垂れ流す。


正気を持ってる奴からすれば奇行とも言える行動も必ず何らかの意味があるはず。


一見狂気とも言える行動も視点を変えれば理由に基づく極めて合理的な行動だと評価できることもまんざらでもねえ。


殺人を犯したときに「意味は無い」「何となく」と言って如何にもイっちゃってる輩がいるが、それは全部出鱈目だ。


大抵そう言う奴は己の本心を隠したいがためのフェイクに過ぎねえっていうもんなんだ。


理性を失おうが狂っていようが理由に従って生きるのが人のサガ。


ミス・パーフェクトのマリアも人である以上、そのサガとは無縁でいられるはずがねえ。


それを見極めるまでは最後まで気を許すわけにはいかないわけだ。


「ほほう、マリアを熱い目で見つめているようだけど、それほどまでにマリアを気に入っているのかね?可愛いガルムよ」


ちっ、思考に耽る余りハンカチおやぢが俺を見てることまで気が回らなかったぜ。


「そうですね。マリアはとても美しい女性だと思います」


「ほほう、ならば気があると考えてもよいのだな?」


「言わぬが華と言うものでしょう、父上」


俺はハンカチおやぢの下世話なツッコミを華麗にスルーしてやる。


たくっ、六歳児の俺相手に二十以上になる女をぶつけてくるとはとことん女性関係にフリーダムだな、おい。


マリアが何となくだが、俺を睨むように見つめてやがるな。


「何でしょうか?マリア」


「申し訳ありません」


俺が声かけるとマリアは慇懃に一礼して顔を逸らしてきやがった。


マリアとは毎晩お約束のように裸の付き合いをやっちまってるわけだが、まさかそれ以上の関係を望んでるわけでもねえだろ。


いや、まさかマリアに限ってそんなことはありえねえと思うが、一応用心しておくに越したことはねえか。


こっちが遊びと付き合ってるつもりでも相手がマジの場合も決して少ねえわけがねえからな。


「マリア、後でお話したいことがありますが、時間は宜しいですか?」


「はい、ガルム様の要望とあれば、如何なる手を使っても時間を割いてみせます」


「おい、マリア。確か後で商談相手の接待を…」


「申し訳ありません。代わりの者を用意します」


「そうかね…」


おい、曲りなりにもハンカチおやぢはサザーランド家当主だぜ。


当主の命よりも六歳児の俺の用事を優先させるメイドがこの世に存在するとはねえ。


「ほほほっ、ガルムの恋路を邪魔するなんて虎に蹴られて死んでしまいなさいってものですよ、ディーゼル」


ちょっと待てや、脳天気ママことリディアさんよ。


恋路って、いつ俺がマリアにモーションかけたってんだ!


リディアが見た目ジャイアンママだったら容赦無くちゃぶ台返しでぶちまけてやるとこだったぜ。


まあ、この状況でマリアを誘った俺も迂闊だったのかもしれねえが、幾ら何でも飛躍し過ぎだろ。


俺はラブコメなんてする気は毛頭ねえから早めにフラグをへし折ってやらねえといけねえな。


そうと決まればマリアとは腹を割ってお見合いでもしてみるか。


「失礼します。マリア」


「はい、ガルム様」


俺はマリアを伴って食卓を後にした。


………。


……。


…。


俺は用意された椅子にふんぞり返って座って、丸テーブルに置かれたミルクを飲む。


「ガルム様…」


マリアは今晩は趣向を凝らしたのか、服を脱ぎながら見せつけるように柔軟体操し始めてきやがってきた。


まさか転生してストリップショーが再び拝める日が来るなんて突っ込み所満載にも程があるぜ。


どこまでカオスな世界観を持ってやがるんだ、この腐れファンタジーはよ。


それにしてもこれも要人を油断させてぶっ殺すために培ったテクなのか?


俺を誘うようににゆっくりと服を脱いでくる姿はまさに飲み屋のストリップダンサーそのものだ。


マリアは凝視する俺の顎に指を添えて甘い吐息を吐きかけ、俺は思わず唾を飲み込む音を喉に響かせてしまう。


無表情ながらも僅かに赤らめた顔も羞恥心を押し殺しているようでなかななにそそるものがある。


ブラを俺の頭に被せてくるマリアの姿に美女グルメになってる俺のマグナムが僅かながらも反応しやがったぜ。


俺が見た目通りの経験が浅い初な糞ガキだったら溺れること必死の艶姿だったかもしれねえな。


だが、生憎その程度じゃあ俺が求めるR指定には程遠いぜ。


アダルトショップのAVの方がまだ逝けるっていうもんだ。


超一流の暗殺者もさすがに超一流の娼婦とまではいかねえわけか。


それにしても随分と舐められたもんだぜ。


ひょっとして大人びても所詮は六歳児だと侮ってやがるんか?


けどな、俺は転生前には三度の飯より多く女を喰って腹の足しにしてたんだ。


美女グルメたる俺のマグナムはちったあ反応はしたが、波動砲をぶっ放すほど唸ったわけじゃねえぜ。


マリアは丸テーブルに座って艶めかしい美脚で俺の首を挟み込むように添えてきた。


左右を向けば、雪のように白い太股が見え、正面には黒いパンツが否応無しに映ってきやがる。


六歳児の俺の視点からはかなりの迫力ある映像だな。


俺のマグナムが僅かながらにまた反応しやがったぜ。


「飲んで下さい…」


マリアは俺の飲みさしのコップを持って飲み、俺に口を寄せてくる。


俺は黙ってマリアの口移しのミルクをゆっくりと時間かけて舌を絡ませながら飲み干していく。


美女の唾液がブレンドしたミルクを飲むのも美女グルメの特権ってやつかねえ。


ミルクを口から零してるマリアの顔は狙ってやってるのか、なかなかに卑猥なものだぜ。


さてと、それなりに楽しめたし、そろそろ…。


「マリア、てめえは一体何者なんだ?」


本題に入るとするか…。


………。

思いついたから久しぶりに投稿しました!


もうとことんフリーダムに執筆してます!


苦情はどうか勘弁してください!

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