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第12話:愛を謳う女の話よりも憎しみを謳う女の話の方が盛り上がる

久しぶりだから、さらにぐだぐだかも…。

よしっ、これでタンジェントは目出度くミス・ヘタレからアサシンへとジョブチェンジするかもしれないと思うが…。


「うああああああっ!」


一度あることは二度ある。


念のため、サインにスティグマの戒めを発動させちゃいました。


コサインの時のように水を指されなく無いからねえ。


俺はサインの悲鳴を鼻歌交じりで聞き流しながら、タンジェントの晴れ姿を見る。


タンジェントは無言でハゲマッチョの心臓の位置に見事クリーンヒットさせていった。


顔を真っ赤に塗れたタンジェントは俺の方に向いてくる。


「これで…いいのでしょうか…ガルム様…」


「はははははっ!ブラボー!」


呆気ないように見えるが、俺にとってはこの上無い処女姦通の瞬間だ!


俺は拍手喝采でミス・ヘタレ、いや、タンジェント様を迎えてやる。


「よくやった!タンジェント!てめえは偉大なる一歩を踏み出したんだ…」


「あの…私は…ガルム様の期待に応えられたのですか?」


「ああ…てめえは最高だぜ。思わず惚れてしまいそうだ…」


俺はタンジェントの頭を掴んで抱き寄せていく。


「てめえはこれから立派な殺し屋になって世界を見返してやるんだ。俺の手足となってな。光栄に思えよ…」


「はい…ガルム様…」


俺はタンジェントの胸や尻をたっぷりと撫で回してから解放し、黒子擬きに押しつける。


「タンジェント、てめえはもう休め。コサインもだ。この調子で毎日囚人共を捌いていくからな。分かったか?」


「はい…」


「は…い…」


ちっ、もうちっと盛り上がるような返事しろってんだ!


「声がちいせえぞ!分かったか!」


「「はい!」」


「よし、じっくり休めや…」


タンジェントとコサインは黒子擬きに誘導されるように牢獄から出ていく。


さとて、不要な役者共には退散を願ってもらったことだし…。


「おい、さっさと起きろや」


俺は床にだんまりと寝そべっているサインを足蹴にしてやる。


サインは感情の読めない目で俺をガンつけてきた。


「どうしますか、ガルム様」


影のように付き従うマリアが伺いを立ててくる。


俺は二本指を口に押し立ててため息をつく。


正直な話、無口系をどう扱うべきか悩み所だぜ。


これが変態オヤジの慰みものとして売り飛ばすんなら薬漬けにして淫乱女に仕立て上げるのもアリなんだがねえ…。


生憎、俺が今やってるゲームは殺し屋育成ゲーであって陵辱レイプ上等の抜きゲーなんかじゃねえんだな、これが…。


しかもこのサインは元軍人で殺し屋とはベクトルが違えど殺しのプロだったということも扱いづれえ要因だ。


つまりこいつは育てがいがねえ単なる乳でか女だという結論に達してしまうわけだな。


でか乳以外で目に見張るとこと言えば、英雄の妹であるということだが…。


ん?


「くっくっくっ…」


「ガルム様?」


そうだ、こいつは英雄の妹ということでルートに入れば、一番盛り上がること間違い無しの美味しいキャラじぇねえかよ!


ちまちました陰謀劇なんじゃなく、とびっきりの大河ドラマ的ファンタジーを造り上げる最高の素材だ!


「ひゃはははははっ!」


「ガルム様、如何されたのですか?」


「わりいわりい。さてとマリアよ。早速だけどこの女にてめえの匠の技を叩き込んでやれ」


マリアは俺の提案に僅かながらも顔をしかめてくる。


俺の唐突な命令でちったあ戸惑いがあるみてえだな…。


「理由を聞いても宜しいでしょうか?」


「理由?くっくっくっ…マリア大先生には特別に教えてやるよ」


俺は無表情のマリアにこの上なく露悪的な笑みを見せつけて答えてやる。


「世界を面白くするためさ…」


「世界を面白くするため…それが貴方の望みなのですか?」


「そうだぜ、マリア大先生よ」


勘が良いマリアなら俺の言葉の意味を理解しただろうな。


さてと、どうでる?


「それが貴方の望むであるならば、私はただ従うのみです。後、一つお願いしても宜しいでしょうか?」


ほう、協力してくれるのはありがてえが、まさかマリアから「お願い」とレアなイベントが降り掛かるとはなあ。


だったら、糞な無理難題でも無い限り聞き届けてやろうじゃねえか…。


「大先生と呼ぶのは止めてください」


「ちっ!それがお願いの内容かよ!詰まらねえ女だな…」


「申し訳有りません」


もう少し可愛いお強請りをしてくれると淡い期待をしたが、マリアのキャラからすれば高望みというやつだったか…。


まあいいさ…。


俺はもう一度サインの身体を足蹴にする。


「ほら、起きやがれ!マリアがてめえに有り難い教えを身体に刻み込んでやると言ってるんだ。泣いて感謝しろ!」


俺の足蹴に対しても微動だすることも無く、背景でも見るかような目つきで俺を見据えてきやがってくる。


このアマ、六歳児の俺の足蹴なんか屁もでねえってか。


だったら俺にも考えがあるぜ、サインちゃんよ…。


「マリア」


「はい」


マリアが顎で黒子擬きを促し、猿ぐつわを噛まされた元女騎士の囚人共を引き出してくる。


「…っ!」


「くっくっくっ…」


俺は確かに見たぜ。


無表情のサインの顔が僅かだが、歪む瞬間をな。


「此奴等はあの悪名高き魔女ガレサの妹だったけな。魔女の妹の取り巻きだった女共だ…」


俺を親の仇でも見るような目つきの女の顎を掴み、サインに見せつけてやる。


「くっ!」


サインが初めて俺を憎たらしいガキを見るような顔を表してきやがりましたよ!


いい!


その顔はいいぜ!


「これからこの魔女の卵共を使って日頃から汗流して働いてくださる看守さんに感謝の意を込めて人生の潤いをご提供してやろうと思ってるわけだが、てめえも一緒に付き合うか?」


サインはむっつり顔で俺を睨んできやがる。


この手のタイプはてめえを傷つけるよりはてめえのために傷ついてる奴等を見せつけてやる方が堪えると相場は決まってんだよ。


「さあ、どうするサイン。てめえの態度次第でコイツ等は糞ババアになるまで暑苦しい看守様の愛汁を呑ませることになるんだぜ…」


サインは俺の言葉に応えるようにゆらっと立ち上がってくる。


俺の言葉に迷い無く立ち上がるとは勇ましいねえ。


まあ、これでサインが部下思いの熱い女だということは分かった。


それだけでも大収穫というもんだぜ。


「私は貴方を絶対に許さない…」


「へっ?」


今、なんて言った?


確か俺を「絶対に許さない」と言いましたねえ…。


「ひゃはははははっ!」


これは俺にとって最高のラブコールじゃねえかよ!


「面白いねえ。てめえに許されなければどうするってんだよ?なあ、サインちゃんよ…」


「貴方を殺す…」


おい、てめえはセックス無しで俺の息子を勃起させるつもりかよ…。


マリアが殺気を出して無言でサインに歩もうとしたところを俺は制する。


「ガルム様?」


「構うことはねえよ、マリア。所詮は腐った魔女の卵だ」


俺はサインに近づいて顔を近づけて凄む。


「俺を殺す?面白しれえ。やってみろよ…」


これで俺のルートは確定したわけだ。


俺は暗殺者育成遊戯をサインルートで攻略していくことに決めた。


英雄の妹であり、主人公に殺意を抱くヒロインのルートが一番盛り上がりそうだしな。


まあ、下手するとバッドエンドにまっしぐらだが、それはそれで構わないってもんだ。


元々俺の人生はちんけな殺し屋に抹殺されたときに終わっていたはずだったんだからな。


死と隣り合わせのギャルゲーなんてリアルならではっていうもんだぜ。


「マリア、てめえの得意のダンスでサインをリードしてやりな」


「畏まりました、ガルム様」


マリアとサインが対峙していく。


さてと、まずはサインのリョナでも楽しむとするかねえ…。


………。

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