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5 ソフトなユリなら守備範囲です

「俊…ソッチの女の子は…もしかして彼女?」

明里は俊の隣のビーチチェアーに居るオレを見て、一瞬驚いた様な表情をしてそれから俊に聞いて居た。

オレは懐かしさや今の女の子になってしまった自分を、(かつ)て好きだった女の子に知られる事の恥ずかしさ等の思いが、心の中で交錯して少々困惑顔で明里を見る。

俊はそんなオレの表情を読み取ってか、言葉を濁す様にややしどろもどろに言う。

「その…ちょっとした知合いだよ、だから、その、彼女とかじゃ無いから」

「え~っそうなのぉ、でも俊が女の子と居る何て珍しいわね…本当に彼女じゃ無いのぉ、実は2人きりでプールでデートとか?」

明里は肘で俊の頭をウリウリと小突きながらからかう様に言ってくる。

「イヤ、違うよ…デートだ何て、それに2人きりじゃ無くて遊馬も居るよ、今売店に行ってるだけで」

俊が手をバタバタさせてかなり焦りながら言う。

「フゥ〜ン、へえ…そうなの…」

明里は俊の狼狽えぶりにますます疑わし気になって見ている。

ソレからクルッとオレの方を向いて笑顔で声を掛けて来た。

「私、この俊と同じ高校で同級生の由田明里と言うの、よろしくね」

「あっ、えっと、オレ…ちがう…ワタシは、た…田中真琴と言います、よ…よろしくね」

オレは咄嗟に名字を変えて少し狼狽え気味に返事をした。

「えっ…貴女、マコトさんと言うの」

明里はやや驚いて表情になり、オレの隣に来て顔を覗き込んで来た。

(しまった、名字だけで無く名前も偽名にすべきだったか)

オレは焦りながら覗き込んで来た明里と目を合わさない様にするが、冷汗がダラダラと出て来る。

「ウ~ン、顔に何となく見覚えのあるなぁと思ったんだけど…アイツ見たいな…面影が有る…?」

「えっと明里さん…ちょっと顔が近いので、少し離れてもらえますか。」

オレが言うと、明里はバツの悪そうな表情になって顔を離してくれた。

「あははゴメンね、ワタシが昔ちょっと好きだった男の子が居てね、その子に貴女が何となく似てる気がして…しかもその子もマコトと言う名前だったのよね、」

そう言ってオレの隣のビーチチェアーに明里は座る。

「あ、えっ、そう…だったのですか、デモワタシは違いますヨ、ワタシ女の子ですモノ」

好きだった発言にオレはけっこう動揺しながらも何とかしどろもどろに返す。

「そうよねぇ貴女見たいな可愛い女の子じゃ無くて、あいつは確かに男の子だったもの」

「ええッ、ソウデスネ、確かにワタシは女デス、男の子じゃ無くてネ…」

狼狽しつつ、所々声が裏返りながらオレは言う。

「それで貴女、本当に俊の彼女とかじゃ無いの?」

明里は身を乗り出しながら聞いて来た。

「ち、違います、取り敢えず今はチガいます」

オレはいささか慌てながら返すと。

「へぇ~取り敢えず今は違うと」

明里はニマニマしながら言って来る。

オレは俊にも否定してもらおうと振り向くと、俊は背中を向けて丸くなって逃避して居た。

(この野郎逃げに徹しゃがったなぁ)

明里はドコか生暖かい目でオレと俊を見て来る。

コレはどうしたモノかといささか焦って考えを巡らして居ると。

「お~い俊と真琴ぉ、飲み物と食い物買って来たぞ」

そう言って遊馬が手に袋を持って帰って来た。

「アレ明里じゃねえか、お前もココのプールに来てたのか」

「おひさー、終業式ぶり」

遊馬に向かって明里は手をヒラヒラさせる。

「ところで遊馬さぁ、どこでこんな可愛い娘ひっかけてきたの」

明里はオレを指差しながら言う。

オレは俊の様に空気を読んでオレの正体を言わないように、遊馬に向かって必死の形相で首と手を横に振るが…。

「ああ、スゴイ美少女だろう、コイツが三年前に引っ越って行った(まこと)だとは思え無ぇだろう、何でも女の子に性転換しちまったんだってよ」

遊馬は満面の笑みで言った。

「はぁ~っ?」

明里はちょっと間の抜けた声を出し。

「はうぁ…!」

俊は顔面蒼白となり。

「##%@‼」

オレは声に成らない悲鳴をあげた。

そしてオレ達四人の間に微妙な静寂が訪れた。

********************

「そう…貴女、本当にマコトくんだったのね…」

明里は困惑した様な憐れむ様な複雑な表情でオレを見る。

オレは顔を両手で覆い羞恥で身体を震わせながら、ビーチチェアーの上で小さくなって居た。

遊馬の場の空気を読まない暴露で、オレ達は一頻(ひとしき)り混乱した状態になったが、その後どう言う事かと明里に詰め寄られ、オレは俊と遊馬に話した通りの経緯を明里に話した。

「そっかぁ三年前のヘルマプロディートス流星群でね…アレからはOMG線やアマテラス線に匹敵する高エネルギーの宇宙線が観測されたって事は聞いた事があるけど、それが原因なのかなぁ…それにしてもマコトくん…イヤ今は真琴ちゃんだよね、何か物凄く可愛いく成っちゃって」

そう言って明里はマジマジとオレの全身を舐める様に見て来る。

「長くてキューティクルつやつやの黒髪、細面の輪郭にパッチリお目々の美少女で肌はピチピチ胸も小ぶりながら形の良いオッパイ、キュッと締まったお腹に安産型のお尻でスラリと延びた足…ぐう…負けてる、ワタシ女子として負けてるわ、妬ましいー」

そう言って明里は握り拳を作って悔しがる。

オレはますます恥ずかしくなって胸を両手で隠し身体を更に小さくする。

徐ろに明里はオレの座っているビーチチェアーに乗って来て、後ろから抱きついて水着の上から両手で胸を掴んで来る。

「あっイヤ、あ…明里…さん?!ダメそんな」

オレは突然の事で混乱する。

「あはは、本当にオッパイだぁ、ソレもソコソコ大きい、こんな可愛い女の子に成っちゃたんだ(まこと)は…」

明里は少し寂しそうにそう言う。

「あ…明里?」

オレはその声音に気付いて振り返ると。

「それにしても本当に可愛いわね!元男の子とは思えないわ、ワタシ興奮しそう」

何かを払拭するかの様に明里は殊更(ことさら)に大きな声を出して、オレの胸を揉みしだき、耳元に熱い息を吹き掛けて来る。

「あっ…ダメ…オレは、ソフトなユリなら守備範囲だけど、ガチなガールズラブ物はちょっと…」

オレはそう言って身悶える。

そしてビーチチェアーの上で、オレと明里が組んず解れつと戯れ合うのを、俊と遊馬は呆然と眺めていた。

「「ハア、ハア、ハア…」」

一頻(ひとしき)り戯れ合った後、ビーチチェアーの上で2人延びて居ると、明里がオレを見つめて言って来た。

「ねえワタシと友達にならない?」

「えっ…」

「ワタシと友達になったらイロイロ女の子同士で楽しい事しましょう…ソレにワタシが居ると何かと貴女を助けてあげれるわよ」

明里はちょっと意味深な笑顔を浮かべて言った。

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