2 夜空に流星雨が流れた
その夜オレはマンションのベランダで夜空を見上げて居た。
夜空では流れ星の一大ページェントが繰り広げられて居て、それはもう流星雨と言うに相応しい、数十から百以上の流れ星が常に夜空に舞って居たのだ。
(俊、遊馬、お前らもこの凄い流星雨を観て居るか、約束通りオレは観て居るぞ、離れて居てもきっと同じ夜空を観てるよなあ…)
何時も緩んでいた親友2人を想ってオレは心の中で独り語ちる。
オレと俊と遊馬の3人は幼稚園から中学校に上がる迄、何時も一緒に遊んで友達だった。
それはもう3人で色んな遊びをしたり、サッカーやバスケをしたり、それにイタズラや悪ふざけ何かイロイロしたりしした。
それから俊や遊馬の家に泊まりで遊びに行き、ゲームをやったりマンガを読み合ったりアニメを見てそれに付いて喋り合ったりもした…オレ達3人は常にセットだった。
だけど中学1年の三学期に、家族の都合でオレは遠くに転校しなければいけなくなった…。
引っ越しの日、二人はオレに会いに来てくれた。
オレ達三人は寂しさと離れ難い思いで何も喋れず、ただ見つめ合うだけだった。
父親が車のクラクションを軽く鳴らし出発の時を知らせて来る。
オレが車の後部座席に乗り込もうとすると。
「ら…来月に最近発見された流星雨が有るんだってさ、ボクは…ボク達は絶対その日の夜に流星雨を観るから、お前もその日の夜に流星雨を観ろよな、ボク達3人で離れて居ても同じ流星雨を観ようよな!」
俊が後から声を掛けて来た。
「うん、わかった、オレも絶対その日に流星雨を観るよ、3人で同じ流星雨を観ようよな!」
オレか振り返りそう言うと、俊は泣くのを堪らえる様なクシャクシャの笑顔で頷き、遊馬も下唇を噛みながら手を振って居た。
オレは両目から溢れる物を見られ無い様に直ぐに後部座席に滑り込んだ。
車は程なく出発して、俊と遊馬は最初後を追おうと走り出すが、車のスピードに直ぐ置いて行かれる。
小さくなって行く二人をオレは後部座席の窓にへばり付いて見て居た。
それから一月後…引っ越し先のマンションのベランダでオレは流星雨を観て居る。
オレは流星雨を観ながらオレ達3人の色んな思い出が胸に去来して来た。
そう云えばオレ達3人の間では女子達の事が色々と話題になって居た事を思い出す。
オレ達は良くあの子が可愛いだのオッパイが大きいだの言い合って盛り上がったりしてた。
遊馬は大胆と云うか単なるバカで、女子にちょかいを掛けたりスカートめくりをしたりして女子の顰蹙を買ったりして居た。
俊はその点紳士と云うか…つまり恥ずかしがりやで、バカをやる遊馬を諌めて居た。
オレは所謂ムッツリで興味無いフリをしていてもガッツリ女子達の事は観察して居た。
オレ達3人は小学校の高学年辺りから女子達が気になり出して、何だかモヤモヤしたりムズムズしたりして…そして初めて勃起を覚えたのもその頃だった。
中学に入ってからはSEXの意味をエロ本等で知り自慰も覚えて、兎に角そう云う事にオレ達三人は興味深々だったなぁ。
そんなだからか三人で好奇心から“秘密基地”でチン“ピーッ”の見せ合いっこをしてケータイで写真なんかも撮ったりしたなぁ…。
そんな黒歴史の様な事をつらつらと思い出して苦笑を浮かべつつ流星雨を観て居ると、何だか急に頭がクラクラしだして来た。
(アレ…なんだ、何だか全身が暑いぞ…)
そう思った時、オレはフッと意識が途切れてベランダで気を失って倒れた。
オレは直ぐ病院に運ばれたが意識は戻らず、集中治療室でオレの身体に前代未聞の事が起こったらしい。
それからオレは病院で3か月近く意識不明だったらしく、意識が戻って目が覚めた時…オレの性別は女の子に成って居た。
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と…まぁ、オレは三年前に自身に起きた事を俊と遊馬に話し終える。
「えっどういう事だ、何でそんな事に成るんだ訳分かんねぇよ!」
遊馬が前のめり気味になって困惑顔で叫ぶ。
「真お前大丈夫なのかよ!そんな突然に女になったりしてよ、もう男には戻れ無いのかよ」
俊もやや前のめりになりながら心配そうに聞いて来る。
「あゝ…うん、大丈夫だよ、性別が変わった以外は全然健康だから…それから元に戻れるかは、お医者さんもどういうメカニズムで性転換が起こったのか解らないので元に戻し様が無いそう何んだよ」
オレが気にした風も無く平然と笑顔でそう言うと。
俊と遊馬の2人は毒気を抜かれた様な、やや呆れた表情になる。
「それに性転換をしたのは、オレだけじゃ無い見たいなんだ、何でも世界中であの夜流星雨を観た十代の男子二百人程が、性転換をしたと云う情報が有るそうなんだ」
オレがそう言うと。
「何だって!あの日の流星雨ってボクらも観てるじゃんよ」
遊馬が慌てた様に言い出て2人は自分の胸や股間を確かめ出す。
「あーそれは多分大丈夫だよ、流星雨を観てその日に意識を失った奴が性転換するらしくって、後から性転換したと云う報告は無いそうだよ」
オレが2人を宥める様に言うと、2人は安心した様に肩を落として畳に両手を付く。
「だけどあの流星雨の後でそんな事が起きていた何んて聞いた事無いよ」
俊が思案顔で言うと。
「それは物凄くセンシティブな個人情報だから、表に出ない様に病院や役所が色々取り計らってくれたんだよ、尤もSNSやネットにはウワサ程度で流れていた見たいだけどね」
オレがそう言うと。
「あの…それで真は…その突然女の子に成って大丈夫なのか?何というかショックを受けたり悩んだり…」
俊が言い難そうに聞いて来たので。
「ああ〜まぁ、オレも目覚めて性別が変わったと知った当初は物凄く混乱したり悩んだりもしたなぁー、なんたって目覚めて直ぐに生理が始まった時はオレはもう死ぬんだと思ったもんなぁ」
オレは苦笑気味にそう言うと。
「「せ…生理って…真は生理が来るんだ?!」」
俊と遊馬の2人が同時に驚いて顔を見合わせながら言う。
それから2人はオレの下腹辺りに視線を寄せて来た。
「いやん…♡」
オレはワザとらしく下腹辺りを隠す様にして言うと。
2人は慌てた様に目線をあさっての方に逸らすが、チラチラと隠す様にまたオレの腰回りに視線を戻して来る。
(オレはもう三年間ほど女子をやって分かった事の一つに、胸や股間周りに寄せて来る男子の視線は、どんなに誤魔化しても気付くと云う事何だよなぁ…)
オレは嘆息気味に思う。
(しかしオレの計画の為に、2人にはオレの事を異性として意識してもらわないと…ココはもう一押するか…)
オレはそう思って少し大胆な行動に出る事にした。
「そうだよ、オレは正真正銘の生理もある本当の女の子に成ったんだよ」
オレはそう言って揃えていた足を大きく上げて組み、更にスカートを少したくし上げて膝を露出させてそれから胸を張ってバストを強調する様な姿勢を取った。
そしてオレとしてもやや勇気の要るセリフを言う。
「だからお前等のDTを卒業させる事も出来るんだぜオレは…」
更にオレは少しシナを作る様にして2人を見る。
俊と遊馬は顔を紅くして面食らった様に姿勢を仰け反らして固まってしまった。
(アレ…しまったな、積極的なアプローチはまだ時期尚早だったかな)
固まった2人を見てオレは少し焦って思った。
それから暫く俊と遊馬の2人はオレから視線を外し身動ぎ一つしなくなる。
(ちょっと押しすぎたかなぁ、コレだから非モテDT男子はよぉ…2人とも固まっちまったよ、どうしょう)
オレは心の中でいささか焦りながら思いを巡らしていると、暫くして俊が再起動した。
「ゴホン、あーそれで…ま…真は何故またこの町に居るんだ?」
俊は少し気不味くなった空気を払おうとする様に話題を変えて来た。
オレはコレ幸いと俊の問いに答える
「ああ…うん、実はオレが性転換してからずっと診てくれてたお医者が今度ヨーロッパの方の学界に呼ばれて行くんだ、それでオレも引っ越す事になって…それでその前にまたお前等と思い切り遊びたいなと思ったンだよ」
オレが少し寂しそうに言うと。
「えっまたお前は何処かに引っ越すのか」
遊馬が残念そうに言う。
「そうか…それで何時までコッチに居るんだ、居る間は何時でもボク等は真と付き合うよ」
俊も心残りそうに聞いて来る。
オレはベッドから降りて性転換してから出来る様になった女の子座りに両手を両膝の間に挟む様にして、やや俯き加減になりその上で上目遣いに2人を見る。
(我ながらあざとい姿態だぜ)と心の中でオレは思う。
「うん…この街に住んでる姉の家に今オレは置いてもらって居るんだ、だから夏休み中イッパイこっちでお前等とい~っぱい遊びたいと思ってたんだけど…こんな風に女子になったオレとじゃあダメかなぁ」
やや寂し気に笑って言うと。
俊と遊馬の背景にズギューンと云う効果音が走った幻視が見えた。
「そんな事無い!夏休み中ワイ等と遊び倒そうぜ」
遊馬は声を張り上げて言い。
「ボクも真と遊びたいよ」
俊もやや興奮した様に言った。
(ウ~ン、DT男子はチョロイなあ…)と思いながらオレは心の中でほくそ笑む。




