#1 クリスマス編
「え?HYEIさん、今、何て?」
「は?だから、俺、今33!」
「え?え?確か……。」
え?何かの間違い?
公式では32歳な筈……。
「だから、1歳間違えてるってことだよ。」
「???……サバ読み?」
「お前なぁ〜。俺アイドルじゃねーんだよ?
サバ読んで何得?俺が1歳間違えてプロフィール出したんだよ。
で、そのままになってんの、分かる?」
「え?それいいんですか?直しましょう!!」
「うるせーな……。」
「……!!!」
突然、唇で口を塞がれた。
「ちょ、ちょ、ちょっと!!突然なにするんですか!!」
「お前な〜。俺達付き合ってるんだし、別に普通だろ?」
「普通なんですか……。
そりゃ、HYEIさんにとっては……その……普通でもですね……
私は……その……。」
心臓の鼓動が自分には大きく聞こえて、HYEIさんにも聞こえてたら恥ずかしいとか思ったりして……。
「お前少しは慣れろよ。それとも俺はまだお前の推しなの?」
いたずらっぽく揶揄う。
「お、推しじゃありません!!
その……あの……
好きですが……。」
フワッと抱きしめられた。そして、
「ホントバカだなお前……。」
って、……彼は笑ったのかな。
顔は見えないけど。
「あ、そうだ。クリスマス……ライブ頑張ってくださいね。これ……。」
クリスマスプレゼントを渡す。中身?そりゃ物を渡したいけどさ、ファンに申し訳ないじゃない?だから……。
「なにこれ?手作り?」
「そう。初めて作ったから……。」
「めちゃうめ―じゃん!」
クッキーを美味しそうに食べてくれた。
そして……。
「俺からはこれ……。」
ポケットから箱?
「来年、結婚しよう。」
箱を開けて、彼は私の薬指に“リング”を嵌めた。
~完~




