第二十一話:堕ちた最強への嘲笑
1. 堕ちたソロプレイヤー
アヤは、『きらきら☆乙女連盟』の指導を再開した後も、レイジに敗北したペナルティにより、初期装備のまま活動していた。かつて誰もが畏敬した黒い重装甲のアバターは、今や、みすぼらしい灰色の布と、最低限の金属板で覆われた姿になっていた。
最強のソロプレイヤーの地位から転落し、さらに憎むべき集団の指導者になったという事実は、すぐにプレイヤー間で広まった。
そして、陰湿な嫌がらせが始まった。
2. 一般プレイヤーからの嘲笑と妨害
アヤが『きらきら☆乙女連盟』のメンバーとフィールドで訓練をしていると、通りすがりの一般プレイヤーたちが集団で立ち止まり、嘲笑の視線を浴びせてくるようになった。
「おい、あれを見ろよ。『黒の女王』アヤだぜ? 初期装備で、あの初心者ギルドを指導しているのか」
「笑えるな。最強の座から落ちただけじゃなく、子供のベビーシッターに成り下がったか」
彼らは、アヤが聞こえるように、わざと大きな声で嘲笑した。アヤは、その嘲笑を無視して訓練を続けようとしたが、精神的なダメージは大きかった。
さらに、陰湿な妨害もエスカレートした。
モンスターの横取り: アヤがユノたちにモンスターの倒し方を指導している最中、他のプレイヤーが終盤でスキルを発動し、経験値とドロップアイテムを横取りしていく。 「すまんな、アヤ。お前の指導は遅すぎて、狩るのが間に合わなかったぜ! 遅延は、非効率だろ?」と、レイジの効率至上主義を皮肉る言葉を投げつける。
屈辱的なアイテムの投擲: アヤの足元に、性能の低い回復ポーションや、価値のないガラクタアイテムを投げつけるプレイヤーがいた。 「アヤさん、これ使いなよ。初期装備じゃすぐHP減るだろ? 施しだ」と、かつての最強に同情(という名の侮辱)を示す。
3. 屈辱を耐えるアヤと少女たち
アヤは、これらの陰湿な嫌がらせに対し、一切反応しなかった。彼女の目的は、レイジへの復讐のための『きらきら☆乙女連盟』の強化であり、ここで感情的に暴走することは、最も非効率な行為だった。
(くそっ……この初期装備の姿が、私をどれだけ侮辱にさらすのだ。レイジ。貴様は、私をこの屈辱的な状況に追い込んだことを後悔させてやる)
ユノたちも、当初は怒り、嫌がらせをするプレイヤーに詰め寄ろうとした。
しかし、アヤは彼女たちを制した。
「ユノ、リサ、アリス。貴様らの怒りは、ここで消費するな。彼らの嘲笑は、貴様らの集中力を乱すノイズでしかない。この屈辱は、全て、貴様らがレイジに復讐する際の燃料に変換しろ」
アヤの言葉は、少女たちへの指導でありながら、自分自身への言い聞かせでもあった。彼女は、他者の嘲笑と自身の屈辱を、復讐のためのエネルギーに変えるという、極限の精神制御を行っていた。
4. 復讐の炎と絆
陰湿な嫌がらせと嘲笑が続く中、『きらきら☆乙女連盟』の三人は、さらに結束を強めた。
「レイジさんが私たちにしたこと、アヤ先生にしたこと。そして、この人たちの嘲笑。全部忘れないわ」ユノは静かに誓った。
アリスが言った。「私たちの絆と、アヤ指導者の技術があれば、この嘲笑の全てを、いつか彼らに返せる。私たちは、レイジさんが計算できなかった非効率な力で、この屈辱を終わらせる」
アヤは、屈辱に耐えながら指導を続けた。彼女の技術は、嫌がらせによる妨害の中で、さらに精密さを増し、少女たちの成長速度は異常なレベルに達しつつあった。
アヤと少女たちの共闘は、屈辱を燃料とする、冷徹な復讐計画として進行していた。
アヤの視点
レイジに敗北した罰は、隷属契約の破棄だけでは終わらなかった。最強の座から堕ちた私への、プレイヤー全体の嘲笑と侮辱。
彼らは、私が最も嫌う効率の低下と無力さを突きつけてくる。彼らの言葉は、私の精神を毎日、少しずつ削り取っていく。
だが、私はもはや、感情に支配されたソロプレイヤーではない。
私は、この嘲笑を、ユノたちの復讐の燃料に変換することを命じた。そして、私自身も、彼らの嫌がらせの中で、極限の集中力と忍耐を磨いている。彼らがどれだけ妨害しても、私の指導は寸分の狂いもなく行われる。
この屈辱の日々が続くほど、レイジへの復讐の炎は強くなる。
レイジ。貴様が私を追い込んだこの地獄から生み出された力は、貴様が最も計算できなかった「感情」と「技術」の融合だ。楽しみにしているがいい。




