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エターナル・アース  作者: 沼口ちるの


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第十九話:屈辱の再利用、乙女連盟の戦略

1. 新たな脅威と対策会議

『きらきら☆乙女連盟』を再結成したユノ、アリス、リサの三人は、レイジの新たな戦略、すなわち「感情データの収集」に対抗するための会議を開いた。


「レイジさんの新しい効率計算を破るには、私たち三人の絆だけじゃ足りないわ」アリスが分析した。「私たちの戦闘力はまだレイジさんに遠く及ばない。彼が感情を操ろうとするなら、私たちは彼が計算できない力が必要よ」


ユノが頷いた。「その力は、アヤ先生だわ。アヤ先生の技術と知識があれば、レイジさんの新しい動きを分析できる」


リサは反対した。「でも、アヤ先生は全てを失った。それに、私たちが先生にあんなひどいことをしたのに、どうやって協力してもらうの?」


ユノは、冷酷な決意を込めて言った。「アヤ先生を動かす方法は一つ。レイジさんが彼女を道具として利用したように、私たちもアヤ先生のプライドを、私たちの目的のために利用するしかない」


三人の少女たちは、レイジにバラバラにされ、アヤを精神的に追い詰めた経験から、感情を単なる「ノイズ」ではなく、「戦略的な武器」として利用することを学び始めていた。


2. リスポーン地点での再会

三人は、レベルと装備を失い、初期装備で静かに活動を再開しているアヤを、リスポーン地点の近くで待ち伏せた。


アヤは、粗末な初期装備のまま、孤独にモンスターを狩っていた。彼女の目には、以前のような燃えるような憎悪はなく、ただ冷徹な再起への執念だけが宿っていた。


ユノが、アヤの前に進み出た。


「アヤ先生」ユノは、あえて「先生」という呼称を使った。「私たち、『きらきら☆乙女連盟』は再結成しました。私たちは、もうレイジさんのノイズではありません。彼の新しい計算を破るために、あなたに指導者として戻ってきてほしい」


アヤは、彼女たちを一瞥し、冷たく嘲笑した。


「馬鹿げている。私は貴様らによって精神的に破壊され、レイジによって全てを失った。貴様らは、私を再び侮辱するために来たのか?」


アリスが、アヤの最も触れられたくない部分を突いた。


「違います、アヤさん。侮辱ではなく、あなたのプライドを呼び覚ますためです」


3. 最強の屈辱と新たな契約

アリスは、アヤの顔を覗き込むようにして、静かに言い放った。


「レイジは今、派手な金髪のナンパ師になり、私たちの感情を『可愛いデータ』として集めています。彼は、あなたの孤独な最強の道を否定し、あなたの敗北を『効率的な排除』と称して、次の目標に向かっている」


リサが続いた。「彼にとって、あなたを打ち破ったのは、もはや過去のデータでしかない。あなたは、彼の計算にとって、取るに足らない存在になったんです」


アヤの全身が、微かに震えた。彼女にとって、レイジに「取るに足らない存在」と見なされることは、隷属契約以上の屈辱だった。


ユノは、最後の言葉を投げかけた。


「私たちを指導してください。そして、レイジさんが私たちに触れるとき、あなたの指導によって強化された私たちが、レイジさんの計算を、彼の目の前で再び破綻させる。それは、レイジさんがあなたの敗北を無意味なデータとして処理したことへの、最高の復讐になるでしょう」


アヤは、三人の少女たちの顔を、一人ひとり見つめた。彼女たちの目には、かつての甘えも、屈辱的な優越感もなかった。あるのは、レイジへの憎悪と、アヤの力を利用しようという、冷徹な戦略だけだった。


「ふざけるな……。私を再び、貴様らの非効率な感情の道具にする気か」アヤはうめいた。


「ええ、そうです」ユノは正直に答えた。「私たちは、あなたの力を利用します。しかし、あなたが指導してくれるなら、私たちの目標達成は早くなる。そして、あなたがレイジに最高の屈辱を与える機会も、より早く訪れる。これは、相互の利益に基づいた、最も効率的な復讐契約です」


アヤは、その言葉を聞いて、力なく笑った。彼女の目には、再び、憎悪の炎が灯り始めていた。


「よかろう……。私の屈辱を、貴様らの手で利用するというのか。ならば、その非効率な集団が、どれほど私の効率的な技術に適応できるか、試してやろう」


アヤは、復讐のために、再び『きらきら☆乙女連盟』の指導者となることを受け入れた。

アヤの視点

私が最も嫌悪する集団と、私を追い詰めた感情。私は、その両方に再び足を踏み入れた。


しかし、今回は前回とは違う。ユノたちは、もはやただのノイズではない。彼女たちは、レイジの破壊と、私の屈辱を経験したことで、感情を制御し、戦略的な武器として利用することを覚えた。


彼女たちは、私のプライドを逆手に取り、私を「レイジへの復讐」という餌で釣り上げた。これは、彼女たちの非効率な集団からは考えられない、極めて効率的な判断だ。


レイジは、私を打ち負かし、私の敗北を「過去のデータ」として切り捨てた。そして今、彼は、私が育てたはずの「感情を持つ集団」によって、再び計算を破られることになる。


この指導は、私の精神をさらに摩耗させるかもしれない。だが、私の目的はただ一つ。レイジの新しい効率計算を、彼が最も軽視した私の復讐によって、完全に粉砕することだ。


ユノたちよ。貴様らの集団の力で、私の屈辱を晴らして見せろ。それが、貴様らの指導に値する、唯一の報酬だ。

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