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エターナル・アース  作者: 沼口ちるの


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第十話:奴隷教師の屈辱と、きらきら乙女連盟の「指導」

1. 屈辱的な再会

レイジ(伊達ソウジ)に隷属の契約を強いられたアヤは、その屈辱的な命令に従い、『きらきら☆乙女連盟』の少女たちが集まるステラリス郊外の訓練場に姿を現した。彼女の全身を覆う黒いプレートアーマーは変わらないが、その内側で燃えるのは、レイジに対する激しい憎悪と、彼女自身に対する怒りだった。


訓練場には、ユノ、アリス、リサを含む五人の少女たちが、不安げな表情で立っていた。


「アヤさん……本当に来てくれたんですね」ユノが遠慮がちに声をかけた。


アヤは、彼女たちを一瞥し、冷たく言い放った。


「来たのではない。来させられたのだ。貴様らの指導など、私にとって、ただの時間の浪費だ」


「それでも、私たちに指導してくれるのは、レイジさんの命令だからですよね?」アリスは、アヤの目の奥の屈辱を見抜くように問いかけた。


アヤは何も答えなかった。隷属契約が、彼女にレイジの命令を打ち破ることを許さない。


「貴様らは、まず私のことを『先生』と呼ぶな。私は貴様らに教える義務はない。レイジの命令は、『邪魔にならないレベルまで戦闘力を向上させろ』だ。その目的のために、貴様らに最も効率的な戦闘プロセスを植え付ける」


2. 「先生」への仕返し

アヤは指導を開始した。その内容は、苛烈の一言だった。レイジと同じく一切の無駄を許さず、少女たちの甘えや感情論を徹底的に叩き潰す。


しかし、少女たちもまた、アヤがレイジに支配されていることを知っていた。彼女たちは、前話でアヤに圧倒的に敗北させられ、さらにレイジに冷たく突き放された屈辱を抱えていた。彼女たちの心の中には、「最強のソロ」に対する複雑な感情が渦巻いていた。


昼食休憩の時間、ユノはアヤに、丁寧に包まれたサンドイッチを差し出した。


「アヤさん、お疲れ様です。よかったら、これ……」


アヤは、それを冷たい視線で一蹴した。


「不要だ。私は貴様らと馴れ合うつもりはない」


しかし、ユノは引き下がらない。


「でも、レイジ先生はいつも、ユノが作った回復ポーションも、アリスが採った素材も、全部いらないって言いました。アヤ先生も、レイジ先生と同じことをするんですね」


「……同じではない。貴様らの無駄な情が、私の効率を乱す」


ユノは、悲しそうな顔で、サンドイッチをアヤの目の前に置いて言った。


「そうですよね……。でも、指導で疲れたら、食べてください。これも、私たちの『先生』に対する、ささやかな奉仕ですから」


その「先生」という言葉の裏には、「レイジと同じ道を歩む者への皮肉」が込められていた。アヤは怒りに震えたが、隷属契約が彼女を動けなくする。


さらに、午後の訓練中。アリスは、アヤに指示された通りに回復魔法の詠唱を完璧に行った後、わざとアヤの足元に泥を跳ねさせた。


「あ、ごめんなさい、アヤ先生! うまく足場が見えなくて! 先生の黒い鎧、汚れちゃいましたね」


アヤは、怒りのあまりブラックオニキスを握りしめたが、少女たちに手を上げることはできない。契約により、レイジの目的である「彼女たちの戦闘力向上」を妨げる行動は禁じられているからだ。


さらに、リサが遠距離からの牽制訓練と称して、アヤの頭すれすれを矢で掠めさせた。


「わっ! 先生、ごめんなさい! ターゲットが先生の頭と被っちゃいました! 先生の動きが速すぎて、照準が定まらないんですよ!」


少女たちの行動は、訓練の名を借りたささやかな仕返しであり、アヤの尊厳を踏みにじる行為だった。彼女たちは、レイジに利用され、アヤに圧倒された屈辱を、隷属契約で縛られたアヤに「先生」という立場でぶつけ返していた。


3. 隷属の枷

その日の訓練が終わり、アヤは一人、人気のない場所で地面に拳を叩きつけた。


「レイジ……! 貴様は私に、私の最も嫌う馴れ合いと、弱者による精神的侮辱という、二重の屈辱を与えている!」


彼女は、レイジに縛られている契約の鎖を感じていた。最強のソロプレイヤーとして、誰よりも孤高を誇っていた自分が、今や、自分が最も軽蔑していた集団に、精神的にいじめられている。


彼女は、この屈辱をどうにか乗り越えなければならない。このままでは、彼女の精神が、レイジによって完全に破壊されてしまう。


(レイジ……貴様が私の利用価値を認めている限り、私は生き延びる。この屈辱は、全て貴様を打ち破るためのデータに書き換えてやる)


アヤは、憎しみを力に変え、立ち上がった。彼女の隷属の枷は、まだ外れていない。

アヤの視点

屈辱だ。私のキャリアの中で、これほどの屈辱を受けたことはない。


レイジは、私を物理的にではなく、精神的に破壊しようとしている。私が最も嫌う「馴れ合い」を強要し、私が最も軽蔑する「弱者」たちに、訓練という名の侮辱行為を許している。あの少女たちの行動は、全て私の屈服を知った上での、弱者による卑劣な仕返しだ。


ユノのサンドイッチ、アリスの泥、リサの矢。全てが、私の孤高のプライドを削るための、ナイフのように突き刺さる。


だが、私はこのままでは終わらない。レイジが私の力を必要とし、私を「道具」として利用する限り、私は生き残る。


この屈辱は、全てデータに書き換える。あの少女たちの精神的脆弱性。そして、私にこの枷をはめたレイジの致命的な弱点。


私は、必ずこの契約を打ち破り、レイジを私と同じ、あるいはそれ以上の屈辱に叩き落としてやる。この地獄のような日々は、そのための準備期間だ。

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