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ぺろぺろぺろり

僕は空のペットボトルに海水を入れる。


残暑の砂浜には人はまばらだ。


まぁ、夕方だからかな。


僕はキャップを閉めて軽く振ると、きゃっ、と声がきこえる。


もう少しふると、海水の中に美少女が浮かんだ。


ほんまのぶこさんだ。


16歳。同級生だ。同じクラスだ。


彼女は綺麗な水着を着ている。


色は黄色だ。


満足して僕はペットボトルを鞄に入れて家路に向かった。


階段を上がって国道にでると、振り返ってみた。


夕陽がきれいだったが。のぶこさんの方がきれいだと思ったので、ペットボトルを出して、キャップをあけて、少しだけ手のひらに海水を垂らしてペロペロしてみた。


海水の味だ。


生命の味だと思った。


国道で横断ほどの信号が変わるのを待っていると、電柱にものぶこさんの顔があった。


僕は嬉しくなった。


今や彼女を好きな時に持ち帰れるのだ。


水よ、海へ至ってくれてありがとう。


雨よ、地面を浸して流して川になり、ありがとう。


そうだ、確か図書館の本には雨は大地を孕ませる精子だという信仰があったと書いてあった。


彼女は次は母親になるのだ。


では、と僕は意気揚々と横断ほどを渡りはじめ、次は彼女の子供を発見しなくては、と今晩からの大仕事にわくわくした。高なった胸とかわいた喉で、変なしゃっくりがでた。


僕は空をみて、夕立が降らないかな、期待したが結局、家に着くまでは晴れたままだった。


そして、突然の雷雨は未明に到来した。


窓の外から、水と一緒に彼女がやってきてくれた。


「うれしいよ」



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