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【完結】立場を弁えぬモブ令嬢Aは、ヒロインをぶっ潰し、ついでに恋も叶えちゃいます!  作者: MEIKO
第9章・秘密の友達

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63・久しぶりの皇居

 ある日、お仕事中のお父様の元に意外な方が訪れる。それに驚いたお父様…いつもは自分の方が伺う立場で、それがまさか自らおいでになるとは!と、びっくり仰天だったそう。そのお方とは…皇帝陛下だ。そして驚き過ぎてポカンとしているお父様に向かって、「アリシアに会いたい!」と叫ばれたそうで…


 ──えっ…ミッション終わってますよね?


 皇帝陛下から私が賜ったミッションは、失敗のまま終了した。失敗…っていうか、本人が自爆しちゃったんだけどね?だからもう陛下の元に行くことはないと思ってたんだけど…思いのほか私を、気に入ってくださっていたみたい!それで約四カ月ぶりに今日は皇居へとレッツゴー!


 「お嬢様、久しぶりにお菓…いえ、久しぶりに皇帝陛下とお会い出来ますね?陛下からお嬢様に会いたいと…何だかそのお気持ち、ロッテは分かるような気がします」


 そう言ってロッテは、目を閉じて胸にそっと手をおく。今…お菓子って言おうとしてなかった?誤魔化していたけど、バレバレなんですけど?とは思うが、確かに皇居で出されるお菓子は美味しい!今日は何かしら?


 なんて考えている間に、いつもの巨大な城門のところに差し掛かる。もうすっかりと顔馴染みになっていた門兵さんが「お嬢様!お久しぶりです」と笑顔で声を掛けてくれて、私ってば皇居で人気者なのかしら?と満更でもない。それから皇居の正面に着くと…


 「アリシア様!ご無沙汰しております。お元気でらっしゃいましたか?」


 またまたお出迎えしてくれたジャックマンが、そう声を掛けてくれる。四カ月…といえば長いとは思うけど、まるで旧友に会ったかのようなその反応にちょっと面食らって…


 「ジャックマンもお元気そうですね?良かったわ!」


 こちらも笑顔でそう返して、かつて知ったる皇居の中を歩き出す。そして例の薔薇園の前にさしかかると…


 「そういえばあと少しで二年生におなりですね!もう春めいて来ましたし、そろそろ春咲の薔薇も咲きそうです。是非その時には、御祝いにこちらの薔薇をお贈り致します」


 そう言ってジャックマンは、ニコッと笑う。それに私は驚いて…


 「ええっ、こちらの薔薇をですか?そんな恐れ多いです!それに皇后様の薔薇を切ってしまうなど…」


 「いえいえ、大丈夫ですよ?皇居内に飾ることもありますので。アリシア様はどのお色が好きでしょうか?快活なイメージですから…オレンジ?それとも黄色でも」


 そう言って考え込むジャックマン。薔薇なら何色でも好きだけど…と迷った挙句、せっかくだからジャックマンが選んでくれたものにしようと決める。


 「ジャックマンが選んでくれる?一番好きな色にしてちょうだい!」


 それにジャックマンは少し驚いたようだったけど、うーんと暫し考えて…


 「では真っ赤な薔薇を贈らせていただきます!」


 そう言って笑顔になる。それに私は…プロポーズみたいじゃない!?と少しだけ戸惑ったが、贈ってくれる気持ちが嬉しくて笑顔で「はい!待ってますね」と返事をした。


 だけどこのジャックマンという人…侍従長という立場だから、皇居の人事を一手に担っているのだろう。そして恐らく平民ではなく、男爵…子爵くらいの身分はありそうだ。私のような年の者にも腰が低くて話しやすくて…だけど皇居の薔薇をくれるだなんて、勝手に言ってもいいのかしら?とちょっとだけ心配になる。

 だけど陛下からの信頼も厚い人だから、それくらいの権限は与えられているんだろうと、その日を楽しみに待つことにした。そして皇帝陛下の執務室の前に着くと…


 「アリシア、待っていたぞ!」


 またまた、扉の前で待ち構えていた皇帝陛下が!その歓迎ぶりに驚きながらも挨拶をする。


 「皇帝陛下、本日はお招きに預かりましてありがとうございます!再びお目にかかれて嬉しいです。本当に久しぶりにございますね?」


 そうにこやかに言って礼を取る。すると陛下はいつものように「いいから、いいから!」とソファに座るようにとおっしゃる。それでお言葉に甘えて座ると…


 「全然来てくれなかったではないか!これからも遊びに来て良いと言った筈だが?」


 そ、そんなことを言われても…と戸惑う私。用もないのに皇居に来れる?って考えると、難しいと思うけど~あっ、でもルシード殿下に会いに来ました!なら可能かも知れない。そうなると余計にややこしいことにならない?と思ったりするけど…


 「それはすみません…長い冬季休暇などあって、領地に戻っていたものですから…。それが終わったら直ぐに卒業パーティーがあったりで、忙しくしておりました」


 それに陛下は、うんうん頷いて笑顔になる。

 

 「そうか、卒業パーティーは生徒達にとっては重要だな。それにキャロラインのことも聞いた!名高いルーベルト家の令息ならば、きっと幸せにしてくれるであろう。スティーブのことでは本当に申し訳なかったからな…そうだ!」


 突然、陛下が大きな声を上げられギョッとする。どうしたんだろうと見上げると…


 「今日はどうだ?皇后と会ってみてはどうだろう。それに皇女にも会ってやってくれると嬉しいんだが」


 ──ええっ…皇后様に?おまけに皇女様にまで!


 思ってもみなかったことを提案されて戸惑う。皇后様といえばキャロラインの叔母様でもある。一度お目にかかりたいとは思っていたけど。だけどこんな伯爵家の令嬢が…いいのかしら?

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