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【完結】立場を弁えぬモブ令嬢Aは、ヒロインをぶっ潰し、ついでに恋も叶えちゃいます!  作者: MEIKO
第七章・新たな局面

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51・私のパートナーは誰?

 「あのさ…パートナーが居ないんだよねぇ。どうしたらいいと思う?」


 アンドリュー特製、うさぎ型キャロットクッキーを摘みながらそう呟く。だけど毎回人参…よっぽど好きのかしら?火を通すと甘くなるから美味しいわよね、野菜だから太らないし。うん…やっぱり太る?そんなことを考えながら目の前を見ると、おいおい、甘~いっ!


 私は今、いつもの如くルーベルト侯爵邸に来ている。そしてキャロラインが双子ちゃん達からお土産に貰った手作りクッキー!それを呑気に食べている。そして目の前にいるのは…お兄様とキャロライン!もうね、すっごく幸せそう!だからそれはいいんだけど…もしもし、私の言ってること聞いてる?


 「ちょっとー!私の相談にのってくれるって言ったわよね?もーう!」


 そう言って横目で睨む私を見て、プハッと吹き出している二人。はいはい、邪魔者は私ですよ!とプクッと頬を膨らませていると…


 「ゴメンね、アリシア。今ディラン様と卒業パーティーで着るドレスとアクセサリーの打ち合わせをしていて…」


 そう言ってチラッと上目遣いで私を見るキャロライン。グハッ…可愛い!なんだか、麗しさがアップしてない?それに水分量の違いなの?瞳がウルウルなんだけど!


 「アリシアすまないな。聞いてない訳じゃなかったんだが…つい話が白熱してしまってね?今回のパーティーではキャロラインを、私の大切な人なんだと知らしめる必要があるだろ?だから重要で…」


 確かに!ドレスはもうとっくに仕上がっているだろうけど、婚約者同士だとアクセサリーにも気を使わないといけない。よく言われるのは、瞳の色とか髪の色とかに…合わせるんだよね!髪は違ったかしら?

 だけど相変わらず凄い執着~知らしめる必要が…だって?まあ、あるか!


 「キャロラインは何色のドレス?やっぱりお兄様の瞳の色の青かしら?」


 「そうなの!鮮やかなブルーにしたの。そしてディラン様の衣装は、シルバーの地に差し色で同じブルーを使ったものなのよ?それにアクセサリーは、ブラウンダイヤモンドがいいと思うんだけど…どうかしら?」


 わお!それは豪華だわね?ブラウンダイヤモンドか…やっぱりお兄様の髪の色も取り入れる訳ね。ダイヤモンドの中ではそれほど価値が高くないとされるブラウンダイヤだけど、私は凄く好きな宝石だわ!ファイアといわれる多色性のある虹色の煌めきが特徴で、おまけに夜身に着けると輝きがより一層引き立つ!いいな~私も同じブラウンの髪色なんだけど…関係ないか?


 「それ、とっても良いと思うわ!もう全員の目が二人に、釘付けになるんじゃない?」


 そう言って微笑むと、二人も嬉しそうに微笑み合っている。もうラブラブだわねぇ…


 「だけどアリシアちゃん…それは由々しき事態じゃない?まだパートナーがいないだなんて!」


 叔母様にいつの間にか私のボヤキが耳に入り、そう心配してくれる。それに、ハハ…ハッ…と力なく笑う。それからキャロラインに「こっちのネックレスの方が良くない?」と、バカでかいブラウンダイヤが付いたネックレスをオススメしている。あれは…肩凝るでしょ?


 「だけどいよいよ明日から学園が始まるし…誰か一緒に行ってくれないか、探してみるわ!」


 苦し紛れにそう言う私…。明日からは長い冬季休暇がやっと明けて、授業が再開になる。そして期間としては二カ月もないくらいの学期だが、もうイベントが盛りだくさん!

 

 まずは二週間後に学年末テスト…これで来年度からのクラスが決まる!Aクラスをキープ出来るといいけど…これで私だけBとかだったら、物凄く笑われるから…それは絶対に避けたい!

 今はBクラスのアンドリューは、今度こそは私達と同じクラスになりたいと、猛勉強しているらしい。そしてそれが終わったら…いよいよ卒業パーティーでしょ!

 それが終わったら最後に卒業式、もうあっという間に二年生だ!早いわぁ~


 「だけどアリシア、アンドリューとパートナーになったらいいんじゃない?あなたがルブランに行っている間にブリジットから聞いたけど、運動を頑張ってかなり背が伸びたらしいのよ?だからバランスもとれると思うんだけど…」


 バランスか…実はそれが問題なんかじゃない。だからさ、アンドリューが私よりも可愛いのがネックなのよ!だけどそれはどう考えても口に出せない…女の沽券に関わる!


 「そうねぇ、前に冗談めかしてパートナーにって言われたことはあるけど、その後は何も言われてないし…。もしも、アンドリューも決まってないのなら、それもいいのかも?聞いてみるわ!」


 「あらっ、アンドリューちゃんならいいじゃない?可愛いしねぇ~」


 ──その可愛さが問題なんだが?そう思うけど、パートナーがいないよりはマシだろう。それに一緒に練習した仲だし、踊り馴れているしね!そうアンドリューの気持ちそっちのけで決めてしまっていた。それが…ホントに!?


 新学期が始まって暫く…私は初めての胸キュンを体験することになる…

 あ、あなた本気?とドキドキすることになるが、それはもう少し後のこと。

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