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【完結】立場を弁えぬモブ令嬢Aは、ヒロインをぶっ潰し、ついでに恋も叶えちゃいます!  作者: MEIKO
第六章・身を守る方法

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40・廃嫡の決定

 お兄様のことを話すキャロライン…とってもキラキラしていた。もしかして恋してる?そうは思うが、よく分からない。

 だって私、そういうの全く分かんないんだよねぇ~自分の甲斐性のなさが恨めしい!


 「それにしても!アリシア、あなたちょっと水臭いわよ?どうして私達に教えてくれなかったのよ~ディラン様とのこと!」


 「そうそう!私達ビックリし過ぎて目が点だったわよ?酷いわっ」


 そうクリスティーヌとブリジットは、頬をプクッと膨らませて怒っている。それに私は…クルクル回ってハイ!ポーズとばかりに背中を仰け反らせる。


 「おい!アリシア、余所見してると危ないぞ!集中~」


 「は、はいっ!」


 私は今、アンドリューとのダンスのレッスン真っ最中!あれからずっと練習を続けていて、何とか初級は脱出出来そうだ。今日は学園はお休みで、怪我をしているキャロラインは来れなかったけど、クリスティーヌも一緒にスコット邸へと来ている。こっちを睨みながらお茶を飲んでいる二人をチラッと見て、マズい…と観念する。


 「アンドリューごめん!少し休ませて~」


 意外とスパルタ教師なアンドリューにそう弱音を吐いて、それから足を止めた。そしてブリジットとクリスティーヌがお茶を飲んているテーブルに近付き、ソファにドカッと腰掛ける。


 「わっ!静かに座りなさいよ~お茶が溢れるでしょう?誰か、アリシアにもお茶を出してあげて!もちろんアンドリューにもね」


 ブリジットがそう怒りながらもお茶を頼んでくれる。踊りまくりで喉がカラッカラだった私は、文句を言いながらも結局優しいんだからぁ~と笑う。それに「笑ってる場合じゃないでしょう?」と文句を言われながら…


 「はあぁ~疲れた!でもそれは本当に申し訳なかったわ。だけどね…紹介する機会が無かっただけなのよ!学園でお兄様とは全く会えないし、まさかルーベルト邸に皆を連れて行く訳にもいかないでしょう?そのうちチャンスがあるだろうと思ってたんだけど…」


 私は疲れて息絶え絶えになりながらも、そう言い訳をする。それにはちょっとだけ不満気な二人だが、一応納得してくれたように「それもそうだけどね…」と呟く。


 「だけどさ、あの時のディラン様って物凄く格好良くなかった?私なんて、はあああっ!ってなっちゃって。そんな素敵な人がアリシアの親戚なんてね…」


 クリスティーヌが言ったその最後の部分はちょっと聞き捨てならないが、お兄様を褒めてくれたから私も満更でもない。それに驚いたのは、思った以上のお兄様の人気だ。あの後、今まで話したこともなかった令嬢達から話し掛けられたりしたし…どうもお兄様は、婚活市場ぶっちぎりトップな令息らしい。お相手の決まっていない令嬢達にとって、結婚したい令息ナンバーワンなのだと聞いた。名門の侯爵家の令息、おまけに嫡男。そしてあの容姿だ…それは納得だけどね!


 「それはホントだよなぁ。僕らでもディラン先輩のことは、一目置いているから。頭脳明晰であのカリスマ性…学園内に先輩に逆らう愚か者なんて皆無だと思うぜ!それにあの眼鏡…どこで売ってるんだろう?格好良すぎだよなぁ」


 ──バシッ!


 「あんたねぇ、目なんか悪くないでしょう?それにディラン様だからお似合いなのよ!」


 「痛え!お前なぁ~。だけど僕だって知的に見えるかも知れねぇぞ?」


 そんなワイワイガヤガヤの双子の喧嘩がまた始まって、苦笑いしながらそれを見つめる。そんな私に隣でこっそりと声をかけてくるクリスティーヌが。うん…?


 「あのね…どうもスティーブ殿下が廃嫡されるのが議会で決定されたらしいの。それであなた明日皇居に行くんだって?それを聞いたお父様が、あなたに事前に知らせておいた方がいいって…」


 宰相であるクリスティーヌのお父様からもたらされたその情報に心底驚く!廃嫡が…とうとう決定された。それは近いと予想していたけど、それよりも迅速に決まったことに驚いた…そして事前に教えてくれた宰相様感謝します!明日知ったら、動揺して失態を犯してしまったかも知れない…それ程の衝撃だからだ。


 「それで?次の皇太子は、第二皇子のウィリアム様になるわけ?確か…中等部一年だったわよね」


 喧嘩中で、おまけにこんなに小さい声でも聞こえてるの地獄耳!ブリジットがいつの間にか近付いていて、おまけにアンドリューもそれに驚き身を乗り出している。それはそうか…アンドリューはスティーブ殿下とは仲が良かった。それは側近みたいな立ち位置だったろうけど、それでも長い間一緒に居たのだから…


 「どうもそれは決まっていないらしいわ!その後のスティーブ殿下のことも…」


 クリスティーヌはそう言ってバツが悪そうに俯く。あの一件以来殿下は再び学園に現れてはいない。そしてルーシーも殿下のいないAクラスにはそもそも用がなく、来ないからいるのがどうかも知らない。そして私は思う…明日の皇居行き、長くなりそうだと。

 皇居でのあの事件以来初めての訪問で、おまけにその重大な決定の後だ…どうなるの?なんだか怖い…

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