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一部に未成年の喫煙、運転などの描写がありますが当作品はフィクションです
信号機が青になるのを待っていると制服のポケットに入れていた携帯が鳴った。
信号機がまだ赤なのを確認してから携帯を取り出し画面を見ると。
『ごめんね、帰りに卵と牛乳を買ってきてくれる?買い忘れちゃって後でお金を送っておくからあの子と貴方の分のオヤツも買ってきていいから』
「りょーかい」
私は送られてきたメッセージに返信しをして携帯から顔を上げた瞬間だった。
「、、、、え?」
本当に突然だったさっきまで自分の側にはサラリーマンや大学生や他にも色々な人が信号機が青になるのを待っていたはずなのに携帯から目線を上げた瞬間、周りに人がほぼいなくなっていた。
「、、え?何?」
状況を理解しようと考えようとした瞬間、車同士が激突する大きい音がそこらじゅうから聞こえて数秒後には爆発音が聴こえてきた。
「、、、、何が起きてるの?、、!」
「、、、、、」
何が起きてるのか分からないまま立ち尽くしていると突然、制服の端を引っ張られた。
驚いて後ろを向いたが誰もいない目線を下に向けると4〜5歳ぐらいの女の子が不安な顔をしながら私を見上げていた。
私は女の子に目線を合わせると女の子は泣き出した。
「大丈夫!大丈夫だから!お母さんと一緒にいたの?それともお父さん?」
「、ううっ、ま、、ママ」
「そっか、、、」
泣いてる女の子の背をさすりながら辺りをもう一度と確認した。
私と同じように制服を着ている人は数十人いるがどの子もこの状況に戸惑っている。
今も衝突の音や爆破音が聞こえてくる。
衝突の音や爆破音は車どうしがぶつかっている音で爆破音も似たようなものだろう。
女の子は音が聴こえるたびに体が揺れていた。
「(此処にいるのはまずいな、、、別の場所に移動しないと‘‘あの子‘‘の事も心配だし、、でも、、この子を此処に置いていくのも)、、、」
「?」
私は下に向けていた視線を上げると女の子は不安そうな顔を不思議そうに傾けるている。
私はこれ以上、女の子を不安にさせないよう目線を合わせながらこの場合から一緒に移動するかどうか聞くことにした。
「、、、えっと、お名前聞いてもいい?」
私がそう尋ねると女の子は少し戸惑いながらも自分の名前を教えてくれた。
「の、ノア」
「ノアちゃん、私は此処から移動しようと思ってるんだけど、、ノアちゃんはどうする?」
「、、、、、、」
自分より幼い子に決めさせるのはあまりいい事じゃないかもしれないけど、この子と私は赤の他人なわけで。
親戚もしくは姉弟ならまだ一緒に行く事を聞く必要はないだろうけど今は自分で決めないといけない状況になりつつあるのかもしれないと思い始めている。
それに私とこの子は赤の他人、一緒に行くとか聞かずに自分だけ移動すればよかったんだろうけど私は置いて行く事が出来なかった。
出来なかったのは自分でもわかる。
私には弟がいるもし弟が同じ状況で1人取り残されたらと考えると怖くて仕方ない現にいま弟は家で1人になってるかも知れない。
私は直ぐにでも家に戻りたい気持ちを抑えてもう一度と聞いた。
「もう一度、聞くよ?私は此処から移動するけどノアちゃんはどうする?私と一緒に行く?それとも此処に残る?」
「、、、、、、、、、お姉ちゃんと一緒に行く」
「、、、、、わかった、、ノアちゃん」
「なぁに?」
「抱っこしても大丈夫?その方が早く移動できるんだけど、、いいかな?」
「、、、うん、いいよ」
「ありがとう」
私は持っているスクールバックをリュックのようにして背負いノアを抱えるとその場から離れるために走り出した。
読んでいただき、ありがとうございます。