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一部に未成年の喫煙、運転などの描写がありますが当作品はフィクションです
「そういえば、、、あの日からだいぶ経ったね」
「ん?あ〜、そうだね」
「正直言って18になったら私達も突然、消えるかもって思ってたんだけど」
セナは不安そうにけれど安心したような声で話しかけてきた。
確かにメンバーが集まっていくなかで最年長が全員17歳しかいない事に驚いた事は今でも普通に思い出せる。
セナが言っていた通り17歳を過ぎれば自分達も他の大人達のようにいきなり消えるかもと不安を抱えていた。
けれどその不安は18歳になっても何も起きず不安は杞憂だった事に安心した。
けれど消える事が無いと分かった安心と反対に別の不安が私達を襲った。
それは、いなくなった大人達の中にいる自分達の両親または歳の離れた兄や姉そして親戚の顔や名前が思い出せなくなっている者達が増え始めていた。
幸いにも写真を見れば直ぐに思い出せるが少しでも写真から目を離すと顔と名前が分からなくなる。
私や他のメンバーは何とかしていたけど幼い子らはかなり不安がっていて何かある度に泣いたり親を探したりして拠点の外に1人で出る事が少なからず続いている。
「私らや他のメンバーも何とかなってるけどやっぱりチビ達はね〜」
「仕方ないよ、こればっかりはさ今はあの子が何とか落ち着かせてくれてるからどうにかって感じだし」
「そうだね〜、そういえば」
「ん?何?」
「リーダーの能力ってさ、いつから発現したんだっけ?」
「、、、これは、、チビ達を助ける時に」
「確か私がまだチームに入る前、、、チームが出来た頃だっけ?」
「、、、うん」
私は自分の右手のグローブの隙間から見える刺青のような紋様を見つめた。
これがいったいなんなのか分からないまま私は自分にある力を何とか使っている。
考えてみればあの日からわけのわからない日々が続いている私は紋様を見つめながらあの日の事を思い出し始めた。
読んでいただき、ありがとうございます。