053_継暦136年_秋/A04 + LIST
よお。
凄腕の混種冒険者に首を刎ねられたオレ様だ。
派手に出血したはずだが、衣服に汚れはない。
身につけている三種の金属も変化なし。
それ以外のめぼしいものはと身を探っていると、
上着のポケットに手書きの地図が入っていた。
✗が付けられたところが恐らく、現在地だと思われる。
簡単な道と、こちらへと進めと言わんばかりの矢印。
これに従う必要もないが、やるべきこともない。
ひとまずは地図と見つめ合って動くことにする。
……ええと、三本が組み合わさった形の木があれか。
で、その道を右に……。
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長い。
長い道のりだった。あの地図は縮尺がおかしい。
正しい縮尺で描かれていたならおそらく足を向けなかったが。
到着したのは街だった。
見覚えのある……ああ、前々回にお喋り男爵が攻め寄せていた町だ。
名前は確かウログマ、だったか。そんな風に叫んでいる冒険者の言葉が思い出された。
来てしまったからには入ろう。
一応、認識票もあるし、すんなり進めたらいいのだが。
「青色冒険者の方ですか。ご苦労さまです。
一応、規則なので……はい、本物と確認取れました、お通りください。
……最近は治安がより悪くなっておりますのでお気をつけを」
城門を守る兵士はこのように丁寧な対応をしてくれた。
タグに何か小さな金属を押し当てていたが、あれで何かを判別していたのだろうか。
もしもそれを知らないのが極めて非常識なことだと困るので態度にも声にも疑問を出さないようにしておいた。
ともかく、街にはすいっとお邪魔することができた。
巨大な木を利用して作られた文字通りのツリーハウスと、石造りの建造物が隣り合っている。
木を利用した建造物はエルフの建築様式だった気がする。
他にも不思議な形をした建物が幾つもあり、この街に多くの人種が定住していることが見て取れた。
街に入れたことに安心したのか、
それともそれなりの距離を歩いたからか、オレは空腹を覚えていた。
周りを見渡すと冒険者風の人間が入っていく施設が見える。
建物としてはなかなか立派。
冒険者ギルドだろうか。遠目からは何かまではわからないが、冒険者が我が家のように入る場所なんて冒険者ギルド、管理局、色っぽい店とまあ、そのくらいのものだろう。
近付けばそこが冒険者ギルドであることがわかり、
食事を提供する場所が併設されていることを軽く祈りながら、オレも施設へと入場することにした。
大賑わいだ。
ギルド施設は石造りの重厚な作りであったが、内部に関しては違った。
薄暗く活気が薄いかと思えば、魔術か請願によってか昼の空の下のように明るい。
ゴロツキばかりがいるかと思ったが、そうした手合はむしろ少ないようにも見えた。
警備は街の治安が悪いなんて言っていたが、とりあえず冒険者ギルドは安全そうだった。
周りを見渡すと飲食ができそうなエリアもある。
やや知識とのギャップがあったので暫し見渡してから感覚を掴む。
なるほど、飲食をするためには並び、注文をし、支払いをし、待機用の札をもらって待つ。
会計はニコニコ現金払いか、オレの首にもかけられている資産金属での支払いのどちらか。
よしよし、完全に理解した。
オレは自信満々に並び、順番が来たのでメニューを見る。
見たこともないものばかりだった。
文字は読めるが、意味がわからない。見たこともないものばかりが並んでいる。
正確に言えば、こうした店で自分で頼んだことがないことを思い返す。
とりあえず字面で中身が予測できそうなものを適当に頼むか?
「……むう」
「なあに悩んでるんさ。メニューかい?今日のメニュー悩んでるのかい、お客人。
へっへっへ、不思議そうに見ないでや。
見ればわかる、うんうん、豊富なメニューを前にして止まってしまう気持ち、わかるなあ」
変な奴が声をかけてきた。
ギャンベゾンで着膨れたエルフだ。タッパもある。タッパだけではなく、体格がいいのだ。
エルフってだけでも珍しいのに、その外見というか、雰囲気はもっと珍しい。
珍しいというか、妙な味というか。
「なあに?変な奴に声かけられたって思ってるんでしょ。
心外じゃあないかなあ。そうだよねえ。でも折角来たからには美味しいもの食べて欲しいって思うのは普通でしょー」
「……まあ、おすすめがあるなら聞きたい。
あんまり高くないヤツで」
「それじゃ、森の恵み定食二つ!」
わかった。
この変な奴はエルフが生来で持ち合わせているであろう気品だとか、気位めいたものが感じられないのだ。
まるで元気が取り柄の下町娘とか、そんな雰囲気である。
エルフはその美しさから男女の差がわかりにくいので下町『娘』というのが正しいかどうかまではわからないが。
「支払いは」
受付の言葉に何かを取り出そうとした変な奴を押しのけて、
「オレ様が払う」
と、資産金属を見せる。
「それじゃ、そこにかざしてくれ」
石板を指されたのでその通りにする。
硬質な音が支払いが終わったことを知らせた。
「あー、ヴィルグラムさんね」
彼は石板から何かを見て、オレをそう呼んだ。
「できたら机まで持っていくからこの札持って座っててくれ」
番号が書かれた板を渡されて、
「次の人、どうぞ」
なんとなしに人に押し流され、適当な席に付く。
「いんやあ~、ヴィルグラム氏ぃ。よかったのかい」
「なにが」
「奢ってもらっちゃってえ」
とりあえず支払いはできた。
残高もそこそこあるようだったので安心だ。
妙にあそこでまごつくのも目立ちそうだったので、この変な奴のお陰で支払いまでスムーズにいけたのは幸運だったし、
その幸運を運び込んだ相手というだけで奢る理由になる。
「不慣れな土地で困っていたからな」
「この辺りの人じゃないと思ってたけど、どこから来なすった?」
困った。
それはオレも知りたいことだ。
なにせ何も覚えていなければ、何の目的もないのだ。
「カルザハリの方だ」
「カルザハリって、楽団の聖地の?」
「ああ」
まあ、適当に答えておく。
ほえー、とどうとも取れない声を上げられる。
「っと、ヴィルグラム氏の名前知っておいてこっち名乗らんのも失礼だね。
わっちは████。
冒険者、へっぽこだけどねえ」
人懐っこい笑みを浮かべる。
変な奴だが、不思議と好感も持てる相手だった。
ただ、名前の発音がまったくわからなかった。
恐らくエルフの言語だ。
エルフたちは言葉そのものにインクを含ませるために、独特の発音になると記憶している。
……記憶しているというか、記憶が浮上してきた、というべきか。
「森の恵み定食二つ、お待ち」
そうして運ばれた料理はやはり、オレの知らないものだった。
柔らかい果実と、茸をバターやらミルクやらで煮て、チーズと麺を入れた食べ物……だと思われる。
麺はオレが知るものよりもややコシがあり、
味付けはかなり強い。
まろやかな味の奥の方に舌が痺れるような刺激というか、辛味があった。
その辛味が次の一口に進ませる。
気がつけば冒険者が利用する店舗ならではの、結構な量が盛られた一皿をすっかりと平らげていた。
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「あー……もにょにょにょ」
なんとかエルフ語を再現しようとするも間抜けな声が出る。
それを見てバカにするでもなく、
『ああ、また人を困らせてしまったな』と言いたげな表情を浮かべてから、
「発音しにくいしょ。
親しい人はわっちのこと、シェルンって呼ぶからヴィルグラム氏もそう呼んでよ」
「それならオレもヴィーでいい。
そう呼ばれ慣れているから」
これは、そんな気がしたからでしかない。
「ヴィー。
わかったよお、いいねえ。人を愛称で呼べるって小さな幸せだねえ」
それは否定しない。
復活すると孤独を感じるからこそ、人との繋がりのありがたさが染みているところだった。
「ここに来たときに治安が悪いなんて話をされたんだが」
「治安ねえ」
うーん、と大げさに悩むような素振りを見せてから、
「悪いというか……」
シェルンが何かを言おうとした辺りで、
「だ、誰か来てくれ!!
西町に賊!遺跡からも逆流現象が起こってやがる!」
「ああ、クソッ!
ヤルバッツィさんがいねえときにばかり……」
「ヤルバの旦那も街の北に現れたっていう怪物の群れを抑えに行ったんだろ!
街の中は俺らでなんとかしないとだ!」
それらを見やりながら「とまあ、こんなことになっているわけで」とシェルンが云う。
こういうお祭り騒ぎが二日に一度、多いときは毎日あるというのだ。
「賊だの、悪漢どもなんかはどこかの誰かに雇われて暴れているらしいんだわ。
で、逆流現象っていうのは遺跡から怪物やら何やらが外に出てきちゃうって奴だけど」
「作為を感じる」
「そういうことだねえ」
シェルンは立ち上がる。
「もう少し話したかったけど、わっちも行かんと。
一応、この街に住まわせてもらってるから、恩返ししないとねえ」
立て掛けていた木の根のようなものを掴む。
握る部分には布が巻かれており、それが前衛的な置物などではなく鈍器として扱われるものだということは認識できた。
「それじゃ、ごちそうさま……って、どうしたのさあ」
一緒に立ち上がっているオレに対して疑問を投げかける彼女。
「邪魔にならない程度には頑張るから、手伝わせてよ」
少し驚いたような表情。
まあ、今日先到着したばかりの流れ者が街の面倒事に首を突っ込む、なんて言い出せば確かにそういう顔もするか。
そこからわかるのは、彼女もまたこの街の住人ということだろう。
前々回にオレを守って死んだ冒険者の代わり、とまではできないだろうけど、
別の形で恩を返すならここくらいだろうと考えた。
「そんじゃあ、よろしくねえ」
周りは殺伐として荒っぽい声を出しながら動いている。
そんな中でシェルンの、なんとものほほんとした声色が妙におかしく、しかしどこか人を安心させるものだった。
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西町までたどり着くと、状況は予想より悪い。
街中で賊が悪さをしているなんて、イメージ的にはそこらのものをひっくり返したり、立ち小便やら大声をあげる迷惑行為くらいかと思っていたがそんなことはない。
やっていることは虐殺と凌辱だった。
「はあ……。ここまでやるかあ」
シェルンがそう呟いたと思うとゆっくりと手近な賊に歩み寄る。
なにか言葉を掛けるのかとも思っていたが、彼女が取った一手はあの鈍器で賊の頭をザクロに変える、だった。
賊の頭は跡形もなく吹き飛ぶ。
「よくないっしょ、そういうのは」
冷たい目、というわけじゃない。
ただ、それの視線は人間が人間を見るものじゃない。
狩猟を行う動物が、獲物を見るときのそれだった。
無感情で、冷徹に自らの技を使うための前段階。
へんてこなエルフだとは思っていたが、やはりエルフの美しさは備わっており、
それが『そのような』態度を取れば美しさがそのまま恐ろしさに変わる。
「エルフか。
一度遊んで見たかったんだよなあ」
「よーし、殺すんじゃねえぞ!生け捕りだ!」
ぞろぞろと集まってくる賊。
相手の動きを見る、仲間の到着を待つ、そうした手をシェルンは打たなかった。
踏み込み、鈍器を振るう。
蛮勇としか思えない行動だが、その一手は賊の心を折りに掛かる効果があった。
鈍器が振るわれれば命が潰れる。潰れなくとも五体のいずれかは吹き飛ばされる。
エルフというのはもっと華奢で繊細なイメージがあったが、少なくともシェルンには該当しないようだ。
オレも見ているだけではない。孤立している賊に近寄る。
自らに備わった技巧を調べ尽くすチャンスだ。
賊が武器を抜いていない、そっと手を伸ばし、武器をなぞるようにして手品のように武器を盗む。
人通りの多い道でスリに遭ったとしても気が付かない。
大体の場合『あんなに気をつけていたのに』と被害者は語るのだとか。
自分はしっかりと注意を払っているから大丈夫なんて思っていても、むしろそういうものが盗まれたりもする。
不思議なものだと思ってもいたが、自分が行う側になって理解ができた。
これは特別な力で手元に引き寄せているわけではない。
盗めるものを見つけたなら、違う手段で持ち主の意識を逸して、
その隙を衝くのがこの技巧の肝要。
今、オレが的にした相手はシェルンが暴れている情景に目を奪われている。
それに付け込んだ。
盗めるものは無理がないものに限る。
それに、どうにも『愛着』だとか『重要視』だとかされているものは盗むのが難しい。
例えば、この賊は何故か懐から見えるところにベーコンが納められている。
収まっている場所は財布と変わらないが、彼はこのベーコンを重要視しており、それは盗めそうにないと技巧が囁いている気がした。
逆に腰に帯びた剣に関しては愛着も何もないものらしく、盗めそうな気がしていたし、
実際に行動に移せばそれを達することもできた。
技巧ってのは恐ろしいもんだ。
「……よし、俺も……あ、あれ?」
「こいつを探してんのか?」
賊が武器を掴もうとして、ないことに気がつく。
探しものを持っているオレがご丁寧に話しかけてやると、「おお、それそれ」と言いたげな顔をしたので、彼から失敬した粗悪な片手剣を心臓めがけて叩き込んだ。
敵がエルフだけではないことに気がついた賊たちはオレに目を向け、そうするとエルフ、つまりはシェルンの鈍器による蹂躙の犠牲者となった。
かといってオレを放置すれば武器が盗まれるなり、不意打ちを狙われるなりする。
賊が手をこまねいていると西町の戦いはあっさりと決着した。
我ながらこの技巧も恐ろしいが、シェルンの巨体から繰り出される単純なパワーのほうがこの戦いでは恐ろしかった。
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西町での戦いや逆流現象が起こっているのと殆ど同時刻。
ウログマから北。
ここは牙を剥くように、岩山がそびえ立っていた。
凶暴化した狼たちが骸を晒し、その中心には弓を持つヤルバが立っていた。
「流石はヤルバッツィ。流石は若き鉄色冒険者。
管理局が特命を出すわけだ」
岩陰から一人の男が現れる。
仕立ての良い礼服を纏ってはいるが、その顔から、その体から、獣臭のようなものが漂っていた。
隠しきれない、けだものの風情がその立ち姿からも。
「……サリヴァン男爵」
男爵。
カルザハリ王国が制定し、与えた爵位で最も下位のものではあるが、それでも小領主とは比べ物にならない権力は持つ。
小さな領地ながらも好き勝手に差配する権利を持っており、他領の干渉をはねのけて、好き勝手に土地と市民たちに触れることができる立場を有するのだ。
「久しぶりだな。
最後にあったのは、確か」
「ビウモード伯爵領と西方諸領圏の境界線で発生した怪物の殲滅任務の折です。
今から一年ほど前かと」
「そうだったな。あれは実に大変な戦いだった。
今でも鮮明に思い出すことができる。
ヤルバッツィ、ルカルシ、ウィミニア。いずれの戦闘力も惚れ惚れするほどのものだったよ」
サリヴァンはシメオン、タッシェロ、オーガストなどの男爵と共に盟約を結んだ身である。つまりは、男爵同盟の一員である。
ヤルバッツィがそれを知る由もないことだが。
現在のヤルバッツィは伯爵を守るための騎士ではあるものの、勅命により管理局を名乗る組織に出向していた。
ヤルバッツィの忠誠は尽きることのないものである一種の楔、つまり思慕を向ける相手が伯爵の妹であるメリアティであることも勅が下った大きな理由であったが、
それ以上の理由は現在の管理局、その局長こそが彼が所属していた一党の一人だったからだ。
そのようなことになる前に、ヤルバとその一党はサリヴァンの依頼によって怪物退治をこなしたのだが、
あの依頼で倒した怪物、凶暴化した狼が再び彼の前に現れていた。
狼は人間と見れば危険度など度外視で襲ってくる厄介な怪物。
しかし、今回は狼に囲まれているはずのサリヴァンには目もくれない。
「狼を……いや、怪物を手懐けているのですか」
理由は明確だった。
あのときの依頼もサリヴァンによるマッチポンプだったのだ。
或いは、西方諸領圏の全ての爵位持ちによるものかもしれない。
「君らとの実戦を踏まえ、
我が子は強度を増すことに成功はしたが……技の冴えは未だ君が上か」
「自分にも戦う理由と強くならねばならない動機がありますので」
現れる狼の気配を感じつつ、ヤルバッツィの指先は矢筒に触れる。
残りの本数を考えると弓だけでは殺しきれまい。
腰には騎士の位を受勲した際の儀式剣もある。いざというときはそれを使うしかないだろう。
「例えば、あの少年の命を必要に応じて奪い続けること……かね?
残酷な話だな、ヤルバッツィ」
にたりとサリヴァンが笑う。
「それは……」
「違うとでも?
違わないだろう。行動を別のもので飾るなよ、ヤルバッツィ。
君はメリアティ嬢を助けるために少年を殺し続ける道を選んだことに、違いなどなかろう」
我々であれば、と彼は続けた。
「我らもまた君たち管理局が……いや、妖物めが作り上げた『相伴』については調べているのだよ。
男爵家の多くは彼らかつての侯爵家とも繋がりが強い故に、それなり以上に手記による記録も残っている」
君たちは秘匿したかったようだが、漏れるところには漏れるのだ、と。
「あの少年を殺さずに済む方法を得られるかもしれないぞ。
これ以上手を汚して、それでメリアティ嬢を抱きしめることができるのかね。
彼女もまた、少年の亡骸の上で幸せに過ごせるとでも」
言葉を遮るようにヤルバッツィは矢を放つ。
狼が同時に走り、男爵の盾となって射られて転がった。
「いずれ我が身に相応の報いが来るのは理解しております、サリヴァン男爵。
ですが、主君である伯爵を裏切って貴方に付くことはできません」
「何故だね」
「結局のところ、同じだからですよ。我々は。
あの少年を礎にして自らの欲求を果たそうとしている。
いずれ我々はあの少年によって裁かれるでしょう。それは避けようのない未来でありましょう。自分からしてみればそもそも避ける気もない。
ならば、今歩いている道を歩き続けるほうがそこへたどり着くのも早いはずです」
「なるほど。
……愚かな選択だ」
笛を鳴らすようにして指を口に押し当て、響かせる。
岩山に隠れ潜んでいた狼たちが姿を現す。
「では、説得はここまでだ。
またそのうち会うかもしれないが、そのときもよろしく頼むよ。
君が生きていれば、だがね」
逃げようとするサリヴァンの背に矢を打ち込むヤルバッツィ。
それはまるで操作されたように動く狼が身を挺して庇い、届かない。
振り返り、にたにたと笑うサリヴァンだったが、やがて岩の影から影へと走って消えた。
「……ああ、そうだとも。
いずれ裁きは下る。自分にもウィミニアにも。
それでもいい、メリアティ様がご健康であられるなら」
ヤルバッツィと狼たちとの戦いが再び始まった。
いうまでもないことだが、こうした手合いに遅れを取る彼ではない。
それでも全身に傷を作り、ほうほうの体で仮住まいたるウログマへの進路を取れたのは翌日の朝だった。
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ここでの人物データの初出時は、Axxのお話以後のものとなります。
(具体的に言えば046_継暦135年_秋~継暦136年_秋/A00の、『オレ様』登場以後)
名前が出たタイミングを参照しています。
例えば『005_継暦133年_夏/01』でヤルバッツィが出てきていますが、Axx以後の初出は『051_継暦136年_秋/A02』なのでこのLISTではそちらが記述されます。
ネームドのみを記載しています。どんなに目立っていても名前が出てない人は記載されていません。
外見や行動が目立っていて、「後々出てきそう!」って雰囲気があってもネームドでなければ記載していません。
ネームドでも名前だけしか出てきてない場合も記載してません。クレオの部下で怪我をしたドノバンとか。
◆(仮称)オレ様
初出|046_継暦135年_秋~継暦136年_秋/A00
職能|不明 装備|なし
性別|男 年齢|10代前半
身長|153cm 体格|少年体型
記憶などが一切ない状態から開始した。
046_継暦136年_秋/A00の最終部分からの主な視点。
◆クレオ
初出|047_継暦136年_秋/A00
職能|護衛 装備|片手剣
性別|女 年齢|20代中頃
身長|149cm 体格|そこそこ恵まれている
エメルソンという後ろ暗い商人に隷属させられている。
部下からの信任は得ているようだ。
◆チャール
初出|048_継暦136年_秋/A01
職能|聖職者 装備|なし
性別|男 年齢|30代前半
身長|167cm 体格|痩躯
聖堂の聖職者でありながら、権力に魅入られたもの。
フェリシティに隷属の首輪を嵌めた。
◆フェリシティ
初出|048_継暦136年_秋/A01
職能|聖堂騎士 装備|猟犬の剣、猟犬の盾
性別|女 年齢|10才前後
身長|140cm 体格|少女体型
聖堂騎士として、類まれな才能を持った少女。
チャールによって隷属させられていた。
一種獲得できれば才能があると言われる無形剣を五種扱える。
見せているのは一般的なものと、距離と鋭さに特化したものの二種。
◆セバス
初出|048_継暦136年_秋/A01
職能|聖堂騎士 装備|猟犬の剣、猟犬の盾
性別|男 年齢|30代前半
身長|183cm 体格|ゴリラ
聖堂の暗部組織である猟犬の部隊長。
請願を複数会得しており、無形剣も扱えて、なおかつ単純な戦闘技能も優れている。
◆オーガスト
初出|050_継暦136年_秋/A01
職能|男爵 装備|なし
性別|男 年齢|20代後半
身長|173cm 体格|普通
西方諸領圏の男爵。
人材商を複数抱えており、当人もそうした行いを好んでいる。
◆タッシェロ
初出|051_継暦136年_秋/A02
職能|男爵 装備|なし
性別|男 年齢|20代中頃
身長|166cm 体格|普通
西方諸領圏の男爵。
家柄が学問に寄っており、ライネンタート侯爵との繋がりもあったらしい。
彼自身もオートマタに関する知識をそれなり以上に有している。
◆ヤルバッツィ
初出|051_継暦136年_秋/A02
職能|騎士 装備|上等な弓
性別|男 年齢|20代前半
身長|179cm 体格|がっしり
至当騎士団の団員。同騎士団はビウモード伯爵直下の組織。
伯爵の特務を受けたり、その特務によって別組織に出向させられたりする。
◆ヘイズ
初出|051_継暦136年_秋/A02
職能|管理局局員 装備|不明
性別|不明 年齢|不明
身長|171cm 体格|中性的
管理局に属している局員。
荷運びの肉体労働から伝言まで仕事ならしっかりこなす。
◆ブレンゼン
初出|052_継暦136年_秋/A02
職能|冒険者 装備|幅広刃の直剣、短刀、硬革の鎧
性別|男 年齢|30才前後(にも見える)
身長|140cm 体格|かなりがっしり
鉄色位階の冒険者。仕事であれば殺手じみたこともやる。
ゴブリンとオークの混種であり、そのせいで生きるのにも苦労したようだ。
◆シメオン
初出|052_継暦136年_秋/A02
職能|男爵 装備|なし
性別|男 年齢|20代前半
身長|173cm 体格|普通
西方諸領圏の男爵。
ブレンゼンを雇い、『オレ様』を殺させてその死体の回収をさせた。
オーガスト、タッシェロなどが在籍する男爵同盟というものに彼も在籍。
ブレンゼン曰く、厄介事を起こそうとしている、らしい。
◆シェルン
初出|053_継暦136年_秋/A03
職能|戦士 装備|木製の鈍器、ギャンベゾン
性別|女 年齢|10代後半(に見える)
身長|182cm 体格|かなり恵まれている
エルフの戦士。
言葉に独特の訛りがある。性格も朗らか。
面倒見がいい。
◆サリヴァン
初出|053_継暦136年_秋/A03
職能|男爵 装備|なし
性別|男 年齢|20代前半
身長|171cm 体格|普通
ヤルバッツィに対して怪物と言える凶暴化した狼をけしかけた。
明確にビウモード伯爵家への敵対を示している。




